竜と化け物の森に住む少女
初めまして!
ゆっくりではありますが、頑張って完結目指して頑張りたいと思いますので、読む方は暖かい目で見て下さいませ
ーーチュンチュン
人を食べると噂のある[化け物の森]
その森に足を踏み入れると化け物が道を迷わせて最終的には人を食べて亡き者にするという恐ろしい森
そんな森に鳥のさえずりが聞こえてくる
鳥達の囁きと共にその森をかける複数の足音
「はぁはぁはぁ……」
「まて!奴を逃がすな!!」
ーーガシャガシャガシャ
ーーザッザッザッ
森の中をかけるのは肩まで伸びていている茶色の髪に赤い瞳。そして、鎧やら兜やらを甲冑を着ているどこかの王国の兵士の姿
ーズシャッ!
茶色の髪の存在が足を木に引っ掛け地面に転んでしまう
茶色の髪の存在に追いついた兵士は茶色の髪の存在の髪を乱暴に掴み顔を上げさせる
「手間を取らせやがって……おい、動かないように縄を寄越せ!!」
髪を乱暴に掴んでいる兵士が他の兵士に声をかけて縄を持って来させる
縄を持ってきた兵士が髪を乱暴に掴んでいる兵士に質問をする
「にしても、コイツが本当に帝王が欲しがっている[竜人]なのか?
俺は、普通の人に見えるんだがな」
「見た目に騙されるな。コイツは正真正銘本物の[竜人]だ
この肌の色が何よりも証拠だ」
兵士が縄に手をかけて茶色の髪の存在を縛りあげようとすると、茶色の髪の存在は自分の持っている力を身体にかけて縄をかけようとした兵士に体当たりをする。体当たりされた兵士はもう1人の兵士とぶつかり地面に尻をつける
その隙を見逃さなかった茶色の髪の存在はそのまま、また走っていく
「くそっ、まだ力が残ってやがったのか…クク…まぁ、どうせこの先は崖だ」
兵士は立ち上がって、茶色の髪の存在が逃げた方向を追う。
「はぁはぁはぁ……っ!」
茶色の髪の存在は自分が逃げた先が崖になっていて、他に道がないのかとキョロキョロしていると先ほどの兵士がニヤつきながら現れる
「残念だったなぁ…せっかく逃げれると思ったのにその先が崖で」
「……クッ」
兵士はジリジリと茶色の髪の存在と距離を詰めていくと、茶色の髪の存在は兵士を睨みつけながら崖のギリギリまで後ずさる
そして、お互いの距離が近くになろうとした時
茶色の髪の存在が急に兵士を見れば笑い一言、言い放つ
「お前達に掴まって、利用されるなんてまっぴらだ」
と言えば、足を蹴って崖から落ちて森の深くへと消えそうになる
その光景に兵士が慌てて茶色の髪の存在を捕まえようとするが落ちるスピードの方が圧倒的に早く兵士が手を伸ばした時には茶色の髪の存在はすでに見えなくなってしまっていた
「くそっ!!」
兵士は悔しそうに顔を歪めると直ぐに立ち上がって茶色の髪の存在を追うと兵士に告げて森の奥へと入っていく
そう、化け物が住むという森の深くへと……
〜〜〜
「ふぅ、今日もいい天気!こんな暖かい日は洗濯しなきゃもったいない!!で、その後はいつもの所でお昼寝かな!!」
緑色の髪が腰まで長くありその髪を1つに結い上げ、大きな青色の瞳で小柄な1人の少女が川辺の近くで元気よく洗濯物を洗っていると川辺の深い所に何かが浮いていたので、少女が川に飛び込みその浮いている物の確認をする為泳ぐ
「ん……なにが浮いて……って、人が浮いてる!?」
少女が浮いている物を確認すると、それは先程兵士に追われて崖から落ちた茶色の髪の存在で、少女は慌てて茶色の髪の存在を岸に上げて柔らかい草の上で寝かせれば茶色の髪の存在の様子を確認する為着ている服を取り怪我をしている事に気付く
「……酷い、傷だらけ」
上半身しか脱がせていないが、茶色の髪の存在は所彼処に斬られた傷跡や何かで殴られた跡がつけられていた
少女が顔を歪めれば少女は立ち上がって、自分の住んでいる小屋に行き自分で育てた薬草を茶色の髪の存在につけて毛布を千切って巻いていく
「これで、良くなってくれると嬉しいんだけど……」
ーーパチっ
「〜〜っ!?」
少女が心配そうに茶色の髪の存在を見ていると、手がピクッと動き目を開ければその少女と目が合い直ぐに身体を起こして少女から距離をとる
「動いちゃダメだよ!傷が開いちゃうよ」
と少女が茶色の髪の存在に向けて言うと、茶色の髪の存在は自分につけられている薬草の匂いと巻きつけられた布を見て少女に警戒して聞く
「……これは、君が?」
「えっ……うん。酷い怪我だったから…」
茶色の髪の存在の質問に少女は素直に肯定すれば少女は立ち上がって、川辺の方を指を指す
「あなた、そこの川に浮いていたんだよ。何があったのか分からないけど…その怪我じゃ満足に動けないでしょ?
