第2部:水分
数日ぶりのお久しぶりです...球体関節人形です。
今回の章では短くですが主人公が体験した複数の事件を(時間がなかったので...)
ざっくりとした追憶を三つ書きました。
それでは幼稚ですが読んでいただけると幸いです。
・衝動の百合
今日、最初に担当したのは、女性の連続殺人犯の事件だった。
彼女は何人もの男性を手にかけ、その手口が冷徹で計画的だったため、警察の注目を集めていた。
法廷で初めて彼女と対面した際、彼女の頭部に咲いていた花は百合だった。
百合の花言葉は「純潔」と「誠実」だが、彼女の美しい外見とは裏腹に、内面には自己中心的な欲望が渦巻いていた。
彼女の冷徹な表情が、百合の花が象徴する純粋さとはかけ離れていることに、強烈な違和感を覚えた。
「私は、欲しいものを手に入れたかっただけ。」彼女は冷ややかな目で見つめながら言った。
「男たちは私を支配しようとした。でも、私はそんなことを許さなかった。」
彼女の言葉には罪悪感も後悔も感じられなかった。
自分が手に入れたいものを確実に手にした達成感だけが漂っていた。
その冷徹さに言葉を失った。
「あなたがしたことは、決して許されることではない。」と心の中でそう思ったが、
同時に彼女の目を見つめると、その眼差しに何かしらの苦悩が隠れていることに気づく。
「でも、私はもう変わらない。だって、私は今、何も恐れなくなった。」彼女は微笑みながら言った。
その笑みは、百合の花が象徴する純潔の意味とは程遠い、冷徹なものだった。
しばらく彼女の顔を見つめ、花が彼女の頭部に咲き続けるのを感じた。
その美しさの裏に潜む恐怖を感じ取ったが、彼女が犯した罪はあまりにも重く、心の中でその苦悩に共感する余地はなかった。
「あなたの犯した罪は、どんな理由があろうとも許されることではない。」と冷静に言った。
「裁判であなたがどんな言葉を並べようとも、それは変わらない。」
その後、しばらく彼女に関わることになり、対話を続けるが、心はますます重くなっていった。
百合の花が象徴するものが、彼にとって恐ろしいものに見えてきた。
それは美しさを装いながら、裏で破壊的な力を持つものだった。
・慟哭の彼岸花
次に担当したのは、虐待を受け続けた末に家族を殺した男の事件だった。
男の頭部には、彼岸花が咲いていた。
彼岸花は「悲しみ」や「再会」の花言葉を持ち、この男が抱えていたのは、過去に抑え込んでいた深い悲しみと絶望だった。
男は、両親からの暴力を受け続け、ついにはその手で家族を殺すに至った。
彼の目に浮かんだ悲しみの色を見た時、男がどれほど辛い日々を送っていたのかを感じ取った。
「私は、殺すことでしか逃げられなかった。」男は深く息をつき、目を伏せながら言った。
「両親の暴力が止むことはなかった。だから、自分が手を汚してでも、終わらせたかった。」
彼の言葉には、恐怖と後悔が入り混じっていた。暴力を受け続け、命を奪うことが唯一の解決策だと信じたその心情を理解できる部分があった。
しかし、その行動が引き起こした悲劇を考えると、どれだけ理解しようとしても心の中で割り切れないものがあった。
「あなたの気持ちを完全には理解できない。」と静かに言った。
「でも、あなたが犯した罪は消えない。」
男はうつむき、しばらく無言だった。
彼の目に浮かぶ涙は、過去の痛みを象徴するかのように、彼岸花の鮮やかな赤に見えた。
その後も、彼の言葉とともにその痛みを感じ続けた。
しかし、その花が示す「悲しみ」と「再会」が、彼の心に重くのしかかり、精神的に不安定な状態に追い込まれていった。
・慈愛のポインセチア
その後、担当したのは、家族を守るために殺人を犯した母親だった。
彼女は、自分の子供を守るために虐待をしていた夫を殺した。
その時、彼女の頭にはポインセチアが咲いていた。
ポインセチアの花言葉は「思いやり」や「祝福」であり、彼女が持つ花はその美しさを象徴していた。
しかし、その花の背後には、家族を守るために自らの手を汚したという苦しみと、殺人を犯すことへの罪悪感が隠されていた。
「彼を殺さなければ、子供たちが死んでしまうと思ったんです。」彼女の目には涙が浮かび、心の葛藤がその言葉に込められていた。
「私は彼を殺すことで、子供たちを守れると思った。それが私の唯一の方法だったんです。」
その言葉を聞いた途端、胸が苦しくなった。
彼女の行動には、母親としての愛情があった。
しかし、その愛情が暴力と結びつき、命を奪うことに至った瞬間、彼女の心の痛みを深く感じた。
「あなたが犯した罪は重い。でも、私はあなたがそれを背負って生きるべきだと思う。」と冷静に言った。
「どんなに辛くても、生きること。それが、本当の意味での救いになるはずだから。」
その後、彼女との対話を通じて、母親としての愛情とその破壊的な力を感じ、心の中で複雑な感情が渦巻いた。
ポインセチアの花が象徴する優しさと、そこから生まれる暴力との狭間で、自分を見失いそうになった。
犯人たちとの対話を重ねる中で、次第に自身の内面に変化が生じていることに気づき始めた。
彼が目にする「花」は、彼自身の心の状態を反映しているように感じられた。
彼らの苦悩に触れることで、自分の中に湧き上がる感情と向き合うことを余儀なくされていた。
同時に、精神は次第に不安定になり、花を見続けることが負担となっていった。
百合、彼岸花、ポインセチア。
それぞれの花が示すものを理解しようとするたびに、自分の正気を保つのが難しくなっていった。
彼が見ていたのは、ただの花ではなかった。
それは罪と痛み、愛と破壊が交錯した「心の印」だった。
そしてその印を背負いながら、次第に自らがどこに向かうのかを見失っていった。
えっと....書き方が前章からガラッと変わってるやないかい!!
といった事はツッコまないで下さい....
駆け足どころか時速60km(交通安全に気を使って)での作成ですので
粗が目立ったり情報不足な所はあると思いますが、
できれば読者の皆さんの脳内で好きなように(花言葉の意味も考えつつ)
補完していただければと思います...。
最近、中の人は原神が大忙しですイシガタリナイ.....。
皆さんも年末年始のガチャ欲に負けず頑張ってください。