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ミラクルカラー物語  作者: 水無月魅美
6/30

交渉

リアとセシリ2人がかりの攻撃でも帝国魔導師カーリエは余裕を持った態度で2人を圧倒していく

そして、カーリエがリアにトドメの魔法を浴びせようとするとカーリエの腕に魔法で放たれたなにかが当たりカーリエは放たれた方向を見てその放った相手が、マジカルブラッシュを持って睨みつけているルリであるのを確認するとリアを落としてにこやかな表情をルリに向ける


「うーん、ミラクルカラー所持者は皆顔が整っている者ばかりだ。姫と言い竜人と言い美女美男で君もなかなか可愛い見た目してるじゃないか」


カーリエがルリを見ながら話すとルリは睨みつけながらブラッシュを構えて


「あ、あなたに言われても嬉しくない!!」


「おや、振られてちゃったや。僕も帝国の中では中々美男子だとか噂される事も多いんだけど……まぁ、いいや」


カーリエが愉快そうに話して杖を取り出せば黒い空間を作ってルリに話す


「見てたらわかると思うけど、この空間に入った魔法攻撃は全て黒い炎に包まれて倍になって返ってくる。つまり、どんなに素晴らしい魔法使いでも僕に魔法で傷付けることは出来はしないのさ。」


「……」


ルリは黙ってブラッシュを構えたままカーリエの話を聞き顔を下に向ける

カーリエはルリの動作を見て絶望していると思えば軽やかに近寄りルリの顎に手でクイっと持ち上げて交渉をする


「ねぇ、ルリって言ったっけ?

交渉しない?」


「……交渉?」


「うん、ルリがそれに応えてくれたらそこに倒れてる2人を見逃してあげる。

応えてくれないなら……」


カーリエはリアとセシリの周りに無数の黒い光を出現させる

その光景にルリは黙ったままカーリエの言葉を待つ


「そこに出現させた黒い光を剣に変えて2人に向かって落とすよ」


「〜っ!」


ルリはカーリエの言葉に何も言えなくなると、傷ついて立つのも苦しそうなリアが辛い表情でルリに話す


「やめ…ろ……そいつの言葉を聞く必要は…ない」


「……リア」


辛い表情で言ってきたリアにルリも辛そうな表情を浮かべて見せると、リアの言葉が気に食わなかったカーリエが指を一本振り下ろせば一つの黒い光が剣に変わってリアの手にぶっ刺さる


「ぐああぁぁあっ!」


「大事な交渉に水を差さないで欲しいな」


カーリエが冷たい表情、冷たい言葉でリアに言い放てば今度は少し力を入れてルリに顔を近寄らせて笑顔で話す


「さぁ、ルリ。交渉をしようか」


「……どんな交渉なの」


ルリが怖がりもせずにカーリエに交渉の内容を聞くとカーリエはルリを見て言う


「僕と一緒に帝国きて、僕のものになれルリ」


「……どうして」


ルリはカーリエの交渉の内容が不思議でしょうがなかった

自分が帝国に狙われているから連れてかれるのは理解できるが、何故カーリエが自分の物になれとわざわざ交渉をしてきたのか

そんな事を思っていたらカーリエがリアに見せつけるようにルリの唇を奪いキスをする

リアはそれを見れば驚愕した表情を見せてルリは突然の行動に思考が止まる


「……理解した?僕は君が好きなんだよ

僕は好きになったりお気に入りになったものは必ず手に入れる主義なんだ」


唇を離してルリを見つめて、突然の告白にルリは震えながらカーリエに聞く


「好き……って、どうせそんな事を言って…帝国に着いたら帝王に真っ先に私を突き出すんでしょ……」


その言葉にカーリエはため息をついた後、ルリの顎を持ったまま真剣な表情になり


「そんな事するもんか。さっきも言っただろ?僕は気に入ったものや好きなものは必ず手に入れる主義なの。例え帝王でも僕のお気に入りには勝手に手を出したら許さない」


ルリの顎を持っている手に力が入ってルリは痛がる表情を作ればカーリエはその表情を見たまま交渉の話に戻す


「さぁ、ルリ時間だよ。僕も忙しいからね……答えを聞こうか」


「わ、私は……」


ルリはカーリエの交渉の事を考えた

確かに私が行けば2人が助かるのならカーリエのものになってもいいのかもしれない

それに向こうも自分に形はどうあれ告白もしてきたので無下に扱う事は多分ないのかもしれない

だが…それで本当に良いのか?

