相談③
タイトルを変更してみました!⋯⋯が、やはり野暮ったいかなとか悩んでいます(・・?)
「随分と酷い話じゃないの。正気なのかしら、あの二人は」
「私も貴族の端くれですから、政略結婚もあるとは思っていました。でも其れはある程度釣り合いの取れた相手という認識でした。ですからそう言ったお話があれば、受けるつもりはあったのですが⋯⋯」
「呆れて物が言えないわ。自分の娘にそんな事しようとするなんて」
「恥を忍んでお願いします。知らない土地に逃げるよりも、この土地に平民として居住権が欲しいのです」
「其れは少し考えさせて。受け入れるのは簡単だけど、それだけじゃあ貴方を守れないわ。時間を頂戴」
「宜しくお願いします」そう言って頭を下げると、マーサも慌てて其れに倣う。
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「其れと昨日聞かれた貴方のお母様との事、お話しするわ」
「やはり何かあるのですね、流行に敏感でそう言った情報を逃さない母達なのに、おば様の事もここの事さえ一切聞いた事がありません。もしかしたら、連れ回る姉と妹には言っているから話題に出ないのかも知れませんが」
「単純な話なのよ、私の夫をあの人はずっと好きで狙っていたの。婚約者も作らずに拒否していらしたようよ。婚約者になった私の事は認められなくて、随分妨害もされたし、有る事無い事言いふらされたりしたわ」
「そうだったのですね、母が申し訳ありません」私は頭を下げた。
「いいの、あなたには何の罪も無いでしょう」
「そう言って頂けて嬉しいです」
「それでもね、夫は私を好きでいてくれたから、揺るがなかったのよ。それが却って彼女の執着を生んだの」
「しつこく付き纏ったりしたのですね、きっと」
「夫はその気が無いからハッキリ拒絶したんだけど、なかなか諦めてくれなくて。どう調べるのか私たちが行く先々に何故か現れるのよ、怖いでしょ」
「あの奥様が……」
マーサはとても信じられないように呟く。
「そしてね、少しでも夫の傍に来ようと無理して周りと揉め事になったりしてね、当時は有名だったのよ」
「はぁ……」溜息が漏れる。
「そして夫の堪忍袋の緒が遂に切れてね、いつまで黙認しているんだ、私達が結婚しても続ける気かと。あなたのお爺さまに夫が強く抗議して、今のお父様と直ぐに結婚なさったのよ」
「そうだったんですね」
「それと先程の話で気になる事があるの」
「何でしょうか?」
「昔あなたに会った話をしたわよね、親戚の法事だと思うけど。その時、暫く見てたけどあの時までは三姉妹の扱いは同じようだったわ。もしかしたら、私が貴方だけに声を掛けたからかもしれないわ」
「そんな事があるんでしょうか?」
「確証はないけれど、あの時話しかけていた私からあなたを奪うみたいに連れて行ったのよ」
「……」
「あれがきっかけなら申し訳なかったわ」
「そんな事があるのでしょうか?」
「私ね、女の子が凄く欲しかったの。それで貴方が彼女の子供だと知らなくて声を掛けたのよ」
「……」
「もしそれがきっかけであるならば貴方に謝らないと」
「謝る事は何もされていないです。問題があるとすれば母の方ですから」
その位の事で、果たして自分の娘を冷遇するだろうか?
しかし確かに三姉妹で性格が違うのは私だけ、姉も妹もよく似た性格をしている。
母にそっくりかもしれない、そして私はどちらかと言えば父似。
余り似てはいないと自分では思うので父方の誰かかも知れない。
「でもそれだとよく彼女がここに来ることを許したわね」
「父の独断だったのかもしれませんし、もしかしたら……」
「何なの?」
「私は今まで心を少々病んでいる引きこもり扱いで、同行をしていない理由にしていたのかもしれません。どこにも出たがらない娘として。親戚に預けるとそれがウソと分かってしまうからかも知れません」
「そんな、お嬢様程お綺麗で勤勉な努力家で思いやりに溢れた方はおりませんのに」
「なるほどね、下手な所に預けると今まで自分達がパトリシアにしてきた事が、露見するからだと思うわ」
エリアルおば様は何度も頷きながらそう言った。
「自分の親ですが、幻滅しました。今すぐにでも平民になって、あの人達の元にはもう戻りたくない」
情けなくて、悔しくて心にどろどろとしたものが積もっていく。
泣きこそしなかったが、拳はぶるぶると震え顔色は青くなっていた。
「そうでしょうとも、分かったわ。その方向で動いてみるわ」
おば様の最後の言葉はどこか遠くから聞こえた。
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皆さんこんにちは。
最近、いや小説を書き始めた昨年12月からの共通の悩みです。
タイトルやサブタイトル、あらすじが上手く書けない。
なんか……どうにかなんないかな?と一番頭を悩ませるところです(¬_¬)
なんかきらめく様な閃きが欲しい今日この頃です_φ(・_・




