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異世界でマーモットになった俺、なぜか賢者扱いされてます  作者: マモシ


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9/18

噂の宗教。

王都、ヴァンセルス。グリット教団本部、教皇の部屋。


「この頃、王都内である宗教が広まっているそうですね?」


丸々太った男は忌々しそうに言った。


「はい、どうも田舎の宗教のようで、数は少ないのですが、信者が異常に信仰が強くて、その夢のような勧誘に、思わず乗ってしまう者もいるようです」

「ふん、忌々しいですね?」


男は酒を飲み、大きく息を吐く。


「どうしましょうか?」

「忌々しいですが、所詮は絵空事でしょう。放っておけば勝手に潰れますよ」


男はにたーと、笑みを浮かべる。

まるで見るものすべてを欲望で見ているような目だッた。


その頃、マモ村では………


どうしてこんなことに?

俺の目の前には大量の荷物を持った人たちがいた。

これは一体……


「はい、王都での熱心な勧誘がうまくいきました!その結果、移住者が多く集まったようですね」


俺を見てウインクして来るリリー。

なに、そのやりましたねって顔は?

全然よくないよ?


「静かに!賢者マーモ様よりお話ですじゃ!」


ちょ!?

村長何言ってるの!?

隠れなくては!


そう思うが俺はリリーに抱かれ掲げられる。


「おお!あれが賢者マーモ様!」


いや、だから、俺はただのマーモットだって。


「そのありがたいお言葉をよく聞くのじゃ!」


村長!!

あんた、ハードル上げすぎだろ!?

ええい!こうなれば怖がらせて信者を減らしてやるしかない!

俺はやけくそで口を上に開きあれをやる。


「キュキューーーーーーーー!!」


口から叫びとともに光線が放たれる。

それは雲に穴をあけ、空に散っていく。


「「………」」


移住者たちは口を大きく開け、固まっている。


ふふ、これならば恐れをなして、移住をあきらめてくれるはず。

俺は、ただのマーモットだぜ。

夢は見るものじゃない!叶えるものだぜ!

夢は自分の手で掴むものだ!

必死にキュキュイと伝える。


「「おおおおお!!」」


大歓声でした……なんか胴上げされました。

絶対意味わかってないな……


「あの力まさに賢者様!」

「ああ、疑いようがない!」


むしろ、力の証明になってしまった。

完全な墓穴だった。


そうして俺は現在、家を大量生産中。


次!

次!

次!

次ーーーーーー!!



果てしなく続くゲームみたい……もう嫌だ。


「お疲れ様です」

「キュキュ……」


リリーがお茶を入れてくれる。

それを飲み干す。


「キュイー」


はあ、安心する。

俺が一休みしていると村の中央がやけに騒がしい。


「キュイ?」

「ああ、あれは、ちょっとした細工です」


細工?

なに、その嫌なワード。

俺は嫌な予感がして四足歩行モードで中央に行く。


「キュ、キュイ!?」


そこには、ドラゴン化したエリーとガイがいた。


「キャーッ、ドラゴン!!」

「落ち着け、幻想に違いない……」


男はそっとガイに触れる。


「あ、本物だ……」


泡を吹き倒れる男。


「あ、あなた!?」


いったい何でドラゴン化してる!?


「これは細工なのですよ」


は?

だから細工って?


「落ち着くのじゃ!このドラゴンたちはマーモ様のご友人じゃ!」

「え、ほ、本当ですか?」

「うむ、そうですな?エリー様、ガイ様」

「うむ、そうだ」


二人は素直に認める。

何でこんな派手に紹介を……


「分かったかの。ここは賢者マーモ様と、このお二人に守られている楽園なのですじゃ!」


「キュキュ!?」


はっ!?


細工ってこれのことか!?


「ふふ、これでマモ教はさらに増えますね?」


リリー末恐ろしい子!


だが、なぜそこまで信者集めをするんだ?


「マモ教は全世界に広めるべきです!」


何言ってるの?

このインチキ集団を広める?

本気?


「本気も本気です!」


俺には不安しかないぞ……


こうしてマーモの不安をよそに宗教は広まっていく。


拝啓、母さん、父さん。

宗教順調だよ。

信者、増えたよ。

うん…うん……

素晴らしいことだよね?

そうだよね?

きっと、そうなんだ。


信じるしかできない息子より。





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