カーリエの言葉をそのまま受け入れて2人は喜ぶのか

自分を守ろうとしてくれたセシリフィアとリアの行動はどうなる?

それが頭に浮かんでくれば、ルリはマジカルブラッシュに力を入れてカーリエのお腹をど突く


「グッッアッッ!!」


ど突かれた事でカーリエはぶっ飛び地面に転がる。

地面に伏せったカーリエにルリは交渉の答えを言う


「2人が私を傷を作って守ろうとした行為を無下にする事は出来ない!!

だから、カーリエあなたの交渉に応じることは出来ない!」


力を入れて言い放ったルリにマジカルブラッシュがそれに答えるように光り出して、ルリ、リア、そしてセシリフィアの周りを囲むように風が生まれる

その風は3人を包みこめば消えてその場にカーリエしか残らなくなった

カーリエは腹を抑えながら立ち上がると、帝国の兵士がカーリエに近寄り膝を立てて声をかける


「カーリエ様!先に行くといっていきなり消えて漸く追いつきましたよ」


「もしかして、先程まで何かと交戦していたのですか?」


帝国の兵士の言葉にカーリエは笑う。突然笑ったカーリエに兵士は困惑すればカーリエはもういないルリに向かって空に言い放つ


「あははは!!この僕の告白を蹴るなんて非常に興味が湧いた!

直ぐに追いついて必ず君を僕の物にして見せる!!!」


「あ、あのカーリエ様?」


空に何かを言い放ったカーリエに兵士は恐る恐る声をかければ、いつもの表情になって兵士に告げる


「さぁ、帝国に戻るよ。目的の姫も僕の目的もここにはもういない」


と言えば杖で魔法陣を作り出してカーリエと兵士はその魔法陣に乗り込めばそのまま消える


〜〜〜〜〜〜


マジカルブラッシュがルリの言葉により移動魔法が発動して、3人はカルティルニア王国の北にある湖に移動をしていた

ルリが目を開けて目の前の光景を見て


「マジカルブラッシュの力なの?」


ルリがブラッシュを見ながら話すとブラッシュは答えるように光ると、ルリはハッとリアとセシリフィアに近寄る

セシリフィアは「うぅっ」と言った後目を覚まして身体を起こす


「セシリ!良かった……目を覚ましてくれて!!」


目を覚まして起き上がったセシリフィアにルリは安心して声をかければセシリフィアは目を細めてルリを見る


「ルゥがここまで運んでくれたのですね…ありがとうございます」


「無我夢中になっていたらマジカルブラッシュが発動してくれたんです。

……って、それよりセシリ怪我は!?」


セシリフィアの言葉にルリはマジカルブラッシュを見ながら話したあと怪我はないかと心配していればセシリフィアは笑顔で答える


「…私はそこまで怪我はしていません。きっと当たりどころが良かったのでしょう。

それよりもリアの方が」


セシリフィアの言葉にルリはこんなに大きな声で話しているのにリアが起きない事に焦ってリアに近寄り声をかける

しかし、リアはルリの声かけに答える事が出来ないくらい身体に受けた攻撃で意識を失ったままだった。


「どうしよう!リアが死んじゃう!!」


ルリは焦りながらリアをどうにかしたい、どうにかしなきゃと思っているとセシリフィアがルリの手を握って話す


「ルリ、落ち着いてください。リアはそう簡単には死にはしません。

確かに酷い怪我を負っていますが、竜人は元々自己回復能力が優れているのです」


だから、時間が経てば傷も治っていくと説明するセシリフィアにルリはセシリフィアの手を握り返して


「でも、その間苦しいのは変わらないんですよね!?そんな状態を見てる事しか出来ないなんて辛すぎます」


と言えばルリは握り返したセシリフィアの手を離して涙を流す

その様子を見たセシリフィアはルリの涙を掬い謝罪をする


「ルゥ、ごめんなさい。そうですよね…いくら頑丈でも痛みや苦しみは私達人間も竜も同じです。そうとも知らずに軽はずみな発言をしてしまいました」


「セシリ……」


セシリフィアの言葉にルリは顔を上げればルリに微笑みかけて












「なら、私達でリアの苦しみや痛みを取ってあげましょう」

続きをお楽しみに!!

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