躍動
————歌が、聞こえる。
幼い頃、私は病弱の身で、外で遊ぶことなんてできなかった。
両親が語るおとぎ話だけが私の知ることができる外の世界の全てだった。
私にとって外の世界の話は、眉唾もので、何一つしっくりこなかった。
動物の愛らしさなんて判らない。
海の臭いなんて判らない。
森の深さなんて判らない。
花畑の美しさなんて判らない。
判らないことは、私を不快にした。
写真やテレビを通しても、判らないものは判らない。
おとぎ話を嫌がるようになるのは時間の問題だった。
家での遊び相手は、いつもガラクタの山。山を崩しては、積み直し、また崩した。
ガラクタ一つをバラバラにするだけでも笑いがこみ上げた。
それを元通りにするのも面白くて、また楽しめた。
ガラクタの破片で痛みを知った。
まるで言うことを聞かず、怒りを覚えた。
思いもしない姿を見せて、感動を教えてくれた。
箱庭の生活で、ガラクタは私にとってかけがえのない存在だった。
私に外の世界なんて必要ない。
家で待っていれば、両親が新しいガラクタを持って帰ってくれる。
それだけで私は満足していた。
ある日、隣の家に新しい住人たちが越してきた。
仲の良さそうな夫婦とその子供が挨拶に来た。同い年の男の子。
初めての友達だったが、やはりよく判らなくて、上手く喋れなかった。
判らないことは、私を不快にする。男の子のことを避けるようになった。
どうせ私は家の外には出ない。外の男の子と関わることはないだろう。
しかし、男の子は私の目論見をひっくり返した。
ある日は、一緒にアニメを見ようと誘いに来た。眠いと言って断った。
ある日は、捕まえた昆虫を見せびらかしてきた。ガラクタみたく引きちぎったら泣かれた。
ある日は、我が家にお呼ばれされて夕食の席を共にした。スポーツの話が煩かった。
気がつけば平気で家に上がりこむようになり、ガラクタで遊ぶ私の隣に腰を降ろしていた。
「ねー、それ楽しい?」
批判しているわけではない。純粋な疑問を私に投げかけていた。
そんな判り切っていることを聞いてくるなんて馬鹿だな、と思った。
「楽しいよ」
「ほんとー?」
「本当だよ」
「ボクも触っていい?」
思わず、振り向いた。男の子の顔はわくわくと好奇心を抑えきれていない。
その表情には惹かれるものがあった。
もしかしたらガラクタで遊ぶ私は、同じ表情をしているのではないか。
「いいよ」
「やった」
一緒にガラクタで遊ぶのは、不思議と不快ではなかった。
その日を境に、男の子とガラクタで遊ぶのが日常になった。
「リトス―。イセキって知ってるー?」
「知ってるよ、アキヒメ。ガラクタが沢山ある場所だ」
「おじさんたちがガラクタを持ち帰ってくるのはイセキに行ってるからー?」
「そうだよ、アキヒメ。お父さんたちはレリックハンターなんだ」
「それアニメで観た! らはとの力を使って冒険するんだ! すごい!」
冒険。苦手なおとぎ話の一つだ。判らないことは、私を不快にする。
男の子は本当に判っているのだろうか。気持ち悪くないのだろうか。
「アキヒメは冒険したことあるの?」
「あるよ! あ、でも、らはとは使えないよ。らはとは大きくなってからだって」
「ふーん…………」
「リトスは冒険したことないの?」
「ないよ。私、家から出ないから」
「じゃあ、一緒に冒険へ行かない?」
思わぬ提案に思考が固まった。自分から外に出かけるなんて考えたこともない。
私に外の世界なんて必要ない。
ガラクタがあれば、それでいい。
「行かないよ。理由がないから」
「えー。冒険すれば、ガラクタ手に入るかもしれないじゃんかー」
再び思考が固まる。
自分からガラクタを手に入れる。そんなことも考えたことがなかった。
両親はいつもガラクタを持ち帰ってくるわけじゃない。
もし、自分でガラクタを調達できたらそれは、なんと幸せなことだろう。
「…………なら行く」
「リトスってホントー、ゲンキンなヤツだなー。ところでゲンキンってなに?」
思い立ったら二人の行動は早かった。
カバンにお菓子と水筒を詰めこんで、玄関を飛び出した。
初めて自分から外に出たかもしれない。窓から流れるこむ風とは別の感触を覚えた。
からからの夏の空。虫の鳴き声が響き渡る。
慣れない日差しが目眩を呼ぶ。必死に耐える。ガラクタが手に入るなら我慢する。
「どこへ行くの?」
「森へ行こう! あそこならイセキがあるかもしれない! いっくぞー!」
男の子が駆け出した。
私に走る体力はない。離れていく背中を必死に追いかけた。
初めて見る森は、なんと言うか、緑だった。
新鮮な青臭さが充満しており、蒸し暑い。より目眩を煽った。