何もしようとか思わないから、とりあえず私の住んでいるところで怪我治したら?」
少女の提案に茶色の髪の存在は、それに乗っていいのか警戒を解かずにいると少女はスッと手を差し伸べて紹介をする
「私、ルリって言うの。あなたの名前教えてもらっていい?
なんて呼べば良いのか分からないから」
「……俺は…リア」
茶色の髪の存在ーーリアが少女ーールリに自身の名を告げればルリは笑いかけてリアに話す
「リア……とてもステキな名前ね。それに瞳と肌の色。赤くて綺麗……私と違うね」
「……それはそうだろ。俺は[竜人]だからな」
ルリの言葉にリアは思わず自分が竜人である事を話してしまいリアは顔を赤くして 「しまった」と思い手で口を覆う
その様子にルリは声を出して笑いリアはルリの態度に驚く
「あははは!!お肌と瞳も赤いのに顔も赤くなった〜〜」
「っ!?」
驚くリアにルリはひとしきり笑った後呆然としていたリアの手を取って引っ張って小屋の中に入れていく
「ほら、リア突っ立ってないで!私の家はここだよ!!」
「ちょっ…引っ張るな!俺はまだ……」
「ふふふ!私の家にお客さん来るのは初めて!!」
リアの言葉を聞かないで、ルリは1人喜びながらリアを家に招き入れる
ルリの行動にリアは驚きっぱなしでルリの家の中をキョロキョロしているとルリはリアを勢いよくベットに座らせる
ーードサッ
「〜〜っ!」
「お客さんでも、リアは怪我人だから私のベット使ってね!」
笑顔でルリはリアに言えば、リアは未だにルリが見ず知らずの自分にこうも遠慮なく招き入れたり怪我を治療してくれたのか不思議で仕方がなかった
「……なんでだ」
「なにが?」
リアがルリにどうして怪我を治したり、ベットを譲ったり、家に招き入れるのかをルリに聞くとルリは笑いながら話す
「簡単だよ。そこに困っている人がいるから。だから、リアを助けたの」
ルリの言葉にリアは[無用心すぎる]と思った後、ルリに脅すような感じで声を低くして聞く
「命を取られるとか利用されてるとか思わないのか?
困っている奴に優しくしたら、そいつに寝首を狩られるかもしれないんだぞ」
「もし、それで寝首を狩られたり命を失う事になっても私は後悔しないよ」
ルリの言葉にリアは怪訝な表情をした後、[何故?]と聞いた後ルリは笑顔のままリアに話す
「だって、私には悲しむ家族も友達もいないもの。物心つく時にはこの森の中に一人ぼっち。誰もこの森に足を踏み入れる人なんていないんだよ」
そう話した後、ルリは立ち上がって小屋のドアに手をかけリアの方を向けば「だから」と言った後真剣な表情でリアに話す
「リアと一緒に入った人間は今頃森に食べられているんじゃないかな?
この森私以外の人間は皆食べちゃうんだ。」
ルリの言葉にリアは怪訝な表情から一気に驚愕した表情になり警戒の色を放ち声を低くする
「……ルリ何故そんな事を」
「皆が教えてくれるの。人間が入ってくると私の耳に森をかける足音が聞かせて私を隠すの。
でも、リアは人間じゃないからかな?
