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ミラクルカラー物語  作者: 水無月魅美
3/30

ラミアナ平地

ウッドノアという森で、リアが己の目的を改めルリとの仲も深まる

そんな2人は今、その森を抜けて黄緑色の野原が広がる[ラミアナ平地]という場所にてミラクルカラーを探すため旅を続け歩いている

森を抜けた事がなかったルリは一面に広がる野原と空に広がっている青い空に感動を覚えていた


「うわぁー、ひっろーい!!」


ルリは急に立ち止まれば、足を広げてどこまでも続いているんじゃないかと思われる道に向かって声を発する

そのルリの声にリアは軽く[ラミアナ平地]について説明する


「このラミアナ平地はインティンティブ帝国と隣のカティルニア王国を挟んだ場所になる。広さもミストクラウドで一番に広い。俺たちはカティルニア王国にこれから向かうんだが、この広さだから休みながら村などによる事も考えると着くのは1週間はかかるだろうな」


リアの説明にルリはあまり計算など細かいことや地理はよく分かっていなかったので、つらつらとリアが立てた予想に質問の数は止まらない


「リア、突然だけど…リアの里…竜の里はどこにあるの?

あと、この前も思ったけど…どうしてウッドノアって森や私のいる森について詳しかったの?

あとはあとは…etc」


「ち、ちょっと待て……いきなりそんな質問されても一気に答えられるわけないだろ」


止まない質問の嵐にリアは手を前に出して制止をする。

制止されたルリはハッとすれば軽く舌を出してウインクをしてリアに謝る


「へへ、少し欲張りすぎちゃった。ごめんなさい」


あまり反省をしているように見えなかったのだが、リアはあまり気にしてないという態度を取ればルリの先程した質問の中でも答えられそうなものを答える


「全部は答えられないが…ウッドノアの情報とルリの住んでいた森についての事はインティンティブ帝国に捕まっていた時に聞いた情報なんだ」


リアの説明によると、捕まって城の地下の牢屋に縛り付けられていた時に見張りの兵士の話を聞いて逃げるなら帝国から1番近くて身も隠せそうと考えていたと話せばルリはよく兵士達の会話が聞こえたとリアの耳の良さに驚く


「竜人って耳も凄くいいんだね。だって、リアその時捕まって動けないようにされていたんでしょう?そこから兵士達まで距離があると思うんだけど……」


ルリは外の世界というか、森以外のことは全部見た事なかったが森に生えている木や森に訪れる鳥の鳴き声などで城というものや国というものについては聞き知識としては入っていたのでリアに聞けばリアは得意げな表情などをするわけでもなく先程と変わらない感じで答える


「竜人の耳は人間や他の動物と違って精巧らしくてな…5〜10メートルで小声で何か言っても何を話しているのか分かってしまうんだ」


「それって、私がもし小声でリアの悪口を言ったら聞こえちゃうって事だよね。」


ルリなりの解釈でリアに言えば、リアは困ったように肩を竦めるとリアはルリの言った言葉を肯定をする

肯定されたルリは試しに小声でリアの悪口を言う


「…ボソ…トウヘンボク」


近くにいるが、聞こえないくらいの囁く位小さな声で悪口を言えばリアはムスッとしてルリの額を小突けばルリはオーバーにリアクションをして涙目でリアを見上げて訴えればリアもそんなルリを見下ろす


「…悪かったな。気が利かなくて」


「(……うっ、本当に聞こえてるんだ。今後悪口言うときは50メートル位離れた場所で言おう)」


そんなやりとりをしていると、リアが鋭く目を光らせてルリの腕を掴めば自分の方に引いてその辺の草むらに入れば体制を低くする

そして、何故かルリの口元も抑えて


「むぐぅ〜〜!?」


「シッ…誰か来るぞ」


いきなり口元を抑えられ、リアと密着する事になったルリは「なに〜〜!?」と思って動くと口元を抑えたまま小さく耳元で囁けばリアは自分達がさっき歩いていた道を見ると、2〜30メートルから甲冑を着た兵士2人と白と黒のダボっとした服を着た中性的な見た目の人間が現れて何かを話している


「(帝国の兵士と……もう1人は一体誰だ)」


リアは怪訝な表情をすれば、こちらの気配を悟られないように灰色魔法「[雲隠れ(ハイド)]を使い、帝国の兵士達が話している内容を聞く


「はぁー、楽しみだなぁ。世界で美しくて可愛いと有名、更に聡明のセシリフィア姫に会うの」


中性的な見た目の存在がとても軽快なリズムで楽しそうに言うと、リアはその名前を聞いて力を強くして緊張を高める


「ですが、カーリエ様程の方がわざわざ行かなくても言ってくだされば我々がその姫を……」


「ダメだよ〜、こういうのって直接見ないと分からない事あるでしょ?