男の子はそこらへんで拾った枝切れをぶんぶんと振り回している。
「ホクトーにれりっくのハンノーあり! はんてぃんぐすたーと!」
「それ、アニメのセリフ?」
「はんたーリトス、ここから先はでっどぞーんだ。気を抜いたら、シぬぞ?」
「はいはい…………」
「ハイは一回!」
男の子が茂みをかき分けながら進んでいく。
私に冒険の勝手なんて判らない。大人しくついて行くしかない。
男の子は時々足を止めて、気が変わったかのように進む方向を切り替える。
それを必死に、息絶え絶えになって追いかける。喉がからからだ。水筒の水を飲む。
「ここでキューソクをとる! れーしょんを食べるぞ!」
「ただのビスケットでしょ、それ」
小腹が空いたのだろう。カバンからお菓子を取り出して齧りだす。
ようやくの休憩。息を整えることで頭が冷静になってきた。
今のところ、ただ歩き回っているだけでガラクタが手に入る様子はない。
不安になってくる。これはただの無駄足ではないか。
「ねぇ、アキヒメ。遺跡はどこにあるの?」
「んー、もっと奥?」
げんなりする。果たして私の体力は保つだろうか。
すると、男の子は思い出したかのように顔を上げた。
「でも、近くにいい場所があるよ!」
「いい場所? なにそれ」
「行けばわかるよ!」
残ったお菓子の欠片を平らげて、男の子は動き出した。どうやらそこへ向かうらしい。
短い休憩時間だった。汗を拭って、歩を進める。
さっきまで気まぐれの動きを見せていた男の子は、打って変わり目的の場所へ向かってぐんぐんと進んでいく。そのスピードを追いかけるので必死になる。
どのくらい進んだだろうか。延々と森の中へ潜っている。二人以外に人の気配はなく、虫の鳴き声と新鮮な緑の青臭さだけが生命の痕跡を教えてくれる。蒸し暑さが汗を溢れさせる。
ああ、なんて暑いのだろう。暑くて、とても苦しい。
「あっ」
腑に落ちる感触。
ああ、そうか。
これが、森が深いということなのか。
判ってしまえばなんてことない。
でも、特別面白いものでもない。むしろ新たな不快感を覚えた。
判らないことを理解することは、不快感を拭う手段ではないと知る。
だって、こんなにも青臭い。蒸し暑い。虫は多くて鬱陶しい。必死に茂みをかき分けたから服は泥だらけだ。
とても気持ちの良いものではない。
「帰りたい…………」
「リトスは情けないなー。あと、もう少しだぞー」
木々が乱立し森の奥は鬱蒼としていたが、それが歩を進めるごとに薄れてゆく。
明らかに木々が減っており、その隙間から夏の日差しが差しこんでくる。
視界が開けていく。どうやら森を抜けたようだ。
からからの夏の空。じりじりと肌を焼く。あまりの眩しさが目眩を呼ぶ。
視線を降ろして、必死に耐える。もう嫌だ。
「それでいい場所って、なに」
「なんだよー。見えないのかー?」
そう言われて、降ろしていた視線を上げる。
そこは広大な平原————いや、違う。見渡す限り、鮮やかな色で彩られている。
からからの夏の青。
瑞々しく伸びる緑。
そして、太陽のように輝く一面の黄色。
圧巻の光景だ。開いた口が塞がらない。
これは、なんだ。これは、知らない。これは、判らない。
なんだ。この湧き上がってくるものは。
これは、なんだ。
「なに、これ」
「ひまわりだよ。すごいよなー」
「すごい…………?」
この湧き上がるものは、すごい、と言うのか。
胸の奥がばくんばくんと音を立てている。
————歌が、聞こえる。
その理由は明らかに眼前に広がる光景だというのに、目を離すことができない。
頭の中では、混乱が続いている。
これは、なんだ。
「ひまわりって、花?」
「そうだよ。知らないの?」
「初めて見た。花って綺麗なものじゃないの?」
「えっ。キレイじゃんか」
「これは、すごい、じゃないの?」
「だから、すごい、キレイじゃん」
すごい、綺麗。
そうか。これが花の美しさなのか。私は今、この美しさに感動しているのだ。
これは、判らない。判らないはずだ。これは、自分で体感しなければ理解できない。
知らなかった。私は知らなかった。
花がこんなに、すごいものだったなんて。
知らなかった。私は知らなかった。
外の世界にこんな光景が広がってるだなんて。
「冒険に来て、よかったでしょ?」
「えっ?」
「外へ冒険に来たから、こんなすごくキレイなものが見られたんだよ」
冒険。苦手なおとぎ話。その実態はこんな感動を呼び起こすものだったのか。
ちょっと待て。
お父さんたちはいつもこんな思いをしてガラクタを集めているのか。
ずるい。
ずるい、ずるい、ずるい。
どうして、こんなにすごいことだって教えてくれなかったの。
