秘める想いと守る力
客室に案内されたルリとリアは部屋に入ってそれぞれ過ごす
〜〜ルリの部屋〜〜
ルリはリリーを取り出して声をかける
それに答えるようにリリーも姿を現してルリの側に座る
「ルリしゃま、いかがしたのでしゅか?」
「うん、1人で寝るの……少し眠れなくて」
リリーの言葉にルリは不安そうな声でリリーに話しかける
リリーはそんなルリを見ては肩に乗って頬擦りをする
「リリー……」
「ルリしゃまは、僕が守るでしゅ。だから、怖がったり不安にならなくても大丈夫でしゅ。」
リリーが笑顔でルリに言えば、ルリは微笑みリリーの頭を撫でる
「ありがとう、リリー…あなたはとても良い子なんだね」
「それは、ルリしゃまが望んだからでしゅ。僕は、元々意思を持たない魔法道具でしゅ。持ち主様が念じて発動する事が僕の存在意義なんでしゅ。
リリーの持ち主はルリしゃまだから、ルリしゃまが望めば僕はどんな事でもするでしゅ。
例えば、誰かを倒したいと命じれば僕はその通りに動くんでしゅ」
リリーの言葉を聞くとルリは悲しそうな感じの表情でリリーを見れば身体を持ち上げて目を合わせる
「それは…悲しいな。私、リリーにそういったつもりで貴方と話したかった訳じゃないの」
「じゃぁ、どうして話したいと?ルリしゃまは僕と意思疎通をしやすくする事によって僕を使いたいって考えていたんじゃないんでしゅか?」
リリーが首を傾げているとルリは静かに首を横に振って「違う」と言ったあとリリーの頰を優しく撫でて話す
「私がリリーと話したいと思ったのは純粋にあなたがどういう事を考えているのか知りたかったから。
私はリリーを道具として使いたいんじゃない。一緒に旅して成長する相棒として隣にいて欲しいの」
「…難しい事はよくわからないでしゅ」
ルリの言葉に理解が難しいと唸るリリーにルリはセシリフィアが言っていた言葉を思い出す。
「(そうか、この子はまだ本当に産まれたばかりで何が良いのかダメなのか分かってないんだ。ただ道具として私に喜んで欲しくて動いてるんだ。)」
リリーが、難しい表情を浮かべているとルリは優しく再度リリーを見つめて話す
「リリーには、まだ理解するのに時間がかかると思うけど私はリリーに道具としてではなくて生きる者として自分の意思で行動をしてほしいと思ってるの。
だから、私がリリーにこれから色んなこと教えるからリリーも私と一緒に生活していこうね」
「はいでしゅ!!」
ルリの言葉にリリーは元気よく返事をした後、リリーはある質問をする
「ところで、ルリしゃまはあの竜人の男の事好きなんでしゅか?」
「い、いきなりだね……どうして急に?」
突然投げられた質問にルリは顔を赤くしてリリーにどうしてこの質問をしたのかを聞くとリリーはなんでもない風にルリに話す
「ルリしゃまの心で思っている事は僕にも伝わってくるんでしゅ。
ルリしゃまが、竜人の男を見る時やあの優しそうなお姫様と竜人の男が一緒に戦っている時の熱くなったりモヤモヤしたのはなんでかと考えた時、好きという言葉以外思い浮かばなかったんでしゅ」
「……うぅっ」
リリーに言われてルリは顔を赤くしたまま俯いて暫く沈黙した後
リリーに自分がリアに対する気持ちについて白状をする
「リリーの言う通り…私は、リアが好きなんだと思う。けど…」
「けど?」
「きっと、リアが好きなのはセシリなんだと思うな」
自分の気持ちをリリーに白状した後、切ない表情で上を見上げてリアがセシリフィアに向けた顔や言葉を思い出してリリーに話す
「私といる時には見せたり聞いた事のないリアの真剣な表情と声。あれは、セシリを大切に思ってるから出るものなんだと思うな」
「なら、ルリしゃまはお姫様のこと嫌いでしゅか?」
リリーの言葉にルリは目を閉じてゆっくりと首を横に振って微笑む
「嫌いじゃないよ。寧ろ好き。優しくて頭も良い、美人なのにそれを自慢しない謙虚な姿勢。2人はお似合いな関係だと思うから私応援したいんだ」
「…それじゃぁルリしゃまは?ルリしゃまもあの竜人が好きでしゅよね。その想い抱えたまま2人を応援するなんて辛すぎるでしゅよ」
リリーが悲しそうな感じで話すとルリが少し意外そうな表情を浮かべてリリーに話す
「リリーは私が辛そうにしてるのが嫌なの?」
その質問にリリーは少しむくれた表情になってルリに怒るような感覚で答える
「当たり前でしゅ!!リリーはルリしゃまの道具でしゅよ?
