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異世界でマーモットになった俺、なぜか賢者扱いされてます  作者: マモシ


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7/18

マモ村、マモ教。誕生。

「キュイーーーーー!?」

「すごいですね!賢者様!空を飛んでますよ!」

「あわわわ!!」


それどころじゃねー!


今、俺達は空中散歩中だ。

ドラゴン夫婦によって馬車は足で掴まれ、空を飛んでいる。

つまり命綱なしのフライトだ。


「キュキュキュキューーーーーーー!!」

「楽しいですね?」


だから叫んでいるのであって楽しくない!!

命がけのフライトからしばらくして村に着く。


い、生きてる。

生きてるって素晴らしい!


俺は膝をつき神に感謝する。

まあ、ただの四足歩行なのだが。


「し、死ぬかと思った……」


ライラも四つん這いになっていた。かなり怯えていたからな。

俺はそっと近づき肩に手を置く。


「キュイ……」


ドンマイ。


「け、賢者殿!!」


思いっきり抱きつかれる。

く、苦しい。


「キュキュイ…」

「す、すまん!」


俺の表情に気付いてやっと放してくれた。

ま、まあ。それほど怖かったのだろう。


「ほう、ここがお主の村か。普通じゃの?」


それはそうだろ。

普通の村だからな。


「いえ、ここから賢者様のお力で大改造されるのです!」


また勝手なこと言ってるなこの子は。


「キュイキュイ」


俺は手を振り拒否する。


そんなのは無理だ。


「うん?無理なのか?」

「キュイ」


当たり前だろ?

俺は建築士ではない。

違法建築は嫌だ。


「賢者様……」


リリーの目が少し潤む。


またこの目か……

まあ、やるだけやるか。

恩もあるしな。


俺は何となく適当な巨大な岩に近づき手を当てる。

このくらいの岩なら小さな家が出来そうだな。

なんて考えていた。


「その岩がどうか……」


うん?ライラの目が大きく開いて固まっていた。

ドラゴン夫婦も大きく口を開け固まっていた。


「キュイ?」


視線は岩に行っていた。

俺は嫌な予感がしてそっと後ろを見る。


「キュ、キュ、キューーーーーーー!?」


そこには想像していたとおりの小さな家があった。

違法建築じゃん!

ドーピングだよ!こんなの!


身に覚えない力に恐怖する。


「さすが賢者様!!」


い、いや、身に覚えなすぎて怖い。

何でそれで家が出来るの!?


俺は一人キュイキュイ慌てていた。


「おそらく、賢者様の魔力が岩に触れたことで流れて、無意識に家を作ってしまったのかと」


はい!?

触れるだけで建築とか、レンチンじゃないんだよ!?


「おお、これならわしの家もできそうじゃな!」

「ええ、そうね」


二人ほどでかい岩があるかな?


二人にキュイキュイと説明する。


「ああ、それなら」


そういって二人はみるみる小さくなり奥さんはリリーによく似た年上のお姉さんになり、旦那は頑固おやじのようになった。


「これならいいですか?」

「キュ、キュイ?」

「ああ、これは人化の術ですよ」


へー、そんな便利なものがあるのか……!?

まてよ、俺もできるのでは!?


「キュイキュイ!」

「すみません。これはドラゴンだけの秘術でして」

「キュイ……」


夢の人間生活ライフは一瞬で崩れた。

俺は四つん這い。いな、四足歩行で肩を落とす。


「賢者様はそのままでかわいいのでいいのです」


まあ、いいか。

とにかく、家を作っていこう。

そうして村人全員に家を作っていった。


「賢者様万歳!!」

「賢者様最高!!」


そしたらこの結果である。

お祭りになってしまった。

俺は胴上げされて空中だ。


「ふむ。なかなか愉快な村ですね?」


ドラゴンの奥さんが言う。


だといいが。

とにもかくにも村は発展した。


「皆の者!」


声がして俺は地面に降ろされる。


「村長!」


そこには長いひげを生やした老人がいた。

確かこの村の村長のフォンさんだ。


「この村はもはや村ではない!」


いきなり何を言っているんだ?


「賢者様の住まう場所であり、賢者様を信仰する村じゃ!」


ただのマーモットですが?

なぜそんな宗教染みたことを?


「なので、今日からこの村は生まれ変わる!一層、賢者様を敬い信仰するのじゃ!ーーーー」

「「おお!!」」


熱はヒートアップして声が響く。

まるでそこだけが熱帯のように熱い。


いや、ドン引きなんですけど。

俺はやめさせようと必死に鳴く。


「キュイ!キュキュキュイ!」


もうやめろ。

俺はただのマーモットだぞ!


「おお!賢者様よりありがたい言葉をいただいた!」


うん?伝わったか?


「この村の名前はマモ村!宗教の名前はマモ教じゃ!」

「「おお!!」」


全然、違うんですけど。

なんか悪化した。


……なんか、もういいや。


俺は知らないふりをしてニンジンを食べていた。


「お主も大変じゃな……」


こうして、俺の村、俺の宗教が出来た瞬間だった。


これがまさか、世界を揺るがす宗教の誕生だとは思いもしませんでした。


拝啓、母さん、父さん。

俺、宗教のボスになりました。

え、なに言ってるんだって?

俺にも分からない。

なってた。それが現実でした。




読んでいただき、ありがとうございます。

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