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バンドやろ!  作者: ねる
4/10

四話

「今朝こいつが『今日バンドのピアノ来るから学校のピアノ一緒に探そう』と言ったくせに、いざ昼休みの時間になった時『あたし急に用事ができたから、とりあえずおめぇが探しておいて。』っと俺に全部押し付けたんだ、こいつが」


 良介(りょうすけ)の話に聞いた天音(あまね)は何の言葉もなしで(かなで)を見つめる。天音(あまね)の無言の視線に(かなで)はあわてて言い訳する。


「だ、だってお昼休みには白石(しらいし)くんのピアノを聴きに行ったから」


「ん? 黒川(くろかわ)さん、今日お昼休みの時、音楽室来たんだ?」


 (かなで)の言い訳に天音(あまね)が疑問を抱く。だって天音(あまね)は今日昼休みの時、音楽室で(かなで)を会ったことがなかった。それを聞いた良介(りょうすけ)(かなで)を恐ろしい目で睨む。


()()()ぇ?! あれって一体どういうことかな、説明がして」


「今日は白石(しらいし)くんに邪魔になるかと思って音楽室には入らなかったよ、よく知らないくせに」


「はあ!? てめぇ、今なんだと」


 (かなで)の最後の言葉に良介(りょうすけ)はむっとする。


「なら今日、白石(しらいし)が弾いた曲名を言ってみろ」


「きょ、曲名?」


「そう、曲名、まさか知らないとは言うつもりじゃねぇだろうな」


「ちょっと待って! あたしクラシックは疎いから、曲名はあまり知らねぇ。でもこれだけは知ってる、昨日とは別の曲だった、そして曲のテンポも速かったよ」


 (かなで)の曖昧な答えに良介(りょうすけ)天音(あまね)を見つめるーー事実を言ってほしいというな目つきだ。そういう良介(りょうすけ)を追って(かなで)天音(あまね)を見つめるーー今度は『どうか味方になって欲しい』と言う目つきだ。一人はお願いの視線を、もう他の一人は真実を求める視線を天音(あまね)に向けて、彼の答えを待ている。こんな状況で天音(あまね)はしぶしぶ口を開く。


(かなで)の言う通りに今日弾いた曲は昨日とは違う曲だったんだ。しかも有名な曲でもないから、黒川(くろかわ)さんが知らないのも当たり前だ」


「コラッ! 良介(りょうすけ)、お前早くあたしに謝れ!」


「はあ? てめぇは黙れ」


 良介(りょうすけ)の過激な言い方に(かなで)はもちろん、天音(あまね)までびっくりする。そのおかげで彼らが静かになってすぐ良介(りょうすけ)は話し続ける。


「これだけならこんなに怒らねぇんだ。まじでこいつに腹が立つのは」


「ま、待って。これまで言うつもりなの? あれはあたしが悪かったって」


「はっ、今更?」


 良介(りょうすけ)が何かを言おうとすると突然(かなで)の態度が変わる。さっきまで良介(りょうすけ)に堂々と「謝れ」と言った(かなで)が今は自分が謝っている。しかし、良介(りょうすけ)はそんな彼女の謝りを無視する。


「マジで腹立つのは、こいつが『昼休みの時はごめんね、その代わりに放課後にはマジで一緒にピアノ持って部室に行こう』としゃべて幸いに取りにはきた」


「なら、問題ないーー」


「しかし、いざシンセ持とうとする時『アッ、ごめんこれ結構重いね。そいういわけで良介(りょうすけ)お前に任せる。あたしは先に行っているね』と俺に全部押し付けて逃げちゃった」


 良介(りょうすけ)の話に天音(あまね)がまた何も言葉なしに(かなで)を見つめる。(かなで)は自分の過ちをバレて恥ずかしいのか白い顔がりんごみたいに赤くなる。


「だってマジで重かったもん」


「そうだったとしても・・・あ! だから放課後、教室にいなかったのか」


 天音(あまね)良介(りょうすけ)の話を聞いてやっと全てが理解できた。なぜ彼女が放課後に教室にいなかったのか、なぜ下駄箱で彼女が自分らしくない言葉を言ったのかーー多分良介(りょうすけ)に怒られる未来が見えて早く逃げろうとしたわけだろうーー、なぜ良介(りょうすけ)が彼女にこんなに怒りすぎたのか、全て部理解できた。


