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大聖女様と手料理


「今日はもう仕事したくない〜!」

大聖女の嘆きが執務室に響く。


「はぁ、大聖女様...先々の会議や謁見などでお疲れなのはわかりますが、ここが踏ん張りだからですよ。」

カリラが呆れ気味に声を発する。


「いいじゃん!私最近頑張ったもん!私は今日は料理するって決めたんだからね!」

顔を膨らませながら子供のようにパルミアが言う。


「料理ですか...楽しそうですね。たまにはそういう経験もいいのでは?」

ユリシェは悪戯っぽく賛同する。


「ですが!大聖女が厨房で料理など危険です!」


「やだ!やだ!やるの!仕事はしないの〜!」

駄々をこねるパルミアにカリラは呆れたように


「仕方ありませんね...だけど次からはちゃんと仕事してくださいね。」


「わーい!じゃあ早速準備するの〜!」

パルミアは小走りで厨房へ向かう。カリラとユリシェも仕方なく後を追うことに。


厨房に着くと、パルミアは目を輝かせて材料を眺める。

「何から作ろうかな〜。あれもこれも入れちゃえ!」


「パルミア様、落ち着いてください!それは塩です、砂糖はこっち!」

カリラが慌てて制するが、パルミアは両手に材料を持ってきょろきょろ。


ユリシェは片目を細めて笑った。

「……包丁を持つ大聖女様、なかなかの迫力ですね」

「迫力って……それ、褒めてるの?」

パルミアは少し不安げに笑うが、すぐに気を取り直して包丁を握った。


だが、案の定手際は悪く、野菜は床に飛び散り、調味料はこぼれる


「うわっ、熱っ!」


「大聖女様!火傷します!」


カリラは飛び回りながら必死にサポート。

一方ユリシェは楽しそうに見守り、時折手を貸すくらいで静観。


「……これは、なかなかのカオスですね」

そんな騒ぎの中、パルミアが最後の調味料を鍋に入れる。


「よし!これで完成よ!」

鍋の中身は色はめちゃくちゃだが、香りはなぜか食欲をそそる。


「……あの、これ食べるんですか?」


「えぇ、まさかの味見タイムですね」

カリラとユリシェ、二人で恐る恐るひと口すくうと、意外にも美味しい。


「……お、おいしい……?」 


「さすがは大聖女様ですね。これも"神の奇跡"でしょうかね?」


パルミアは大喜びでガッツポーズ。


「ふふ、これで今日はもう満足〜!」


疲れも吹き飛んだように、パルミアは満面の笑みで椅子に座った。




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