お肉パーティー!
「よよいのよい!」
「よよいのよい!」
なんか踊ってる……
村人たちはそれはまあ、楽しそうに踊っている。
「キュイ…」
マーモ酒を弱めて作り直し、みんなに配布した。
その結果、今はみんないい感じによって気持ちよくなっている。
なぜそうなったかと言うとだ……
「マーモ様、後生だからマーモ酒禁止は勘弁してくれーー!!」
ダントンに泣きつかれたからであった。
リリーが提案した効果を弱めると言う方法で、無事効力の弱いマーモ酒が誕生。
それにより狂戦士状態はなくなった。
そして今は狩猟大会で副次的に手に入った魔物の肉を使いお肉パーティー中だった。
「ひゃほほーいじゃ!!」
村長がまたバク宙してる……
慣れた光景である。
「マーモ様」
「キュイ」
リリーが横に座ってくる。
少し酔っているみたいだった。
「マーモ様楽しめていませんね?」
「キュ、キュイ」
仕方ないだろ?
俺、草食だよ?
肉くえねーし。
「ふふ、そうでした」
やけに楽しそうなリリー。
二人で少し黙って祭りの光景を見ていた。
焚火は煙を上げ、宙高く舞い上がる。
その周りをみんなが肩を組み踊っている。
エリーやガイはドラゴンになり子供たちと遊んでいる。
ラスプ達は成果を自慢しあっている。
ライラは酒に飲まれて泣き上戸になっている。
それぞれが、楽しそうに盛り上がり、酒を飲み、肉を食べ、満足している。
そこには笑顔がたくさんだった。
「こんな日常が続けばいいですね……」
「キュイキュイ!」
こんな日常がいいから俺が守るんだ!
ふんすと胸を張る。
「ふふ、そうでしたね?」
リリーは少し笑って、真面目な顔をする。
「マーモ様に一つ謝らないといけません」
「キュ?」
なんだ?
改まって。
「私はあなた様が賢者様ではないと初めから知っておりました」
「キュイ!?」
な!?
じゃあ、どうして賢者様なんて言ったんだ!?
「……私はあの時藁にも縋る気持ちだった」
リリーは思い出すように少し上を向き語りだす。
「私の両親は、戦争で亡くなりました……」
「キュイ……」
初めから不思議だった。
だが、俺は聞けてなかった。
怖かったのだ。
彼女はいつも明るい。
それ故に真実が恐ろしかった。
「父も母も優しい人でした。故に絶対に希望を捨てない人達でした」
「キュー……」
だから、俺に希望を見つけたのか?
何となくそんな気がした。
「はい、母や父のように最後に希望を持ちたかったのです」
それで俺を賢者なんて言ったのか。
「ふふ、でも、それは合ってました」
「キュイ?」
俺はただのマーモットだぞ?
「その、マーモットが何かは分かりませんが、マーモ様は私たちにとって賢者様です。それは真実がどうかより大切なことですから」
優しく微笑みを浮かべるリリー。
この子はきっと分かっていない。
俺こそ君に助けられたのだ。
何の役にも立っていない。
そう思いながら生きてきた。
ただ、働いて寝て、起きて食べて。
そんな人生だったのに、今では俺が頑張るとみんなが笑顔になる。
それがどれほど、救われることか。
リリーは分かっているのだろうか。
「キュキュイ!!」
これからもこの生活を守ろう!
俺は胸をたたき強く宣言する。
「はい、守ります。絶対に」
その目は希望を持っていた。
亡き母や父のような目なのだろう。
二人はきっとその目の中には生きている。
そう思った。
拝啓、母さん、父さん。
俺、救われたよ。
この世界にきてたくさん驚いたけど、救われたんだ。
うん。生きるよ。
この世界で。
そしてみんなと。
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