酒狂信者の種族。
ドワーフと邂逅してから数日後。
俺達はドワーフを連れて村に帰還していた。
「おお、ここが賢者様の村か……村なのかここは!?」
「キュウ……」
まあ、違法建築だらけだからな……
驚くのも仕方ない。
ドワーフ達は興味深そうに住宅を眺めていた。
「これと同じものをわしらに作ってほしいと言うのが賢者様たちの望みだったな?」
「キュイ!」
出来るか?
「バカ野郎できるかではない!やるんだ!」
おお!さすが職人。気合が違う!
「で、だが。話にあった鉱脈はどこだ?」
「ここより少し離れた場所にありますが、早速行きますか?」
「おお、案内してくれ」
そして歩くこと三十分。
「ここが鉱脈です」
「な!?」
そこにはむき出しになっているレゾン鉱石があった。
見せてもらった坑道にはここまで大きくむき出しの物なんてなかった。
「キュイ?」
ここは大きな鉱脈なのか?
「バカ言え!!ここまで大きな鉱脈なんてねえよ!」
彼らは震えながら優しくなでるように鉱石に触れていた。
おお、やはり大きな鉱脈だったのか。
これで、掘り放題だな!
「キュキュイ!」
「おうよ!」
よしこれで問題はクリアだな!
そうして翌日から、ドワーフ達は仕事に入ってくれることになったのだが……
「キュ、キュイ?」
は?
なんて?
「そ、それがな、わしらは作業中は常にお酒を飲んで作業するのがお決まりでの?」
酒が欲しいと?
「はい、そう伺っています」
とても笑顔のリリーだった。
ただ目が笑っていない。
「ひいい!」
すごく怒っているなリリー。
まあ、そうだよな。
酒を飲みながらね……
酒好きだとは予想していたがここまでとは。
「キュイキュイ?」
それで仕事になるのか?
「あ、ああ。アルコールには強いからの。水の代わりのようなものじゃ」
といっても、酒なんてこの村にはないぞ?
「キュキュイ」
「この村に酒はありません」
「そ、そんな!?」
見るからにやる気をなくすドワーフ達。
えー。
だが、俺達にはお金がない。野菜を売っているがさしたるお金にはなっていない。
自給自足がほとんどだ。
「と言う事で諦めてください」
「そんな、後生な!」
俺の体に泣きついてくる。
はあ。どうにかするか……
「キュキュイ」
「いいのですか?」
仕方ないだろ?
放ってはおけないし仕事はしてもらいたいしな。
「どうにかできるのか!?」
「キュイ……」
た、多分な……
「よっしゃーーー!!」
男たちは大喜びであった。
そうして、とにかく街で買えるだけ買い占めてきてもらった。
まあ、これでしばらくは持つな。
これでどうだ?
「……」
うん?どうした喜びで言葉が出ないか?
「少ない!!」
す、少ない!?
樽三つ分はあるぞ!?
「ドワーフにはせいぜい数日分しかならないそうです」
まじか……
俺は舐めていた。ドワーフと言う種族を。
酒好きもここまでくれば狂信だぞ!?
だが、どうすればいい。
有り金は全部使ったし、ここにあるのは川で汲んできた水だけだ。
大量にある水を見て俺は考える。
はあ、確かキリストはこれをぶどう酒に変えたんだっけか?
俺にもできれば楽なのに。
そう思い樽に触る。
「キュイ!?」
なんと樽の中の水が輝いていた。
「何が起こったのでしょうか?」
「キュキュイ……」
何か甘い香りがする。
なんかいやな予感がする……
「うん?この匂いは…酒だ!!」
うん……そんなことだろうと思った……
俺、マーモット。キリスト違う…
「さすがマーモ様!」
「おお、さすがマーモ様愛してるぜ!」
髭の生えた頬でスリスリされる。
ちょ、痛い。痛いから!
こうして、俺は見事、聖書を再現してしまった。
だから、俺ただのマーモットなのに……
拝啓、母さん、父さん。
先祖に神様でもいましたか?
俺、神の子でしたか?
不倫してたの?母さん?
ちょ、まって冗談だから、その包丁降ろして!?
いやー!!俺の息子だけはお許しください!
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