————いや、違う。
知ろうとしなかったのは私だ。両親はずっと教えてくれていたのに。
「だがな、はんたーリトス。忘れてはいけない。このけしきはあのまの森をとっぱしたから見ることができたんだ。イヤなことがあれば、イイこともある。あきらめないココロがあれば、きみはもっとすごいものを見ることができるだろう」
「嫌なことがあれば————良いこともある。諦めない心があれば、もっとすごい————」
息を呑む。
水筒の口を開ける。水はまだなみなみとあった。
そのままかざして、その中身を頭上に振りかけた。
————冷たい。目眩のあった意識がクリアになっていく。
男の子はその様子をきょとんと見ていた。
「帰る」
「えっ」
「やることができた」
「ガラクタは探しにいかないの?」
「それはまた今度にする」
そのまま踵を返した。
男の子と別れて、泥だらけの姿のまま本棚から新品の絵本を引き抜き、床に広げる。
一ページ、一ページ慎重に読み解いていく。
一冊目は、赤い服を着た老人の物語だった。
高速移動のラハト能力を使いこなすとはすごいトナカイだ。それに宙を滑る雪車とはどんなガラクタなのだろう。お父さんは知っているだろうか。
二冊目は、ガラスの靴を巡る物語。
ボロ服からドレスに変身できるなんて驚くべき光学迷彩だ。しかし、馬車に変形するかぼちゃとはどういうことか。足のサイズで認証するシステムは効率が悪い。この為政者は顔認証システムを普及させたほうが良いと思う。
三冊目は、果実から生まれた生体兵器の物語。
まるで倫理観がない人型生体兵器だ。薬物を潜ませた食料で戦力を現地調達している。敵も皆殺しだ。最後には巨万の富を得ている。この生体兵器を放っておくのは危険だ。老夫婦は責任を取るべきである。
全ての絵本を読み終える。
正直、その内容は相変わらず眉唾ものだ。現実味がない。
でも、今まで抱いていた不快感はない。
あのひまわり畑が瞼の裏に焼きついている。
これらのおとぎ話が本当でなくとも外の世界にはあの光景のような感動が他にもあるはずだ。
この箱庭の世界からは到底届かない別世界があるはずだ。
————行ってみたい。
両親が仕事から帰ってきた。
そして、泥だらけの姿のまま両親を捕まえて責め立てた。
私は必死だった。
「外のこと全部教えて! 全部!」
引きこもりだった娘が外に興味を持ったことが嬉しかったのだろう。両親は喜んで応えてくれた。
夕食をぱくつきながら、話を聞いた。
持っていた絵本にはないおとぎ話。
お父さんたちの物語。
お父さんたちが見た景色。
これも眉唾ものだった。しかし、胸の内にあるのは不快感ではない。ばくんばくんと胸を打つ。
この目で見なければ到底信じられないが、やっぱりあるんだ。
あの感動は、他にもあるんだ。
とりあえず、次の休みに海と動物園に連れて行ってもらうことになった。
あと、正直、お父さんがお母さんを口説き落とす話はあまり面白くなかった。
なんだよ、吊り橋効果って。お母さんも苦笑いだ。
————歌が、聞こえる。
それからの私は、精力的に外の世界と関わるようになった。
絵本以外の難しい本ももっと読むようになった。
テレビはどんな番組も欠かさず見るようになった。
お母さんに連れられて、スーパーマーケットへ通うようになった。
男の子とささやかな冒険をするようになった。
最初は苦しかった息が、どんどん楽になっていった。
毎日、外の話をせがむようになった。それがご飯のおかずになった。
ガラクタを見る目が変わった。これがどこから来たのか気になった。
「お父さん、お母さん。私、レリックハンターになる」
なりたい、ではなかった。私の中でそれは確定事項だった。
あのひまわり畑が瞼の裏に焼きついて、離れない。
あの光景以外にどんなものがあるだろう。それはどこにあるだろう。
お父さんたちだけがそれを知っている。
いつも私の知らない場所の話をする。それがとても我慢ならなかった。
ずるい、ずるい、ずるい。
行ってみたい。行ってみたい。私も行ってみたい。
せっかくならお父さんたちも知らない、羨ましいと思われるような場所へ行ってみたい。
「お父さんも知らない場所って、どこ?」
「そうだなぁ。お父さんも知らないことは多いけれど…………空には行ったことないな。なんでも雲の中に隠れた遺跡があるって話だよ」
「違うよ。本で読んだ。それは誰かが行ったことがある話でしょ。誰も知らない場所だよ」
「えぇ…………リトスは厳しいな。うーん、そうだなぁ。もっと上、とか」
「上? 宇宙のこと?」
「そうだよ。お月さまやお星さまがあるところだよ」
