第3部:剪定
お久しぶりです...?球体関節人形です。
この章では主人公の人間としての価値観?倫理観?がパァになるほどの
狂気的な人物が出てきます。
私の脳内だと男装が似合う麗人だと思ってます...。
それでは幼稚ですが読んでいただけると幸いです。
彼の前に現れたのは、一人の美しい女性だった。
彼女の頭部に咲いていたのは、月下美人。
夜にだけ咲き、短命ながらもその妖艶な香りで人を魅了する花。
その花が象徴するのは「儚さ」と「危険な美」。
彼女の目は深い闇を湛えながらも、どこか哀しげで、見る者を虜にするものだった。
彼女は連続殺人犯として逮捕され、複数の犠牲者を出した罪で裁かれるべき存在だった。
その犯行動機は極めて異常で、「快楽」そのものが目的であるとされていた。
彼女は取り調べ中でも堂々としており、その美貌と言葉によって多くの者を翻弄してきたという。
彼が初めて彼女と対面した瞬間、彼女は微笑みながら言った。
「あなたが私の弁護士? 随分と優しそうな人ね。」
その微笑みは、どこか底知れぬ不安を掻き立てた。
彼女の視線はまるで全てを見透かしているようで、彼の心の奥底を覗き込んでいるかのようだった。
彼女の事件の記録を読み進めていた彼は、犠牲者たちの無残な最期と、残された家族の苦しみを知り、彼女の行為に対する強い嫌悪感を抱いていた。
しかし、彼女と対話を重ねるうちに、その心の奥に隠された何かに気づき始める。
彼女の犯行の動機は、確かに「快楽」だった。
しかしその快楽とは、単なる生物的なものではなく、彼女自身の精神を満たすためのものであった。彼女は語る。
「私は、何も感じられなかったのよ。ずっと。喜びも悲しみも、何も。だから、私が感じる唯一の感覚……それが恐怖と支配だったの。」
彼女の言葉は彼に冷たい刃のように突き刺さる。
彼女が快楽を求めた背景には、幼少期の虐待や、周囲からの冷遇が深く影を落としていた。
彼女が他人の命を奪うことでしか自分を実感できなかったことが、次第に明らかになる。
「あなたが私を理解しようとするのは嬉しいわ。でも、理解したところで、あなたにはどうすることもできないでしょう?」
彼女は笑みを浮かべながらそう言い放った。
その笑みの奥には、深い孤独と諦めが見え隠れしていた。
彼は彼女との対話を重ねるうちに、次第に心を乱されていった。
彼女の言葉には奇妙な力があり、それが彼を徐々に引き込んでいく。
彼女の犯した罪の重大さを理解しながらも、彼女の孤独に共感し、そして何より彼女の魅力に抗えない自分がいた。
ある日、彼女がふと語った。
「月下美人って、夜だけ咲くのよね。誰も見ていない夜に咲いて、誰にも気づかれずに散る。それって、私みたいじゃない?」
彼女の言葉に、彼は返す言葉を失った。
確かに、彼女の存在は一夜の花のように儚く、美しく、そして危険だった。
その瞬間、自分の心の中に芽生えた感情が何なのか、彼は気づいてしまった。
「あなたは、なぜ私のことをこんなに気にするの?」彼女は微笑みながら尋ねた。
彼は言葉に詰まったが、答える代わりに彼女の瞳を真っ直ぐに見つめた。
その視線に、彼女は一瞬だけ戸惑いの色を見せた。
彼女との対話を続ける中で、彼は彼女の事件の背景に、自分が持つ能力や精神世界の秘密が関わっていることに気づき始める。
彼女は言った。
「あなたは、人の罪や苦しみが見えるんでしょう? その花、私に見えているのよ。」
彼女の言葉に、彼は驚愕した。
これまで誰にも話したことのない、自分の「花を見る力」を彼女は知っていたのだ。
彼女が自分の秘密に気づいた背景には、彼女自身が同じような力を持っていたからではないかと彼は考え始める。
「私は、自分の花が何を意味しているのか知っている。」彼女は静かに語り始めた。
「それは、人の痛みや罪を映し出すもの。でも、それを見続けると、自分が壊れていく。」
彼女の言葉に、彼はこれまで自分が抱えてきた違和感や苦しみが、彼女と繋がっていることを感じた。
自分の能力が「人間の罪と苦しみを可視化するもの」であるという理解が、彼の中で次第に深まっていった。
やがて彼女の裁判が始まる。
彼女の犯した罪はあまりにも重く、その判決が死刑になることはほぼ確実だった。
彼は彼女を救いたいという思いと、法を尊重する弁護士としての義務との狭間で苦しむようになる。
「あなたは私を救いたいと思っている?」彼女は問いかけた。
答えることができなかった。ただ、彼女を助けたいという思いと、彼女の罪を擁護することの矛盾が、心の中で渦巻いていた。
最終弁論の日、彼は彼女の孤独や苦悩を法廷で語った。
しかし、それでも判決が覆ることはなかった。
「ありがとう。」彼女は判決を聞いた後、彼に微笑みながら言った。
「あなたがここまで私を想ってくれるなんて思ってもみなかった。でも、これで良いの。」
その言葉に、彼は彼女を救えなかった自分の無力さを痛感する。
彼女の死刑が確定し、執行の日が近づいていく。
彼は最後の面会に向かい、彼女と再び対面する。
「これで、私も終わるのね。」彼女は微笑みながら言った。
「でも、あなたがいてくれたおかげで、私は少しだけ生きる意味を見つけられた気がする。」
彼女の言葉に、彼は涙を堪えきれなかった。
彼女が抱えていた孤独や苦しみを、自分が完全に救うことができなかったことへの無力感が、彼を襲った。
「さようなら。」彼女は静かにそう言って、微笑んだ。
その後、彼女の命が散る瞬間、彼の心には月下美人の花が一輪咲いていた。
その花は彼女が持つ美しさと危険さを映し出しながらも、彼女の人生の儚さを象徴していた。
彼女を失った後、彼は自分の能力とどう向き合うべきかを考え続けた。
彼女が示した「罪」と「苦しみ」は、彼に新たな視点を与えたが、同時に彼自身の精神を削り取っていた。
「月下美人は、夜に咲いても、必ず散る。」彼女の言葉が彼の心に残り...
読んでいただき有難うございます。
脳破壊系狂気美女とか好きなんですよね....cv能登麻美子さんとか.....
皆さんも性癖を追い求めていきましょうね!!