脳フレンド
マスクに冷気がガンガンにブチ当たる。
手のひらも指のひらも、冬に引っ張られているように言うことを聞かない。
メジャーな色でいうと黒に近い空と地の間に、ゴォーという重低音が鳴り響く。
淡いのに目を突く光の先には、立方体の楽園があった。
その場で、頭の中にいるノウチャンに相談した。
僕はアドバイス通り、全速力でその楽園に走り寄った。
そして、また頭の中にいるノウチャンに相談した。
僕はアドバイス通り、十円玉だけを何枚も何枚も穴に投入した。
そして、また頭の中にいるノウチャンに相談した。
僕はアドバイス通り、王道の缶コーヒーに行くと見せかけて、おしるこを一回力無く触れる程度に押してから、冷たい梅ジュースを強く押した。
ドンッと音をたてて落ちてきたペットボトルを、アドバイス通りに一回取り出し口の開け方に迷ってから開けて、取り出した。
手には空気を超える冷たさを含んだ滴が付き、さらに芯の冷たさは倍増した。
アドバイス通りに一気に飲み干すと、カラダの芯から冷えきった。
頭の中にいる大親友は少々クセが強めだが、不思議とあたたかい。