大聖女様と猫
神殿の朝は、静かで穏やか――のはずだった。
そんな日常にちょっとした波乱を巻き起こすのは、街や神殿を自由に歩き回る猫たちだった。
「ん……あっ!」
レシュリ・パルミアは書類を整理していた机の上に、突然猫が飛び乗ってきたのに驚いた。書類は散らばり、ペンが床に転がる。
「パルミア様…また猫とお戯れを...」
カリラ・タナハは淡々と書類を片付ける。彼女の冷静さは、こんな日常の混乱でも揺るがない。
「まあまあ、大丈夫ですよ。私たちが片付けている間ちょっと遊んであげるだけなので」
エラ・ユリシェは猫をあやしつつ、ティーポットに茶葉を落とす。彼の軽やかさが、部屋の空気を和らげる。
――しかし、猫はすぐに窓から外へ飛び出した。
「あっ...!カリラ!ユリシェ!あとはよろしく!」
「お待ちください!パルミア様!」
「さすがですねあのお方は...」
パルミアが追いかけると、猫は街の路地に飛び出す。パルミアが通るたびに
「なぜ、大聖女様がこんなところに!?」
「何かあったのですか!?」
などの声が聞こえたが、パルミアは一目散に猫を追い、荷馬車の脇をすり抜け、商人の籠をひっくり返しながら駆け回る。
「仕方ないけどあれを使うしかない...」
パルメアは両手で祈り始める
「「神よどうか我らに奇跡を...」」彼女が祈ると光が猫を包みパルミアの手元に猫がやってくる。
「ようやく捕まえた...」
安堵とともにパルメアに疲れが押し寄せた
帰るとカリラによって説教をくらった。
「だけど、この日々は暖かくて心地がいい」
そう思いながらパルミアは書類を整え直し、平和で、少しだけ賑やかで、そしてちょっぴり予測不能な一日が幕を閉じた