第一章までの主な登場人物
咲川章子……この物語の主人公。
突然現れた見知らぬ少女カネル・ビサーレントにより引き合わされた不思議な少女真理から真理と呼ばれる超常的な力を与えられた中学二年生の少女。
家族構成は祖父母、父母、一つ年下の弟の六人家族。
愛知県名古屋市西部の中山区出身。十四歳。クラスでは学級委員長だった。学校の成績は優秀。
どんな状況下でも、「ありのままにある」ことを理想と考えている模範的優等生だが、突発的な事象に弱く直情短絡的な思考によく陥る。
真理行使時の真理の色は白。
その発動起点となる真理媒体の形状には、光だけで構成される鳥の羽根を選んだ。別名「光羽真章」
真理学習熟度を測るために用いられる真理学理解尺基準値、通称、真理学適性は真理媒体を手にしてからすぐに太陽系の底から天頂までの距離を相転移機動によって数秒で跳躍するほどのものを持つ。
カネル・ビサーレント……古代の地球上で三番目に栄えていた時代文明に生きていた少女。
章子とは自他ともに認める生涯の友となる関係性にある。
現在就いている職業は保安官。階級は保安補。
第三世界の軍事国家エグリアの保安省保安部保安課という超花形部署に所属しているうら若きエリートである十四歳。入省してからこれで二年目となる。その名声はエグリア中に轟いており半ばアイドル化している。
章子曰く、その容姿はブロンドの髪をした宝ジェンヌ。
十四歳の少女には似つかわしくないモデル顔負けの大人びたプロポーション、抜群のスタイルの良さ、その美貌と紳士然とした態度は、他の追随を許さないほどに老若男女を問わずその視線と心を惹きつける才媛。
性格的に、優等生の章子とは非常に馬が合うようだが、半野木昇は彼女を苦手としている。
白い無地のTシャツに青のジーンズという出で立ちを夏の定番の私服としているが、その姿は常に衆目を釘付けにする最強の威力を持つ。
その経済力もあってか家族からはすでに独立している孝行娘(この歳で既に湖畔沿いのログハウス持ち)
エグリアの首都ロマリーの姉妹都市であるエグリア中部に位置する地方都市、ロザリー出身。
真理媒体は自身が所持していた保安課より伝統的に支給される銀飾銃。
行使する時の真理の色は緑。
真理学適性は意外に低く、真理媒体を手にしてから約一か月ほどをかけて固体発生の魔法がようやく理解できるレベルである。
クベル・オルカノ……太古の地球で二番目に栄えていた時代文明、ヴァルディラ紀と呼ばれる時代において最古にして最強の魔動師たちと謳われる十人の許約者によって構成される円虹のその一角をなす赤い少年。
その中でもこのクベル・オルカノは歴代史上最強の許約者としてヴァルディラ紀の全国家から認められている。
就いてる職級は火の許約者。
許約者とは『許されし約束された者』という意味を持つ尊称。
それはそれを封じた剣によって選ばれ、それを象徴する鳥によって導かれる。
その名の通り、火の許約者とはその「火に許され」その力を行使することを「約束された」ことを意味している。
その力が発揮する瞬間魔動出力は、ヴァルディラ紀に誇る三大超国家、魔導国家ラティン、聖教国グレーセ、覇王朝へブラの三大国家の全戦力を一度に相手にしても死傷者も出さずに無傷でこれに圧勝するほどの規模。
神ゴウベン曰く、その力は太陽の百十分の一の出力に匹敵するという強力な力を手にする古代少年。
昇と出会ってからは昇を親友だと言い張る地毛が茶髪の十四歳。
真理行使時の真理の色は橙色。
真理媒体は自身を選んだ存在である魔動媒体、許約剣。今は真理によってさらにそれに真理が付与されて真理剣となったものである。
真理学適性は真理媒体を手にしてから一週間ほどで個体発生魔法が行使できるほどのもの。
神真理……地球上の全人類社会を別の新巨大惑星に転移させた張本人である神ゴウベンを母と呼ぶ少女。その正体は真理生命と呼ばれる真理媒体に命を宿らせた知的存在である。
彼女自身も真理は使えるがその存在意義は自分が主と定めた人物への隷属である。
トハイエズ・シイル……覇星ギガリスより来た金髪の少年。十四歳。真理使い。
覇星ギガリスとは覇都ギガリスをその中枢とする、現リ・クァミスとヴァルディラ紀の狭間にあった幻の時代文明のことである。通称「狭間の真理学」
現在、別星にて現われたこのギガリスは国政を司る執政府と教育を司る最高学府が完全に同一化しており、市民すべてが行政官と言っていい状態にある。