「お月さまって行けるの?」
「いや、リトスがお父さんの知らないことって言ったんじゃないか。知らないよ」
「じゃあ、私が行くよ」
窓の外を覗く。闇の中に浮かぶ、磨かれた銀貨。
行く先は決まった。あとはただそこへ進んでいくだけ。
「私は、月へ行く」
————歌が、聞こえる。
それからは怒涛の日々だった。
がんばって勉強した。図書館の本は全部読んだ。自分の本棚は溢れた。
ガラクタをいじくった。勉強のおかげで仕組みが判るようになった。
身体を鍛えた。町を何周も走れるようになった。誰も私に追いつけない。
飛び級で大学に入った。知りたいことはみんな全部飲みこんだ。
ガラクタの仕組みでお金が稼げるようになった。両親よりお金持ちになった。
大人顔負けのラハト使いになった。私にできないことはない。
両親に師匠を紹介してもらった。教えは厳しかった。諦めなかった。
一緒に色んな冒険へ旅立った。
美しい景色を見た。息を呑んだ。
厳しい世界を知った。心折れないように食いしばった。
闇の深さを覗いた。飲みこまれそうになった。
宝石を拾った。師匠から私に相応しい石だと言われた。
宝石を掲げた。その向こうは空の果て。磨かれた銀の月。
————歌が、聞こえる。
身体が血溜まりに沈んでいる。
————ああ、やっぱりか。
身体は石のように重い。指一本動かない。
視界は暗い。まるで血溜まりという闇に溺れているみたいだ。
————私、死んだんだ。
走馬灯なんて本当に見るんだ。死んでみないと判らないものだ。
————こんなの、嫌だな。
死にたくなんてなかった。もうどこへも行けない。悔しい。
————歌が、聞こえる。
身体に熱があることに気づく。
おかしな話だ。あんなに血を流したのに、死んだ身体は冷たくない。
視界が暗いのは、瞼が固く閉ざされているからだと気づく。
瞼の裏に焼きついたはずのひまわりは見えない。
遠くに光があることに気づく。
閉ざされた瞼ですら捉えることができる光なのに、とても優しい。
この光は————歌、か…………?
————歌が、聞こえる。
聞いたことのない歌だった。言語も判らない。
意味は判らないのに、それでも不思議と心に染み渡る歌だ。
それはまるで、誰かを悼む鎮魂歌のようだ。
————旅立った者は二度と戻らない。悲しみの音色。
それはまるで、傷つくことを知らない眩い宣誓のようだ。
————疑うことを知らない。無垢なる歌。
それはまるで、正義を掲げる凱旋歌のようだ。
————夜明けの太陽は己のために上がると傲慢に謳う。
それはまるで、不自由を呪う呪詛のようだ。
————この世の全ては醜い。世界はこの身を引き裂く嵐。
それはまるで、感謝をささやく祈りのようだ。
————この温もりに嘘なんかない。希望の歌。
運命を告げる鐘の音を聞いた。
————私を呼んでいる。
この清廉なる鐘の音が、熱く速く響く。嘘偽りのない真実。
————私を必要としている。
行かなければ。
彼女が待っている。
石の身体にヒビが走る。これは殻だ。私を死に閉じこめる死神の殻。
このまま血溜まりに溺れるわけにはいかない。私は行かなければならない。
動かないはずの指を動かす。動かないなら無理やり動かせばいい。さっきもやったじゃないか。
癒着した殻が剥がれていく。剥がれるたびに激痛が走る。死神の手が伸びる。待てと叫ぶ。
————あああああぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁ‼
こんな痛みで折れるわけにはいかない。歌声が私を呼んでいる。
死神の手が皮膚を引き裂いていく。ばりばり、ばりばり。
構うものか。人皮なんてくれてやれ。あの世で流行るカバンでも作ればいい。
血溜まりの中。ばちゃばちゃ。もがくもがく。血塗られた手を伸ばす。歌声には届かない。
まるであの銀貨のようだ。空の果て。宝石を掲げた先。未踏の地。
————舐あああぁぁぁめぇぇぇるぅぅぅなぁぁぁぁぁぁ‼
絶対に行くんだ。私はあそこへ辿り着く。歌声へ手を伸ばす。まだ掴めない。
これが邪魔だ。顔に癒着した殻に手をつける。苦痛で悲鳴が漏れる。
瞼ごと死神の手を剥ぎ取った。もう視界を遮るものはない。
初めて歌声を捉えることができた。これで手が届く。空の果てだろうと関係ない。
————とぉぉぉどぉぉぉけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼
手を伸ばす。空の果て。手が届く。
離さない。そうだ。絶対に。
この歌は、私だけのもの。譲れない。この想いは。
歌声の光が、意識を飲みこんだ。