私の耳に入ってこなかった。
1度だけ私が木にお願いして人間に会ったら、その人私をみて[化け物]って言って皆を怒らせて皆の養分になってしまったんだけどね
あの時は驚いたよ。」
リアはルリの言葉に皆というのがこの森に生えている木々達のことだと察すればヨロケながらも立ち上がってルリに近づきルリの手を持って自分の肌を触らせる
「…分かるか?」
ルリはリアが何故いきなり自分の肌を触らせたのかは分からないが、ルリはリアの赤い肌を触ればその肌から感じる暖かい温度に目を細める
「とても、温かいね」
ルリがリアにそう言えば、リアはルリを赤い瞳で見た後息を吸い込んでゆっくり吐けば更にルリを自分の懐に入れて抱きしめる形でルリに自分の赤い肌を触れさせる
「あの……リア?」
先程まであんなに警戒の色を放っていたリアがいきなり身体を密着させればルリは困惑してリアを見あげようと顔をあげようとするがリアの手がルリの頭の上に置かれていて顔を上げることが出来ず、その全身に渡って伝わる暖かい温度にルリは気持ちよくなってきて身体をリアに委ねる
「…俺の流れている竜の血は触る者の心の色を見ることが出来る。
ルリ…最初お前を見たときはあの兵士と同じかと思ったが、今こうやって触れてお前の心の色が見えた。
お前の心の色は緑色だ。
緑色の持つ心の持ち主は、温かくて優しい。
ルリが感じているこの温度はルリ自身が出しているんだ」
リアの言葉にルリは「えっ?」と思っているが、リアは続けてルリを抱きしめたまま話す
「ルリは[化け物]って呼ばれたと言ったな。
本物の化け物はこんな暖かい温度を出したりなんかしない。
だから、お前は化け物なんかじゃない」
と言えば、リアはルリから離れるとルリは顔を赤くしたままリアにお礼を言う
「……ありがとうリア」
「いや、礼などいらない。この森の木々達はお前の事が大好きらしいからな。
さっき俺の耳にも木々がそう伝えるように言ってきた」
リアの言葉にルリは驚いて顔を赤くして外に出れば近くに生えていた木に触ってルリがお礼を言う
「ありがとう、私も君達のこと大好きだよ」
ルリがそう木に触って言うと、風も吹いていないのに葉が揺れてザワザワザワと音を立てる
その音を聞いてルリは更に笑顔になっていればリアの頰が赤くなっていた
「森を魅了する[翠の美少女]その噂は本当だったな」
「へっ?」
リアが赤くしてルリに言うとなんのこと?っと言う感じ話で小首を傾げてリアに近寄り詳しく聞こうとすると
ーードシュッッッ!!
「グアァッ!!」
「リア!?」
ルリに矢が飛んできてリアはそれに気づいてルリの前に出ればリアの脚に矢が刺さり痛みで身体を蹲りルリが近寄ると茂みの中から先程の兵士が「ヒヒヒ」と言いながら弓を構えて現れる
「俺たちラッキーだなぁ。森の少女に竜人2つとも帝王が欲しがっていたリストの2トップだ。さぁ、これ以上痛い思いしたくなかったら大人しく捕まるんだな」
弓矢の兵士が弓を構えながらリアとルリに近寄ればリアはルリに逃げるように言う
「ルリ……お前は逃げろ…」
「怪我人を置いて逃げるなんて出来ないよ!!」
しかし、ルリはリアを置いていくなんて事は出来ないと言えば弓を構える兵士に向き合い睨みつければ兵士は笑いながらルリに言う
「なんだ?小娘1人で帝国の兵士に立ち向かうのか?愚かな奴だ……ククククッ」
兵士はドンドンと近づいて行けばルリと距離を詰めていく。リアはなんとか動こうとして脚に刺さった矢を抜こうとするが深く刺さったらしく抜けないでいるとルリの周りにある木々から蔓が伸びてルリの周りに守るように巻きついて行けば兵士が弓を引いて矢を放つ
「たかが木の分際で、人間に敵うと思うな!!!」
矢に魔力を込めて撃てばルリを囲んでいた蔓が燃えて、木々が騒めき始める
しかし、兵士はそんな音気にもせず魔力を込めた矢を森に放ちドンドン燃やしていく
ルリは木々の音を聞いて兵士に向かって叫ぶ
「やめて!皆痛いって泣いてる!!どうしてそんな痛い事平気でするの!?」
「はっ、簡単な事だ。化け物の森だろうがなんだろうがこの世界は帝王の物。帝王に刃向かう存在は逆らえぬようにするまでの事」
兵士が弓を放ちながらルリに言い放てば、ルリは木々を守るように兵士にしがみついて弓を放つ邪魔をする
「こんな事したら逆らうどころか、森が燃えてなくなっちゃう!!この森が帝王の物ならその帝王の物をなくしちゃいけないんじゃないの!?」
「邪魔をするなぁ!!」
ーーバシッッッ!!
「アァッ!!」
ルリの頰を弓で思いっきり殴るとルリは地面にひれ伏す
そして、兵士はひれ伏すルリに跨ってもう一度剣の柄でルリの体を殴れば、縄を取り出して抵抗出来ないようにキツく縛り上げ、髪を乱暴に掴んで持っていた剣で長い髪に手をかける
「お前も帝王の物だ。帝王に逆らえないようにお前の長い髪をここで切り落としてやろう……」
「っ!!!!」
ーーーザック!!……パサッ
ルリの長い緑色の髪が兵士によって無残に斬られた時、リアの中の何かがプツンと切れる音がすればリアは刺さっている矢を思いっきり引っこ抜いて立ち上がる
「……ヒッ!?」
「ルリの髪を……緑色で優しいルリを傷つけたお前を許すわけにはいかなくなった」
リアはゆっくりと言いながら、赤い瞳に力を宿して刺さった矢を兵士に向けて投げる
ーービュゥン!!……バシュッッッ!!!
