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聖女物語  作者: 野ウサギ座
Chapter2 東の大陸
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第59話

 バベルのフロアにて、四柱帝ラファエル配下のクリーチャー、アエロ、オキュペテ、ケライノーと交戦をしているアルディア達。

 ザフィーアの活躍により、アエロを撃破。そして、エスメラルダの働きにより、復活したアルディアとルービィが、それぞれオキュペテとケライノーと交戦をはじめた。

 オキュペテと戦っていたアルディアだが、上部へ逃げるオキュペテを追った後、突如レイビットを下へと放つ。そしてその後、続けてルービィと交戦をしていたケライノーに向かってリヒトゾイレを発動。リヒトゾイレの光はケライノーの身体を包むのであった。


 ――――バベル内部

 ケライノーに向かって放たれた、アルディアのリヒトゾイレ。

 リヒトゾイレの光が消えると、ケライノーの居た場所のフロア面の氷はリヒトゾイレと同サイズの円形に、氷が溶けてなくなっていた。

 そして、その場所にはケライノーの姿はなく、ただ、黄色く光る石が転がっていただけであった。

「ケライノー……」

 消滅したケライノーの姿を見て、言葉を漏らすオキュペテ。

 一方アルディアはというと、そのまま上部から落下。落下の影響でワンピースのスカートが翻り、かぼちゃパンツが丸見えの状態になっていたが気にする素振りを見せることはなく、そのままフロアに着地。フロアに着地をすると、足を屈んだ状態で少しの間硬直していた。そして、

「いっっっったぁーーーーーい!」

 と叫ぶと同時に、顔を上に上げ、立ち上がったのであった。

「アル!」

 そんなアルディアに声をかけ、近寄るルービィ。

「あ、ルーちゃん」

 自身に近寄るルービィに気づくと、そちらを見てそう言うアルディア。

 そして続けて、

「オーバードライブで身体強化しているとはいえ、流石にあの高さから落ちたら痛いね……」

 と、苦笑いをしながらルービィにそう言った。

「アル、大丈夫?」

 アルディアの様子を見て、そう尋ねるルービィ。

 アルディアは足を片足ずつ何回か上げると、

「うん。骨は折れてなさそう」

 と、答えた。

「そっか、よかった……」

 アルディアの答えにホッとした様子を見せるルービィ。

 そして続けて、

「それにしても、突然アルの操ってた光の玉が落ちてきたときはビックリしたよ」

 とアルディアに言った。

「ごめんね。ルーちゃんにリヒトゾイレ当てないようにするために、距離を取ってもらおうと思って……」

 アルディアはそういうと、ルービィに軽く謝った。

「いいよいいよ。怒ってるわけじゃないから」

 ルービィはそういうと、軽快に笑って返すのであった。


「おのれ、おのれおのれ! アエロだけでなく、ケライノーまで!」

 激昂したオキュペテは、そう叫ぶとアルディアに向かって飛び掛かる。

 オキュペテの叫び声にハッとし振り返ったアルディア。自身に飛んで接近してくるオキュペテを見ると、両手で銀のロッドを構え、オキュペテの爪蹴りを受け止めた。

 全長30㎝のロッドは決して長さがあるわけではないものの、今回は上手くロッド本体部分で受け止める事が出来た。

 激昂しているオキュペテは、アルディアに向けて仕掛けた爪蹴りが銀のロッドで受け止められながらも、そのまま足に力を入れ、アルディアを押そうとしていた。

 これに対し、アルディアも銀のロッドを持つ両手に力を入れ、オキュペテを押し返そうとする。オーバードライブ状態のため、力ではアルディアの方が勝っている筈ではあるが、怒りに身を任せたオキュペテの力は想像よりも強力なもので、双方拮抗している状態から動きがない状態であった。

 すると、そんな状態のオキュペテの側方からルービィがオキュペテの右頬を火炎拳で殴る。

 無防備な状態からの攻撃を受けたオキュペテは、右頬を炎で燃やしながらそのまま吹き飛ばされた。

 だが、オキュペテは吹き飛ばされながらも態勢を立て直し、そのまま上部へ飛行。怒りと火炎拳のダメージで息を上げながらも、フロアに立っているアルディア達をギロリと睨みつけた。

