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短編  作者: Routaro@漸&嫩
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竜使いとヒナ

ども!Routaroです

今回が初の短編になります!

面白いかどうかは僕自身よくわかんないですけど、頭に浮かんでった事書いてこうかな、と思ってます

アスターの香りが辺りに漂う

私が丁寧に育てていたアスター、青い花びらを開かせ、太陽の光を沢山浴びている

その様子を見ているだけで、どこか、心が落ち着く


それは、横にいるヒナも同じだったみたい

満開のアスターに顔を近づけて香りを嗅いでいる

その姿を見ているとどうしても笑が浮かぶ、微笑ましいっていうのかな

それにしても、前までは私の半分もなかったくらい小さかったのに、今では私を乗せて飛べるくらい大きくなっている。まぁ、実際に背中に乗って飛んだりしないけど、一回くらい乗ってみたいな

私が立ち上がると同時にヒナもアスターから顔を離す、シンクロ率100%だ

するとヒナは向きを変え、歩き出した

私はそのあとを追い、ヒナの横に並ぶ

『ヒナの冒険の始まりね』

少しわくわくした気持ちで、独り言を呟く


しばらくヒナについて行ってみると、目的地かな?と思う場所に着いた

そこは私がよく来ていた丘だった

久しぶりに来たけど、やっぱりいい景色だ

友達を連れてピクニックに行ってみたい場所ナンバーワンだと思ってる、私は

と言っても、いつもヒナと一緒に来てたから、行ってみたいではないか、あはは…

ヒナは私が子供の頃から一緒にいた白竜で、私の友達だった

寝る時も一緒、お風呂に入る時も一緒、遊ぶ時も一緒

ヒナは、私にとってかけがえのない存在、ヒナも、私のことをそう思ってくれてるのかな?

ヒナはどこか悲しそうな顔でじっと遠くをみつめていた

私も隣に寄り添って遠くを見てみる

その時、ヒナが何かを感じ取ったのか、「クルルッ」と鳴いた

途端に振り向き、私のことを見つめるヒナ

『ヒナは大きくなっても可愛いな』

ヒナはもう少し景色を見ていたが、遂に後ろを向いて、丘を下る


それからヒナが向かう先々は、私の大好きな場所や、よく来る場所が多かった

常に私と行動していたヒナも、きっとこの場所が好きなんだろう、と思いながらヒナと巡っていく


少し日が暮れてきた

空を見上げているヒナは、足の向きを変え、家のある場所に向けて歩き出す

もう帰るのかな?そう思った


家に着いた頃には、もう日が暮れていた

『もうこんなに暗くなっちゃった』

それにしても、夜空が綺麗だ

どうやら今日は満月のようだ

ヒナの鱗が月明かりに照らされ、キラキラと光る

ヒナが、アスターの花畑に近づいた

何をするのかな?と思って様子を見ていると、アスターの花を器用に口で、一輪だけ摘み取った

なんで花を摘んだのか分からないが、なにか目的があるんだろう、そう思ってヒナの様子を見る

月明かりが出ているとはいえ、もう夜だ

それなのにヒナはどこかに歩き出した

まぁ、それでもヒナはれっきとした竜なので、鱗は頑丈だし、天敵となる生物もいない、崖から落ちても翼があるので飛べるし、危険はないけど、それでもなんだか心配だ


ヒナの向かった先は、先程来た丘だった

ヒナは、持ってきた一輪の花を、私が知らぬ間に作られていた木の十字架みたいなものの前に置いた

「クルル…」

寂しそうに、悲しそうにヒナが鳴く

私はヒナの目の前にやって来て、ヒナの頭を撫でる

『優しいね、ヒナは』

そっとヒナに話しかける

しかしヒナは俯いたままだった

その碧色の目には、涙が溜まっている

それは雫となって、アスターの花びらにあたる

『さて、そろそろ帰りましょう?』

ヒナはまだ、「クルル」と鳴いていたが、ようやく立ち上がり、家へと向きを変えて歩き出す


丘には一匹の美しき白竜、空にはキラキラと輝く満月

こんな美しいものを見れて、私の心配性も、幾らか和らいだ気がした

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