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「おお……!! 見ろよ、いい眺めだな! 紆余曲折あったけど、結局はお前と二人でここまで登ってきたんだな、相棒」
目の前に広がるのは、異世界の絶景。
幾多の死線を乗り越え(そして実際に何度も死にかけ)、俺とグリーンモンキーの間には、確かな絆が芽生えた……はずだった。
「それにしても、凄い崖だな。落ちたら一たまりも――」
その時だった。
コツ……。
背中に、温かくて巨大な感触。
グリーンモンキーが、甘えるようにその頭を俺の背中に擦り付けてきたのだ。
「あ……」
一瞬、心が温かくなった。だが、次の瞬間には、俺の体は断崖の先、重力の支配下へと弾き出されていた。
最強馬の「甘え」は、人間一人を吹き飛ばすにはあまりにも、あまりにも強力すぎた。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
ドサドサ、グッッッッチャ!!
谷底に響く鈍い音。
崖の上では、グリーンモンキーがどこか寂しげに、あるいは「計画通り」と言いたげに、悠然と鼻を鳴らしていた。
(完)