それに、そのセシリフィア姫は特別な力を持っているみたいだからいくら帝国の兵士といっても素直に首を縦に振ってついてこないと思うなぁ」


中性的な見た目ーーカーリエと名乗る人物は兵士にセシリフィア姫に特別な力があると話せば、兵士だけでなく隠れて聞いていたリアも表情を変える


「それって、帝王が言っているミラクルカラー保持者って事ですか?」


1人の兵士がカーリエに質問すると、カーリエは「うーん?」と考える仕草をしたあとに

兵士2人の方に振り返って笑顔で兵士の質問に答える


「僕の占いによると、その可能性は高いよね。元々隣国のカルティルニアは別名[ブルーアイズウォーズ(氷と水に囲まれた国)]って呼ばれるくらい氷と水が豊富に存在する。

で、どうやらその氷と水はセシリフィア姫が力を使って生み出してるぽいんだよね。

これは、行って確かめるしかないでしょ」


カーリエの言葉に兵士は頷き賛同すれば、カーリエは更に兵士に話す


「まぁ、もし噂が噂だけだったとしてもそのセシリフィア姫が世界で絶世の美女である事は変わらないから姫だけでも帝王に差し出せば君達の勲位もあがるかもしれないしね」


勲位という言葉を兵士2人が聞けば気合いが入りカルティルニアに進むスピードも上がるのだった。

カーリエと帝国の兵士の会話を聞き、完全に気配が消えたと察すれば魔法を解いてリアは思いつめた表情を浮かべる


「……姫」


リアが呟き、見下ろせばリアはルリを口元を抑えたままだった事に気がついて慌てて手を離すがルリは目を回して倒れる


「ルリ!!」


「はらほらへ〜〜〜」


ーーパタッ


目を回して倒れたルリをリアは直ぐに楽な姿勢で寝かせて起きるまで反省するのであった。


〜〜〜〜


そして、しばらくすればルリは目を覚ましてリアは直ぐにルリに謝る。だがルリは口を尖らせて機嫌を悪くしていてリアと顔を合わせない


「いくら、帝国の兵士がいたからっていきなり口元を抑えられて耳元で囁かれたら頭のパニックになるに決まってるじゃん。

息はできなくて苦しいし…というか、酸欠状態になったし」



「だから謝ってるじゃないか。いきなりした事は反省しているが、今俺たちがあの3人に見つかるわけにはいかなかったしな」


リアは謝りながらも、さっきの3人の事を思い浮かべれば表情が険しくなる

険しくなった表情を見てルリは口を尖らせたままリアに話す


「でも、帝国の兵士さん達に見つかったらこの前みたいに戦ったりすれば良いと思ったんだけど」


「帝国の兵士2人だけだったらな…」


帝国の兵士がカーリエ様と呼んでいた中性的な見た目の存在の事を考えていた


「ルリは知らないと思うが、インティンティブ帝国の兵士はプライドが高くて簡単な事じゃヘコヘコしたりしないんだ。

その兵士が2人ともそのカーリエ様と呼んでいた。

つまり、カーリエは帝国の中でも兵士より身分が上の立場。或いは力を持っているって事だ」


それに、今の自分では帝国側の人間を3人相手にするのは少し厳しいとルリに言えば、ルリはそう言われると突然の事だったとはいえ、リアの行動は正しかったのだと理解するルリは表情をいつも通りに戻せばリアの行動を許す


「でも、次やる時は事前に言うかしてよね。

また酸欠になるのはたまらないから」


「……あぁ」


ルリの言葉にリアが頷けばルリは、先程のリアの話で気になる事があったのでそれを聞く


「さっき帝国の兵士さん達、セシリフィア姫にミラクルカラーの力があるかもって言ってたよね。リアはその事知ってたの?」


「……何故わかった?」


ルリの言葉にリアは驚けば、ルリは呆れたような表情をして


「わかるも何も、セシリフィア姫の名前を出された時リアの表情一気に硬くなったもん。だから、リアとセシリフィア姫はお知り合いじゃないのかなーって」


と話したあとルリは「リア分かりやすい」と言葉こそ出さなかったが、顔でそういえばリアはバツが悪そうな表情になった後、真剣な表情になり


「…知り合いというか、俺にミラクルカラーの事を教えたのは他ならぬ姫だ

そして、俺にとって姫は守るべき存在」


と、言えばルリは何故だか分からないが少しほんの少しだけ心の底がズキッとなるのを感じたが、それがなんなのか分からないのでリアの言葉の続きを聞き驚く


「姫はルリと同じでミラクルカラーの保持者だ」


「えっ!?」


リアはシャイングローブを取り出せば青く光る紐のような物が伸びれば先程帝国の兵士達が進んでいった道を指して強く青く光れば紐の先が青い円状に光る


「このシャイングローブを作ったのも実は姫で、ミラクルカラーが近くにあるとこうやって円状に光るんだ」


「えっ、じゃぁ……私の時も?」


ルリの質問にリアは「あぁ」と返したあと、姫に言われた事をルリにも話す


「もし、俺が本当に世界を平和にしたいと思うならこのシャイングローブを使ってミラクルカラー保持者を1人連れてきて誠意を見せて欲しい。そしてその時姫も助力をすると言ってくれたんだ」


「そうだったんだね……って!

