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(185)魔法少女狩り[14]〜羞恥の技に沈むセシリア〜

 観客席では、この光景も演出の一部だと思い込んだ観客たちが、興奮して声を上げ始めた。


「すごい演出だ! まるで魔法のサーカスみたい!」


「セシリア様が自分自身と戦ってる! こんな複雑な魔法、見たことない!」


「まるで鏡の中の世界みたい……幻想的で美しい……」


「これが最新の舞台技術なのか! 素晴らしい!」


 彼らの無邪気な称賛が、セシリアの屈辱をさらに深めていく。自分が惨めな姿を大勢の住民に見せつけている現実に、彼女の心は打ち砕かれそうになった。


「やめて……見ないで……こんな無様な姿……私は完璧でなければならないのに……」


 セシリアが泣きながら懇願するが、コピーたちの攻撃は止まらない。しかも、観客席に向けられた鏡により、彼女の屈辱的な姿があらゆる角度から映し出され続けている。


「これが、完璧主義者の末路じゃ」


 クラリーチェが観客席に向かって、まるで学術講演をするように解説を始めた。


「自分の力を過信し、完璧を求めすぎた結果――自分自身の力に滅ぼされることになったのじゃ。まさに自業自得の見本じゃな」


 コピーたちの多様な攻撃により、ついにセシリアの魔法少女衣装は限界に達した。美しいドレスが大きく破れ、下着姿に近い状態になってしまう。知的な象徴である銀縁眼鏡も、攻撃の余波で弾き飛ばされてしまった。


「あ……私の眼鏡が……」


 視界がぼやけたセシリアは、慌てて眼鏡を探そうとする。しかし近視の彼女には、眼鏡なしでは何も見えない。その隙にコピーたちがさらなる攻撃を仕掛けてくる。


 今度は連続する爆破攻撃だった。無数の小さな爆発がセシリアの周囲で起こり、その衝撃波で彼女は舞台の端まで吹き飛ばされてしまった。


「うああああ――」


 セシリアが舞台装置の階段セットに激突し、そのまま長い階段を転がり落ちていく。一段、二段、三段……途中で止まることなく、最下段まで転がり続ける。その度に、破れた衣装がさらに乱れ、より一層無様な姿を晒していく。


 最下段まで転がり落ちた時には、セシリアの衣装はもはや原形を留めないほどボロボロになっていた。美しいドレスは各所で大きく破れ、下着が透けて見える状態になっている。


 セシリアは呻きながら立ち上がろうとするが、その時、クラリーチェがゆっくりと彼女に近づいてきた。


「さて、高慢な完璧主義者よ。特別授業の時間じゃな」


 クラリーチェの声には、これまでで最も残酷な楽しみが込められていた。


 セシリアが恐怖に震えながら後ずさりしようとするが、階段に背中をぶつけて逃げ場を失ってしまう。


「お前のような傲慢な支配者には、身をもって『完璧ではない』ということを教えてやる必要があるのじゃ」


「深淵魔法――完璧主義者への最終審判」


 クラリーチェが優雅に手をかざすと、階段に倒れ込んでいたセシリアの身体が魔力によって強制的に引き起こされた。そして、抵抗する間もなく、セシリアの背後に回り込む。


「な、何を……やめて……」


 セシリアが振り返ろうとした瞬間、クラリーチェが彼女の背後から素早く動いた。まず、セシリアの両足首を自分の足で引っ掛けるように絡め取る。セシリアの細い足首が、クラリーチェの足によってしっかりと固定された。


「きゃっ……足が……動かない……」


 次の瞬間、クラリーチェがセシリアの両腕を背後から掴み、チキンウィングの形で彼女の背中側に回し上げた。セシリアの腕が背中で交差するように固定され、身動きが完全に封じられてしまう。


 俺は蔦に拘束されたまま、その光景を見つめていた。あの技は、確か昔アニメで見たことがある。プロレス技の「パロスペシャル」だった。相手を背後から完全に固定し、屈辱的なポーズを取らせる恐ろしい技だった。


 クラリーチェがその技をさらに深く極めていく。セシリアの身体が前傾姿勢になり、腰が突き出される格好に固定される。破れた魔法少女衣装のスカート部分が重力で垂れ下がり、白いレースの下着が観客席から丸見えになってしまった。


