冬の詩『道程』
『道程』
心して前に進みなさい
這って 泥にまみれて
お前はかつて自分で自分の肢をもいだ
その代償を 噛み締めて行きなさい
淡雪も お前が見れば腐り落ち
耐雪の芽も お前が触れれば枯れる
薄氷は黒く溶け崩れ 冬の陽は息をひそめる
お前の吐息は北風となってお前に吹き荒ぶ
それでも 前に進みなさい
お前の道が変わることはもう無い
お前はあの時
望んではならないものを望み
失ってはならないものを手にかけた
永久の冬を厭う資格など無い
約束を履行しなさい
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それでも前に進むのは救済だと思ったりします。
自作の中で一番読み返す事の多い詩かも。