プロローグ
なし
今日も今日とて宇宙通販・地球第三支部では,
毎日が地獄の様に慌ただしく,阿鼻叫喚の最中で,
日々の業務が確実にこなされている。
この光景はどこかの島国にあるブラック企業で働く人々と,
さしたる差はないかもしれない。
「おい!!アレは準備出来たか!!」
「本日深夜にアカシックレコードから取り寄せた,
人類存続に関する第一資料データは用意出来ました。」
「よし!ならそれを日本の・・・の・・・教授に,
届けるように手配!」
「わかりました。聞こえましたか?茂木田配達員。」
「了解しました。すぐに配達に向います。」
「それから,あっちの件はどうなってる?」
「宇宙銀行から許可は出ました。
なので,いつでも配達は可能かと。」
「ならその配達はあの新米にやらせろ。」
「了解しました。では・・・」
こうして上からの指示で,宇宙通販から様々なモノが,
配達されていく。
それは単なる「物」だけではない。
金運だったり,健康だったり,閃きだったり,
時に犯罪や災害などだったりもする。
現代の地球人では扱えないモノが,
この宇宙通販から届けられたりするのだ。
様々な形や方法で。
そして今この仕事に就いて日が浅い新米である,
時渡龍陽の日々の始まりであった。
なし