俺のもとにライラ来る
「こ、これは……」
ライラはマモ村の現状を見て固まっていた。
舗装された道。綺麗な住宅街。
どれも、王都並みだった。
「報告には聞いていたが、ここまですごくなっているとは……」
「マーモ様なら当然です!」
リリーが胸を張って言う。
違法建築だけどな。
「それで、ライラ様は今日は何をしに?」
「ああ、それなのだがな、私の街の領主はマモ教の存在を支持することにしたのだ」
「キュキュ!?」
は?
このインチキ宗教集団を支持!?
俺は開いた口が塞がらない。
「まあ、そういう反応になる。私も初め聞いた時は口が塞がらなかった」
ですよねー
「ですが、急ですね?」
「ああ、そう思うのも無理はないが急ではないのだ」
「キュウ?」
どういうことなの?
俺はリリーに翻訳してもらい聞く。
「この国で主流な宗教、グリット宗教は長年ずっと信仰されてきていた。だが、初めはともかく長い歴史で腐敗している。領主様はそんな腐敗した宗教から脱出したいのだろうな」
なるほど、藁にも縋る気持ちだと。
だが、いくら何でも夢物語の宗教に乗り換えを、市民は納得するのだろうか?
「それは大丈夫かと」
え?なんで?
だって、要は賢者様とドラゴンいるよ。
俺達、無敵で快適な暮らし提供するよって、言ってる怪しい集団だよ。分かってる?
控えめに言っても詐欺集団並みの怪しさだよ?
「マーモ様を見ればすべて納得します!」
この子、まじで目がきまってる。
完全に信じてやがる。
「そううまくいくか?確かに賢者様は可愛いが……」
ライラは俺をチラチラ見ている。
「可愛いは正義です!」
「そ、そういう問題なのか?」
そういう問題らしいですよ……
「おお、ライラ殿、来ておられたか」
偶然通りがかった村長が声をかけてくる。
「ああ、フォン殿の久しぶ………」
ライラは固まる。
「うん?どうかしましたかな?」
「そ、それは?」
「ああ、畑にまくマーモ様特製の肥料ですじゃ」
「いや、そういう事ではなく、なぜそんな大きな袋を四つも持てているのですか!?」
村長は大きな袋を両手で四つも持って運んでいた。
「ほほ、マーモ様のお力ですじゃ」
村長はほっほと畑に向かって去っていく。
「あ、あれはなんですか!?」
俺はライラに抱きかかえられて詰め寄られる。
「キュ、キュイ……」
俺が聞きたい……
だって、なんか撫でただけで元気になるし、おまけに力持ちになるし……
ゴットハンド。
まさにそういうものなのだろう。
村長以外も撫でていたらもれなく全員ケガや持病が治り、怪力持ちになった。
まじで手から違法な薬物でも出てるのでは?
そう感じるほど、みんな元気になるのだ。
「そ、そんなことあるのですか?」
「はい、マーモ様なら可能です!」
だから俺は、ただのマーモットだよ?
自分でも怖いよ。
違法建築、ドーピング治療。
なんかやばそうな匂いしかしない。
「はあ、まあ、慣れるしかありませんか……」
ライラは諦めに達していた。
最近俺も通った道だから分かる。
諦めは肝心。うん……
「それで、だな。今日から私もここに滞在して経過観察をするように言われているのだが……家はありますか?」
「キュイ!」
俺は家を速生成。
ふ、鍛えられた俺の家、生成スピードをなめてもらっちゃ困るぜ?
「……素敵な家だな……」
あまりの家の生成スピードに呆れるライラだった。
こうして少しながら確実にその存在を顕著にしていくマモ教。
いつの日か世界にとどろくその日まで成長は止まらない。
拝啓、母さん、父さん。
なんか、いろいろ、諦めついてきたよ。
違法集団?違法建築?ドーピング?
なにそれ?オレ、ナニモシラナイ。
きっと世界はいつも通りさ!
そうでしょ?
ねえ
そうだよね?
心がやんできた息子より。
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