ロザリンドの妄想劇場
これはあくまでもロザリンドの妄想です!
作者のと違いますから!(_ _).。o○
スペンサー公爵夫人、ロザリンドの日常は意外にも忙しい。
スペンサー公爵はこの国の重鎮。
貴族、商人までもがご機嫌伺いという名の面会を求めて来る。
その上若く美しい私を娶ったのですもの、間近で見たいわよね。
ロザリンドはここの所べったり側を離れない公爵に辟易としていたのでつわりを理由に一人で過ごす時間を手に入れた。
つわりが終わり安定期に入ったら、一年後の自由に向けて動ける内にやれる事をやろうと考えていた。
先ずは考えを纏めておかなくてはいけないわ。
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ロザリンドは豪奢なソファーにゆったり座り、色取り取りの菓子をつまみながらティータイムを楽しんでいた。
つわりの合間にこうして好きな物を用意させて食べておく。
妊婦になってからこの習慣が出来てしまった。
独身時代は少しでも体型を維持する為、我慢する事も多かった。
お腹の子供の為と言いつつ近頃では自分を甘やかしている。
実家ではお目にかかった事の無い珍しいお菓子が用意されてこの贅沢な生活はとても気に入っていた。
隣にアイザック様でも居れば絵になるのにね。
広い庭園を眺めながら意識を今後の事に向けた。
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第一候補、元婚約者ロバート・コールマン伯爵令息。
親同士が友人関係で幼い時に婚約者になった。
穏やかな性格で何でも我儘を聞いてくれる存在。
将来の伯爵だが実家同様田舎なのでどちらかと言うと地味な存在だった。
でも私の意見が通りやすい。
結婚したら主導権を握り易い。
それに彼ならばロザリンドが望む筋書きが出来そうだ。
彼があの後エブリン嬢と婚約したらしい話も当然だが無い、好都合だ。
あのエブリン様だもの、間違っても有り得ないわよね。
愛する私の為に泣く泣く婚約を破棄したものの、幼い頃からずっと好きだった為諦め切れずに頑なに独身を通す一途な男性。
ロバートにピッタリな役どころ。
彼の一途な思いに絆されてしまう私。
「うん、良いじゃないの」
一度は愛する人の為に泣く泣く身を引くが、諦め切れない私をスペンサー公爵から取り戻す王子様。
少し押しが弱く頼りない気もするが人々はこんな話が大好きだ。
私がそこの所は上手い事、アドバイスしなくちゃね。
何度も何度も頷きながら自分の案に酔いしれる。
「また新聞を賑わせちゃうかしら?」
そうなれば少しでも美しい妊婦でいなければ。
「ウフフフ……」
また食べようとして手に取った菓子を戻し満ち足りた笑顔を浮かべる。
同情も集まるだろう、スペンサー公爵も彼なら諦めもつくだろう。
いや、何としても諦めて貰わなければ……。
破棄の際、少々強引な経緯を知っているのだから。
公爵には生まれた子供の親権を差し上げよう。
手放したくは無いが、せめてものお詫びだ。
公爵家に居た方が子供の未来は明るい。
私は勉強が嫌いだったが一流の家庭教師、一流の学園、都会の人脈。
男の子なら公爵の持っている子爵位を譲られるだろうし、女の子なら持参金をたっぷり持って良家へ。
王家への嫁入りだって夢じゃ無い、年齢さえ合えば。
田舎の伯爵家で連れ子として育てるよりは王都のこの屋敷で何不自由無く育てた方が子供にも良いだろう。
方針は決まった、後は⋯⋯身動きが取れないから手紙でも書こうかしら。
直接出す訳にもいかないし、誰かを介して渡して貰おう。
「そうだ、エブリン様から結婚のお祝いとお手紙が来たじゃない」
それこそ正にパトリシアからアイザックへそしてロザリンドに届けられたあの結婚祝いである。
「お礼状と共に渡して貰えるように手紙を忍ばせよう!」
私って天才!
そう思ってスキップしたい位のロザリンドだった。
それをそっと様子見する夫であるスペンサー公爵。
その動物的勘で危機管理能力に優れた彼は何事も見逃さない。
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