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プロローグ

「やはり結婚は無理なようだな」

「そうね」


 恋人との破局理由は価値観の違いというありふれたものだった。


 8年も付き合って今更気づいたのかと問われれば返す言葉もない。言い訳をするならば結婚を意識し始めてから初めて結婚後の生活について話すようになり、ようやく気付いたのだ。


 彼は私に仕事を辞めて欲しいと言った。忙しい彼に変わって家事の全てをお願いしたいと。家事に支障が出ない程度にパートをするのは構わないが、出産後は育児に専念して欲しいとも。


 彼は平均以上に収入があるし、生活に困ることもないだろう。


 ただ、やりがいのある仕事に夢中になっていた私には受け入れがたいことだった。


 何度も話し合いを繰り返したが妥協点が見つけられず、今日別れを決断した。



 彼の住むアパートを出て、行く先も決めずに呆然と歩く。


 今年で31歳。結婚はしたいが今の仕事は辞めたくない。仕事を続けても良いと言ってくれるパートナーは今から探して見つかるだろうか。


(あーあ。もし男に生まれていたら結婚や出産で仕事を辞めたりキャリアダウンしたりしなくてすんだのかな)


 そんなことをぼんやりと考えながら横断歩道を渡る。


 その時、けたたましいクラクションが耳をつんざいた。ふと横を見るとヘッドライトの眩しい光がすぐそこまで迫っている。


「危ない!」


 誰かの声がまるでスローモーションのようにゆっくり聞こえる。



 そこで私の意識は途切れた。


【皆様へ】

そそっかしく、誤字が多いので誤字報告は遠慮なくいただけましたら幸いです。

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