「とにかく早く俺に謝れ!」


「はあ!? あたしが何で」


「てめぇそんなに死にたいのか」


「いぃ〜や、死にたくないんですけど」


 そして天音(あまね)が理解している間にも彼らはの言い争いは続けている。


「まぁ僕とは関係ないか」


 横で彼らの言い争いを見た天音(あまね)は静かに下駄箱の方へ歩く。今、(かなで)は言い争いで忙しいから天音(あまね)を気にする余裕はないはずだ。だからこの隙に早く帰ろうとする。そして天音(あまね)の予想通りで(かなで)天音(あまね)が下駄箱に来るまで全然気づかなかった。天音(あまね)はこの勢いで自分の靴を取り出すために手を伸ばす。


「今度こそ家にーー」


「し・ら・い・し・くぅーん?」


「うわっっ! く、黒川(くろかわ)さん?!」


 天音(あまね)が手を伸ばした瞬間、突然後ろから(かなで)が現れた。


「きっと言い争い中じゃ・・・」


「ふぅむ、それより下駄箱には何の用事で、まさか帰るためじゃねぇでしょね」


「そ、それが」


「おい、(かなで)いい加減にして」


 天音(あまね)(かなで)に追及されて困っている瞬間、突然良介(りょうすけ)が登場した。天音(あまね)はその姿を見てほんの一瞬『ヒーロー』みたいな感じを受ける。そう、ほんの一瞬・・・


高杉(たかすぎ)さん、やっぱ僕を助けにーー」


白石(しらいし)が早く運びたくて前もって靴を用意したんだろう」


「ん?」


 良介(りょうすけ)の言うことに天音(あまね)がわけがわからないのように首をかしげる。そういう彼とは違って、横で一緒に聞いていた(かなで)は意味深な笑いをする。


「そうだったの、白石(しらいし)くんごめん、あたしははっきり逃げると思って」


「おい、(かなで)、そんなわけないだろ。だよな、白石(しらいし)


「ん? 待って、僕一体どういうことかーー」


「大丈夫、大丈夫、早く行こう」


 良介(りょうすけ)が戸惑っている天音(あまね)の腕を掴んでシンセサイザーケースがあるところに引っ張って行く。


「やっぱ、君ら仲良いじゃん!」


「いやいや、白石(しらいし)あいつとはただの知り合いだけだ。あんなやつと仲良いだって結構傷かも」


「まさか今の状況は全部君らの意図じゃーー」


「あ、そりゃねぇから安心して、ただの偶然だ」


 良介(りょうすけ)天音(あまね)ににっこり笑う。天音(あまね)は彼の笑顔が非常に疑わしかったが、これ以上聞いても無駄だと思って聞くのを諦める。


「じゃあ、君はここでケースを持って、俺が前を持つから。俺が『せーの』て言ったらその時、持てばいい、わかった?」


「ん? あ・・・わかった」


 良介(りょうすけ)天音(あまね)を後ろに立たせて彼は前の部分に立つ。天音(あまね)はまだ自分が何でここにいるのか混乱している。天音(あまね)がどこから間違ったんだろうと思っていた瞬間、前の良介(りょうすけ)から『せ〜の』と言うのが聞こえて天音(あまね)は思わず反射的にケースの両端を取って持ち上げる。


「よし〜、このまま行こうぜ」


 良介(りょうすけ)が前で先に動き出す。そうしたらその後を天音(あまね)がついて行く。こんな風に彼らは少しつづ学校を出て部室がある方角に持って行く。


「大丈夫? 大変じゃねぇ?」


 (かなで)天音(あまね)の隣をついて行きながら彼に聞いた。天音(あまね)は答えの代わりに首を横に振る、すると(かなで)は笑う。多分(かなで)は冗談だと思ったようだが、天音(あまね)は本気だった。(かなで)はあれ以外にも何度も声をかけたが、天音(あまね)は大変で応えできなかった。そんな中、(かなで)の手にあるカバン一つが持っているのが見えて天音(あまね)は息を切らして問いかける。