道具が持ち主の辛いの見るのは嫌いでしゅよ!!」
興奮しているように言っているので、ルリはリリーを落ち着かせるように謝りながら背中を撫でながら
「ご、ごめん……さっき、リリーが自分の事道具として使うとか言っていたものだからまだ人の心とかは分かっていないのかと思っていて」
「ルリしゃま酷い!!
そりゃぁ、リリーは道具として使われるのが役目だと思っているけど…持ち主の心の強さは道具にも影響を与えるんでしゅ!」
リリーが力説して自分の在り方について話すとルリはリリーに落ち着くように話す
「リリー、私が悪かったから落ち着いて。そうだよね、私とあなたは一心同体みたいなものだからあなたにも私の痛みとか伝わってしまうよね」
「そうでしゅ!!」
「うん、ごめんなさい……だから、私もリリーに影響を与えないようにこれからの事話すね」
リリーをベットに置いて、これからの自分の行動そしてリアに対する気持ちについてリリーに話すといえばリリーは黙ってルリの言葉を聞く
「今回私は改めて自分が非力な存在だと痛感したの。咄嗟のことだったけどリリーがいなかったらきっと助からなかった……私守られているだけの存在になりたくない」
ルリの言葉にリリーは熱いものを感じ始めているとルリは窓を開けて空を見上げ月夜を見て告げる
「だから、私これからもっと魔力を上げて使える魔法を増やしてリアの力になりたい。
そして、リアの力になって帝国によって苦しめられている民を救う事が出来るまでこの想いは私の中に秘めておこうと思うの」
「ルリしゃま…」
ルリの決意の込めて放った言葉がリリーの心にも届く。熱く硬く込められた想いと今月夜の光に照らされて優しく笑うルリの表情が輝いて美しく見えたリリーは改めてルリの前に座って話す
「それなら、ルリしゃまの想いに応えられるように僕も強くしてほしいでしゅ」
「うん、一緒に強くなろうねリリー」
お互いに決意を固めた2人はベットに入って目を閉じて深い眠りにつくのだった
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〜〜リアの部屋〜〜
リアは案内された部屋の隅の窓に腰をかけて己の拳を見つめて魔導師とルリとのやり取りのことを思い出して悔しい表情を浮かべて拳を壁にぶつける
「クソ……あの魔導師見せつけるように…」
自分もどうしてこんなにルリと魔導師の光景に腹が立っているのかは分からなかったが、あの時あの場面を見たとき、腹の中から湧き上がる熱く怒ったものを感じていた
「…俺が弱いから、ルリも姫も守ることができなかった。力のないものは力を持っているものに敵わない……もっと強くならなくちゃいけないって事だな」
自分の中に流れている竜の血。この竜の血の力は尊大であり今の自分では制御する事が出来ずにいる事に悔しさが出てくる
せめて自分の中に流れている血を力にすることができれば帝国のあの魔導師にも対抗できるのではないかと思いシャイングローブを取り出す
「ミラクルカラー所持者探しを少し止めて俺自身も強くならなきゃな…」
シャイングローブを握って自分が強くなる事を考え、守りたいものを浮かべた
「帝国から苦しめられている人々…俺の育った故郷…セシリフィア姫…リリー……そして、ルリ
俺はお前達を守るために強くなることを今宵の月にて誓う」
リアが守るために強くなる事を月に誓うと、月がそれに答えるかのように月の光が強くなりシャイングローブも輝きの色を放つ
「そうだな、シャイングローブ。ルリや姫に守られているばかりじゃ嫌だよな」
リアはシャイングローブの輝く色を見ては、そう呟く。次にシャイングローブは輝く色を変えてリアに何かを伝える
「……お前はなんでもお見通しだな。そうだな、確かに俺は異性として気にしてるのかもしれないな」
シャイングローブはリアの言葉を聞いているのか、また色を変えてリアに伝えるとリアの表情が真剣になる
「それはいくらシャイングローブでも許さないぞ。俺はそういうつもりで好きになったつもりはない……そんな事をして好きになったのなら帝国やあの魔導師と何も変わらない。俺が好きなのは……いや、今はお前にも教えない。」
真剣な表情から穏やかな表情になり笑うように言えばシャイングローブの星の部分から欠けらが出てきてリアの頰に当てるとリアは微笑み話す
「怒るなよ……いずれお前には話すから。
ただ今はまだ話せないんだ。俺だけの一方的な想いで相手を困らせる訳にはいかない、せめて守れる力を強くしたら話してやる」
リアの話に納得したのか理解したのかシャイングローブはもう一度輝き色を放てば、輝きは消えて普通のグローブに戻る
「あぁ、おやすみ。また、明日な」
そう言ってリアはベットに入って目を閉じるのでした