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vsウルスムス 4


「まずは魔力……」


 魔力と気力の合一。

 そのやり方は人によって違うが、基本的には半身で気力を練り、もう半身に魔力による強化を行い、その両者を掛け合わせることが多い。

 そして最終的にその二つの強化を組み合わせてから混ぜ合わせるのが、他の奴らのやり方だ。


 だが俺のやり方は『超過駆動』によって気力と魔力の合成に少しばかり慣れたおかげで、少し特殊なものになっている。


 俺はまず最初に、魔力によって肉体を強化させる。

 そして次に、気力をその魔力に溶け込ませていく。


「次に気力――」


 魔力の性質が少し変わっているらしく、俺は他の人間と比べると比較的気力を魔力に混ぜやすいらしい。

 体質なのか繰り返した結果こうなったのかは、今となってはよくわからない。


 『超過駆動』の時はほんのひと匙のイメージで入れていた気力を、身体強化の魔法へと練り込んでいく。


 気力と魔力を掛け合わせることによって、身体の中で拒絶反応が起きる。

 バチバチと体中を反発しながら飛び回る気力と魔力を、強引に押さえつけていく。


 全身を二種類のエネルギーが飛び回っているため、身体の内側を、魔法でも弾けているような激しい痛みが飛び交う。


 けれどもうこの痛みには慣れている。

 少し顔をしかめるだけで、やりすごすことができた。


 二つのエネルギーを――合成させる。


 全身が赤色の光で覆われる。

 チカチカッと明滅を繰り返しながら、その発光のタイミングが徐々に短くなっていき――爆発的な光の奔流へと変わる。


 激しい光は消え、俺の全身をうすぼんやりとしたオーラが包み込む。

 内側から力が溢れてくるこの感覚……久しいな。

 やると疲れるから、本気で戦うときしか使わないからな。


 さて……ここからは完全に、時間との勝負だ。

 持てる全力を以て相手をしよう。


「チッ、魔闘気か……」


 気力と魔力を合一させ、反発するエネルギーを新たに一つの力へと昇華させる究極闘法――魔闘気。


 俺が発動用意をしても、ウルスムスは何も動きを見せなかった。

 発動させるまでの時間は、俺の方が圧倒的に早い。

 今のままでは魔闘気を発動させる最中に俺の攻撃を食らうだけだと考えたのだろう。


 発動準備さえしてくれていれば、無防備な土手っ腹に一撃をかませたんだが……さすがにそこまで上手くはいかないか。


 ウルスムスの舌打ちを聞いてから、俺はすぐに前に飛び出す。

 そしてこちらを迎撃しようと杖を構えるウルスムスの――背後からハイキックを加えた。


 バリバリバリンッ!


 キック一発で、三枚の結界が割れる。

 そのままの勢いで、オリハルコンの剣を叩きつける。

 バリバリと音が鳴り、更に結界が割れた。


 あと少しで、ウルスムスの着ているローブに剣が届きそうだ。

 この分なら……結界は十枚はないだろう。


「修復させる手間は与えん」

「ぐうっ!?」


 右ストレートで一枚、肘打ちで一枚。

 更に二枚の結界を持っていく。


 このまま押し切れるか……と思ったところで咄嗟に後ろに下がる。

 俺が先ほどまで居た場所を、炎の柱が通っていった。


 見ればウルスムスの方は、ハアハアと息を荒げている。


 どうやら咄嗟に俺の攻撃を止めるために、かなり無理に魔法を使ったようだ。


 これを繰り返していけば、向こうの方が早く魔力が切れる……はずだ。

 もっともそう上手くいくほど、甘くはないとはわかっているけどな。


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