「はぁはぁ、その、そのカバンは何だ」


「これ? ピアノの横にあったの。中身はふぅ〜む」


 (かなで)も中身を知らないのか天音(あまね)の問いにカバンを開けてみる。


「あ、これあれだね。その・・・待って、これ何と言うたっけ、ロープみたいものなんだけど」


「ロープみたいなもの?」


 (かなで)はよく思い出せなくて目を瞑って何と呟く。


「ロープみたいなもの、ローピみたいなもの・・・あ! 思い出した、ケーブル、ケーブルが入ってるよ」


「ケーブル? ケースと別に入れたのか」


「おい! もう部室だ。(かなで)! ドア開けておいておけ」


 良介(りょうすけ)の言うことに天音(あまね)(かなで)が前を見たら本当に部室が見える。(かなで)が先に駆けつけてドアを開ける。そしてしばらく後、天音(あまね)良介(りょうすけ)がその彼女が開けておいたドアから部室に入ってくる。彼らは入ってすぐシンセサイザーを床に置く。


「はぁはぁ、ほんとに死ぬかと思った」


 天音(あまね)はシンセサイザーを置いてすぐ床に寝べる。そんな彼とは違って良介(りょうすけ)はぴちぴちしている。


白石(しらいし)くん、お疲れー」


「おい、おれは?」


「おめぇはもっと働け」


「てめぇは何もしてないくせに」


「ふぅ〜む」


 良介(りょうすけ)の言葉に(かなで)がにっこり笑う。そういう(かなで)の姿を見て天音(あまね)は昨日音楽室での(かなで)が浮かぶ。


「ほぉーんとにぃ?」


「は?」


「ほぉーんとにあたしが何もしなかったと思うのぉー?」


「てめぇ一体何が言いたいんだ」


 しかし昨日の天音(あまね)とは違って、良介(りょうすけ)はこういう(かなで)に慣れているのか泰然と対応している。むしろ彼の反応に(かなで)の方がもっとあわてて見える。それでも彼女は諦めずに話を続ける。


「あぁーれ? そういえばケーブルは? ケーブルはどこにあるの」


 (かなで)は自分がケーブルを持ってきたのを見せるたまの言葉だった。多分そうして彼に一杯食わすつもりに見える。その証拠として(かなで)の口元には笑みが浮かれている。


「ふぅ〜む、おかしいね、まさか本校にーー」


「いや、てめぇが持ってきただろ」


「・・・え?」


 一瞬部室に沈黙が流れる。思わぬ良介(りょうすけ)の言葉に(かなで)はあわててその場に固まる。しばらく後、(かなで)が沈黙を破り、いつもより小さい声で言う。


「もし知ってた?」


「そりゃもちろん」


「一体どうやって」


「てめぇは自分の声が大きいのを自覚する必要がある。後ろでやかましく騒いでるのに、しらねーと思ったんか」


「そうだっだの」


 (かなで)がばつが悪そうに頭を掻く。これを横で黙って見守っていた天音(あまね)は何かが浮かんで良介(りょうすけ)を呼ぶ。


高杉(たかすぎ)さん、僕からも一つ聞いてもいい?」


「ん? 白石(しらいし),君まで」


 良介(りょうすけ)天音(あまね)もさっき(かなで)みたいに下心があるのではないかと思って彼を警戒する。しかし天音(あまね)の下心などないような純粋な目つきに良介(りょうすけ)は結局天音(あまね)が問うのを許可する。


「いいよ。聞いてみて、何がそんなにきになるんだ」


「それが・・・・ここにスピーカーはどこへあるの」


「スピー・・・あ」


 『スピーカー』という単語に良介(りょうすけ)はその場で固まる。そういう彼の反応に天音(あまね)はもちろん、(かなで)まで彼の答えを静かに待つ。このようにしばらく後、良介(りょうすけ)が呆然自失のように笑い出す。


「はは・・・ははは、はぁ・・・ごめん忘れちゃった」

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