「や、やめて……こんな恥ずかしい格好……」


 セシリアが必死に抵抗しようとするが、この技の恐ろしさは、抵抗すればするほど苦痛が増すことだった。腕を動かそうとすると肩の関節に激痛が走り、足を動かそうとすると足首に鋭い痛みが襲う。


「ほれ、もっと腰を突き出すのじゃ」


 クラリーチェが嘲笑を込めた声でセシリアの腕をさらに上に押し上げると、彼女の上半身がより深く前傾し、腰がさらに突き出される形になった。まるでお辞儀をしているような屈辱的な姿勢で、しかも下着が完全に露出している状態だった。


「おぬしのような高慢な女には、この姿勢がお似合いじゃ。まるで媚びへつらっているような格好じゃな」


 クラリーチェの残酷な言葉に、セシリアの顔が屈辱で真っ赤になった。


「んあああ……やめて……こんなの……」


 セシリアの身体がぷるぷると小刻みに震え始めた。関節技による苦痛と、この屈辱的な体勢を大勢の観客に見られている羞恥心で、彼女の精神は限界に達していた。


 しかも、恐怖と苦痛で大量の汗をかき始めたセシリアの破れた衣装が、汗で肌に張り付いて透け始めていた。薄い生地が汗で濡れて透明になり、下着のラインがより鮮明に浮かび上がってしまう。


「ほほう、汗まで流して。よほど恥ずかしいのじゃな」


 クラリーチェがさらに技を深く極めると、セシリアの白いレース下着が彼女の身体に食い込み始めた。前傾姿勢のせいで重力がかかり、下着が彼女の最も敏感な部分に食い込んでしまう。


「あああ……そこは……やめて……」


 セシリアの声が甘い響きを帯び始める。苦痛と屈辱に加えて、身体の反応まで加わってしまった。


「どうじゃ、完璧主義者よ。これが現実じゃ。おぬしの完璧な世界など、所詮は幻想に過ぎぬ」


 クラリーチェが残酷に囁きながら、技の圧力をさらに強める。セシリアの苦悶の声が劇場に響き渡った。


「見るがいい、皆の者」


 クラリーチェが観客席に向かって宣言すると、恥辱の鏡がより大きくなり、セシリアの屈辱的な姿を巨大に映し出した。前傾姿勢で腰を突き出し、汗で透けた衣装と食い込んだ下着を晒している姿が、劇場のスクリーンいっぱいに拡大される。


「これが、おぬしらの高慢なリーダーの真の姿じゃ。威厳も品格も、すべて見せかけに過ぎなかった」


 巨大な鏡に映し出されたセシリアの姿は、あまりにも無様だった。普段の威厳ある姿とは正反対の、惨めで扇情的な格好。震える身体、乱れた髪、汗と涙で汚れた顔、そして食い込んだ下着――すべてが観客の目に焼き付けられてしまう。


「いやああああ――!!」


 セシリアが絶叫するが、関節技に極められた身体は微動だにできない。


 観客席からは、演技だと思い込んだ観客たちの驚嘆の声が響く。


「すごい技だ! あんな複雑な拘束技まで演技に取り入れるなんて!」


「セシリア様、体当たり過ぎる……本当にプロ意識が高い!」


「汗まで流して演技するなんて、感動的!」


 彼らの無邪気な称賛が、セシリアの屈辱を頂点まで押し上げた。自分が大勢の住民の前で、こんな恥ずかしい技を極められている現実に、彼女の心は完全に砕け散った。


「もう……もう耐えられない……降参します……降参します……お願い……」


 ついに、セシリアが完全降伏を宣言した。完璧主義者としてのプライドも、リーダーとしての威厳も、すべてを投げ捨てての降伏だった。


「よい心がけじゃ」


 クラリーチェが満足そうに技を解くと、セシリアはその場に崩れ落ちた。ぷるぷると震える身体で四つん這いになり、もはや立ち上がる気力もない状態だった。汗で濡れた髪が顔にかかり、破れた衣装からは汗ばんだ肌が透けて見えている。


 だが、まだ終わりではなかった。

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