シイルはギガリスの中でも高官の部類に位置し、先遣の役目を担ってこの転星へと渡来してきた。
その真理学適性は個人単体で最強の許約者であるクベルさえも非武装、無傷で圧倒する。
真理の色は黒銀。……と、言うよりもギガリスの住人ほぼ全ての人たちが行使する真理の色が黒銀となっている。
真理媒体は無し。厳密に云うと、幼少期から真理学、事学を学んだ真理行使者及び魔法行使者は通常、魔術媒体、真理媒体と呼ばれるような補助起動導具は必要としない。
真理行使とは、ほぼ直感思考のみで発動できる超能力と呼ばれるもののまさにそれであり、その放たれる意思こそが真理の門を開ける鍵である。
フルワイナ・ミル……覇星ギガリスよりシイルと共に現われた銀髪長髪の少女。十四歳。
ギガリスを代表するシイルと双璧を成す真理使い。
性格は勝気。
真理適性はシイルより一段階低いが、それでも本来、クベルを寄せ付けないほどの火力、機動力、出力を誇る。
ギ・ガリス……シイルたちと共に現われた灰色の巨人。背格好はゴリラに似て腕が長く脚の短いコンクリート製を思わせる真理生命。ただ真理とは違い知性ある真理生命ではなく、ただのギガリス製の傀儡人形生命である。
顔はアス比を修正したモアイ。
オワシマス・オリル……この物語の対半野木昇ヒロイン。地球上で最初に栄えた文明にしてその時代の唯一国家であるリ・クァミス(通称、第一)の少女。
魔法行使を学ぶ為の最高学術学習施設機関、リ・クァミス最高学府学会院のトップに在学時から常に君臨している俊才。
母と姉の三人家族。十四歳。
真理の色は最初こそ赤だったが、昇との出会いによってその色を紫に変えている。
「あるがままにある」ことを信条としている少女。
真理媒体は真理より与えられた小さい握り拳ほどの赤い宝石。別名「賢者の石」……しかし現在は昇との出会いによってその形、色を変えているようである。
真理媒体を手にした瞬間から章子以上の相転移機動力を有し、太陽系全周距離で起きたほぼすべての発生事象をリアルタイムで把握できるほどの真理学適性がある。
その感性はギガリスのミル、シイルを凌ぎ、原理学にも精通しつつつある、最後の少年と対をなす最初の少女。
夢は「昇と二人でまだ見ぬ未知で未開の新世界の地を旅して回る」こと。
しかしその純真無垢でささやかな夢も、この物語上で叶えられることは永遠に……。
半野木昇……この物語のもう一人の主人公。失踪系男子。
愛知県名古屋市東山区出身。十四歳。父母、二つ年上の兄と一つ年下の弟、一匹の猫との五人と一匹の家族。学校の成績は芳しくない。
真理の色は青。真理から与えられた真理媒体の形状には本が充てがわれた。
「あらゆるままにある」ことを信念とする少年。
その真理学適性は神ゴウベンの仕掛けたこの宇宙の始まりといわれる宇宙起源開始という宇宙最初の現象そのものである神の用意した最悪の罠でさえも、真理媒体を手にしてから一時間もかけずに初見で絶対的に強固な「事紀」と呼ばれる領域を開け、これを消失させたほどのもの。
今現在、神に最も近い位置にいると目されている少年。だがその死は神ゴウベンによってすでに宣告されている最後の少年でもある。
その眼差しを常に世界へと立ち向けている少年。
照山紅葉……半野木昇と同じ中学校に通う少女。半野木昇と誕生日、小学校が一緒で、咲川章子と同じ優等生タイプの同級生。
ゴウベン……本名、ヨスベル・ニタリエル・ゴウベン。
白昼堂々、地球上の全人類社会を巨大な地球型惑星「転星」へと強制総転移させた張本人。
現在「転星」は同時にゴウベンが出現させた覇星ギガリスと共に地球と同じ同一公転軌道上を同じ速度で公転している。
外見は男の姿をしているが娘とされる真理からは母と呼ばれている。その所以は不明。
この人物が一体何者なのか、誰にも分からない一切が謎の、神さえも及ばない絶大な力を行使する人物。
だがその言動からは、過去に少なくとも二人の仲間がいたことが伺える。
真理行使時の色は闇。真理学適性は事紀などの例外はあれど、ほぼ真理全てを掌握しており、その力は万能にして全知全能である。
宇宙起源を止めてみせた半野木昇に死の宣告を残して目の前から姿を消して以降、その消息は不明。
その最終目的は半野木昇の死をもって再現させた終末の光景を見届けること。




