迷路の先
誤字脱字報告ありがとうございました。
沢山ありお恥ずかしい限りです!( ..)φメモメモ
でも漢字に詳しい方に読んで頂けてとても心強く、有り難いです!
間違ったまま変換をされたりするので今後とも見捨てずに宜しくお願いします!
頼りに本当に頼りにしております<(_ _)>
パトリシアはこの地に来て初めて自由とは何かを知った。
身寄りのないマーサも共に暮らしたいと言ってくれているので、不動産屋で土地の相場を調べたり、住みやすそうな場所を見学したり、働き口にどんなものがあるのかリサーチしたりして日々を過ごした。
最初はエリアルおば様が気を遣って案内人を付けてくれて、慣れて来てからは二人で行動して、クタクタになるまで歩き回った。
自領にいる時には外に滅多に出かけなかったのが嘘のように精力的に動き回り、マーサから驚かれる程健康的に生き生きとしてきたと自分でも感じた。
元々貴族であってもあまりそういう扱いを受けなかった事で、平民の暮らしにも抵抗感が無く、すんなりと馴染めるような気がした。
エリアルおば様には1日の行動を報告し、話が弾み普通の母親はこんな感じなのだろうかと思いを馳せた。
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そんな時、エリアルおば様の留学中だったご子息達が一時帰国する事になり、婚約者共々紹介を受ける事となった。
留学先の情勢が不安定になり安全措置での帰国であった。
親しい者達で内輪のパーティが開かれることになり、そこでパトリシアも紹介を受けることになった。
お兄様と呼んでくれとお二人から言われて、仲の良い婚約者の方もご紹介を受けた。妹が出来たようだと皆さんから歓迎されて、照れ臭いやら恥ずかしいやらで、楽しいひと時を過ごさせて貰った。
本当にここに来て良かった、狭い世界でもがいていた私はもういなかった。
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そんなある日、図書館帰りにマーサといつもの如く街中を散策していると、一軒の売り物件を見つけた。
こぢんまりとした小さな2階建ての木造物件で、マーサと住むには丁度手頃な大きさと言えた。
値段も応相談の張り紙がしてあって、交渉でいくらか値引いて貰えそうだ。
ここなら市場にも近いし、働きに出ても暗い道を通らずに帰れそうだった。
値段は安いに越した事は無いが、女性の二人暮らしなら安全の方を優先させたかった。
「マーサ、この物件良さそうじゃない?」
「そうですね、でもお嬢様が住むには狭くありませんか?」
「この位の方が目が行き届いていいと思うのよね、あまり広いと落ち着かないわ」
「お嬢様が宜しければ、市場も近いですし食費を抑えられそうですね」
「新鮮なものを朝市で購入してその日に食べきれば、二人でなんとか暮らせそうね」
「内見出来ないかしら?」
「この不動産屋なら大通りに有りましたよ」
「人は住んでいないから内見出来そうね、行ってみましょう」
其れから内見をさせて貰い仮押さえとして内金を少し入れた。
良い場所に有るので人気物件なのだそうだ。
しかし取り敢えず、エリアルおば様に相談したいので仮抑えのみとした。
住所を記入の時領主の遠縁だと言ったら、中の家具もサービスで付けてくれるらしい。
控えを持って帰宅した。
「エリアルおば様、ただいま戻りました」
「お帰りなさい、今日も楽しかったようね」
「はい、それで早速なんですが、手頃な物件を見つけたので御相談しようかと……」
そう言って不動産屋から渡された資料を元に、並んでソファーに腰掛けて話し合った。
地図で確認しながら、ここなら治安もいいし何より気に入ったのなら大賛成よ、と言って貰えた。
私はその時までもう実家に帰るつもりは毛頭なかった。
「失礼します。パトリシアお嬢様ご実家からお手紙が届いております」
「えっ!」
高揚した楽しい気分がその一言で霧散した。
実家ではこの短い間にとんでもない事が持ち上がっていた。
漢字をよく間違ったりしますが心の広い方、ブックマーク、評価、感想等宜しくお願いします。