それじゃぁ、お姫様今危ないよ!

だって、帝国の兵士さん達その国に向かってるんだよね」


ルリの言葉にリアもシャイングローブを強く握れば頷く


「あぁ、だから奴らが姫に会う前に俺たちが先回りして姫を守るんだ」


「で、でもどうやって……」


もう、帝国の兵士は先に行ってしまった。

更に兵士達の中にはカーリエと言う帝国の兵士よりも強い存在がいる

そして、リアは3人相手にするのは少し厳しいと言っていたのでルリはどうするのだろうとリアを見ると、リアはその辺の枝を拾えば地面に魔法陣を描きルリの手を引き魔法陣の中に入る


「リア何描いたの?」


「姫に教わった移動魔法の一つだ。一度だけ発動する事になっていてこの魔法陣を描けば一気にカルティルニアの城まで行けるんだ」


リアの話にルリは突っ込む


「なんで、そんな便利なものあったのに直ぐに使わなかったの!?」


「さっきも言っただろ?1度だけしか発動しないんだ。緊急でも無い限り使わないよう姫にも言われてるからな…」


ルリの言葉にリアは淡々と答えていけば魔法陣は光り出して緑色の風を生む

風の中心にいるルリとリアは無風状態なのだが、下から風が強く吹いて目を瞑る

緑色の風は段々と増えて2人を包んでいく


「お姫さまかぁ〜〜、私森の皆や鳥達に聞いた事あるけど実際に会うのは初めてだ。

うー、緊張してきた」


ルリは姫という存在がどういった存在というのを森にいた時に聞いた事があり、自分とは縁もゆかりも無いだろうと思っていたのもあり実際会う事を想像すると緊張が走って自分の服を強く握る。

それを見て聞いたリアはルリの緊張を解そうと姫のことを少しだけ話す


「ルリが緊張するほど怖い存在じゃない。誰にでも平等で優しく綺麗で国でも絶大な支持を集めているんだ。ルリも姫の事好きになると思う」


「そ、そうなのかな?」


リアの言葉にルリはまだ緊張しているのか声が震えると、リアがルリの握っている手を取って


「あぁ、いつも通り元気で明るいお前を見せてやれ。

俺もルリの事好きだが、姫もルリの事を好きになると思う」


「えっ!?

それってどういう……」


リアの言葉にルリは顔を上げればリアは何事もないようにルリを見れば話す


「ルリも姫に負けないくらい可愛いし、美少女だろ」


「なっ……なななっ…」


リアに言われてルリは顔を赤くすれば、赤くなったルリをリアは気付けば言葉を続ける


「更に、動物や植物の声も聞けて困っている奴がいれば手を無条件で差し伸ばす優しさは誰にでもできる事じゃない。

好きになるのは当然だろ」


「も、もういいから!!」


リアの言葉を止めようとルリが手でリアの口元を抑えようとするが、リアは首を傾げてルリに聞く


「ルリだって散々俺にかっこいいだの凄いだの言ってたじゃないか」


「私がリアに言うのと、リアが私に言うのは違うの!!

よく分からないけど……なんか違う!!」


ルリの赤くなった体にリアは「やっぱり、変わった奴」といえば緑色の風が完全にルリとリアを覆い強く光ればシュンっと音を立ててその場から消える

そして、一瞬でカルティルニアのお城の中庭に着き、風が一気に消えるとルリがバランスを崩して中庭の噴水に落ちる


「きゃぁっ!!」


ーーザボンっ!!!


「ルリ!」


噴水に落ちたルリをリアは直ぐに手を伸ばして上がらせるとクスクスクスと優しい声がリアとルリの耳に通り、2人が声の方に体を向けると水色の背中まで伸びた髪と白と青色のフワッとしたドレスをきた女性が手を口に当てて微笑んでいた


「ふふふ、あなたと会う時楽しい登場ばかりですね……リア」



「……セシリフィア姫」

次の投稿お楽しみに!!

多分次回は3日後だと思います!

温かい目で見てくださいませ

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