「へっ?……手が…ウギャアアアァァ!!」
リアが投げた矢は剣を持っていた兵士の両腕に突き刺さりそしてそのまま風が起こり兵士の両腕はもげて木に突き刺さる
あまりの出来事の速さに兵士が一瞬何が起きたか分からない顔して自分の腕を見ればなくなっていることに驚愕してそして、次に痛みが襲いかかり地面に悶えているとリアが鋭い瞳で兵士を見下ろして手に魔力を込めて言い放つ
「……ドラゴンフレイヤ」
ーーチュドォォォォン!!!
リアの手から放った赤い光が兵士に当たり辺り一面が爆発して周りになにもなくなってしまう
何もなくなった周りにリアがルリの縄を解いてルリに声をかける
「……ルリ、大丈夫か?」
「うん……リアって凄いんだね」
ルリが一面焼け野原と化した森を見ればリアは顔を沈めて呟く
「竜の血は感情が高ぶってしまうと自分でも制御できなくなってしまう程の魔力放ってしまうんだ。ルリを大事にしていた木々やルリの綺麗な緑色の髪を切り落としたあの兵士がどうしても許せなくて……」
リアがルリの短くなった緑色の髪を触れば悲しそうな顔をしてルリを見ると
ルリはリアの手を持っていつもの明るい声でリアに話す
「髪ならいつでも生えてくよ。それよりも、森の皆の気持ちを汲んでくれてありがとう。私なら気にしてないから、リアも落ち込まないで」
「ルリ……」
ルリの明るい声にリアは顔を上げればルリは笑顔でリアを見て
「ねぇ、リアはこれからどうするの?」
ルリの質問にリアは手から金色に輝く丸い形の容器のようなものに5つの窪みがあり中央に星の形をしたアクセサリーを見せる
「これは?」
「これは、[ミラクルカラー]の力を集める為に作られた[シャイングローブ]だ。
帝王が必死になって俺を捕まえようとしているのはこのアクセサリーが世界を変える程の力を宿しているからなんだ。」
リアの説明にルリは疑問符だらけであったが、ルリはリアが持っているアクセサリーをジッと見つめているとアクセサリーが光り出す。そして、ルリの持っている緑色の宝石もアクセサリーに反応するかのように強く輝く
「シャイングローブとルリの緑色の宝石が反応している……つまり、ルリは[ミラクルカラー]所持者だったのか」
リアがルリを見ればルリは自身が持っていた宝石を首から外せば、リアがルリに言う
「ルリ…その宝石をどこで?」
「この宝石は、私が物心つく時には首から下げられていてどこでもらったのかは分からないけど…この、宝石を持っているととても癒されるの。リアが探しているのはこの宝石だったの?」
ルリの言葉にリアは頷き、ルリは笑顔でリアに宝石を渡す
「じゃぁ、リアにあげる。きっとこの宝石もリアと一緒にいた方が嬉しいみたいだし」
ルリの言葉にリアは暫く考えた後、ルリに告げる
「ルリ……一緒に来ないか?」
「えっ?」
リアの突然の誘いにルリは驚くと、リアがルリの持っている宝石を指して
「その宝石…ミラクルカラーはその所持者と一緒にいる事で力を発揮する事が出来る物なんだ。だから、ルリも来なければミラクルカラーも発動しない」
「……リアは、そのミラクルカラーを集めてどうしたいの?」
ルリはリアの返答次第で答えを決めているという目線で見るとリアは真剣な眼差しで己の目的を言う
「俺はミラクルカラーを集めて…世界を平和にして帝国の支配から解放してやりたいんだ」
「そうか……うん!わかった!!
リアなら優しいからきっと平和な世界にしてくれる気がする!」
リアの真剣な眼差しにルリは頷き笑顔でリアの手を取ればリアはルリを見て
「ルリ…それじゃぁ」
「うん!私もリアと一緒にそのミラクルカラー探す旅に協力する!!
私、森から出たことないけど……私だってさっきの国の兵士みたいな人達が世界を支配していたら世界は皆困っちゃう人だらけだもん!」
そういえば、ルリはリアのシャイングローブに緑色の宝石を窪みに嵌めて祝詞を唱える
「深淵なる癒しの緑よ……この器に我の力を注ぐ」
と唱えるとシャイングローブの5つの窪んだ所の1つが緑色に変わりシャイングローブが輝き出し、ミラクルカラーがシャイングローブに入る
「これでいい?リア」
「あぁ、ルリこれからよろしくな」
「こちらこそ!!」
2人の旅はまだまだ始まったばかり