「ふー……、ふー……。許さないわよ、貴女たち!」

 上部からアルディア達を睨みつけながら、怒りを滲ませながらそう言い放つオキュペテ。

「ラファエル様の側近である私たちがここまでの醜態を晒すなんて……。このままではラファエル様に顔向けできない!」

「じゃあ、どうするの?」

 怒りを滲ませるオキュペテに、軽く首を傾げながらそう返すアルディア。

「無論、このままで済ませるわけがない! 貴女たちの身体を引き裂き、首を天空宮へと持ち帰ってやる! 覚悟なさい!!」

 オキュペテはそう言うと、両翼の翼を広げ、魔力を溜め始める。

 そんなオキュペテの姿を見て、アルディアは銀のロッドを右手に持ち直しレイビットを作成。ルービィは両手の拳に炎を纏わせ、戦闘態勢へと入った。

 双方、戦闘態勢に入り、再びぶつかろうとしていた。その時である。

『我が塔で暴れているのは何者だ?』

 突如、塔内に声が響く。

 声はアルディア達の誰かのものでもなければ、オキュペテの声とも異なる。現在フロア内に居る者のものではなかった。

「何者だ!?」

 オキュペテはそう言うと、辺りを見渡す。

 アルディア達も無言のまま、辺りを見渡した。

 すると、オキュペテ達が最初に放ったトリニティによって開けられた穴から、壁を突き破り巨大な生物が塔内へ乱入。姿を現した。

 その巨大な生物が塔内へ乱入したことで、塔の階段や上層のフロア床面が崩れ落ちてくる。

 崩れ落ちる階段や床面を、オキュペテは飛び回りながら回避をする。そして、ルービィも落ちてくる階段を、火炎拳でいなしながら対処していた。

 一方、ザフィーアの回復をしていたエスメラルダは、崩れ落ちる階段やフロア床面を見て、

「嘘でしょ……」

 と、上部を見ながら口にした。

 エスメラルダは動けないままその様子を見ていると、フロア床面の、その中でもとりわけ大きな塊の鉄板がエスメラルダの上部に落ちてくる。

「え、いや、嘘!?」

 落ちてくる鉄板を見て、慌てふためくエスメラルダ。

 すると、突然エスメラルダとザフィーアを何者かが強い力で引っ張る。エスメラルダ達はその何者かに引っ張られたお陰で、間一髪、落ちてくる鉄板を回避。無傷で済んだ。

「ふー、助かったよ、アル……」

 エスメラルダは自身を引っ張った主の正体、アルディアにそうお礼を言う。

「大丈夫だった? エスメ君」

 アルディアは軽く首を傾げながらエスメラルダに尋ねる。

「お陰様でね」

 エスメラルダは軽く笑いながらアルディアにそう答えた。

「しかし、一体何が起きたんだろう……?」

 エスメラルダはそう言うと、改めて塔内の上を見る。

 エスメラルダが上を見ると、アルディアもエスメラルダと同じ方向へ視線を向けた。

 すると、アルディア達の視線の先には、今までこの場にいなかった一体の巨大な龍の姿があった。

 エメラルドグリーンの身体を持つその龍は、身体に対し小さな足、そして胴体に匹敵するほど巨大なオパールグリーンの鳥の羽のような翼を両腕から生やしているその姿から、ただの龍ではないことは直ぐに理解できた。

 一方、そのエメラルドグリーンの龍と対峙していたのは、オキュペテであった。オキュペテはエメラルドグリーンの龍を見ると、

「エメラルド……ドラゴン……」

 と、呟いた。

「「「エメラルドドラゴン!?」」」

 オキュペテの言葉に、思わず反応するアルディア、エスメラルダ、ルービィ。

 だが、エメラルドドラゴンと呼ばれたその龍は、アルディア達に気に留めることなく、オキュペテに問いかけた。

「貴様、何者だ? 我が塔に住まうクリーチャーではないな」

「フッ、私は四柱帝ラファエル様配下のクリーチャー、オキュペテ。そこらの野良クリーチャーと一緒にしないでもらおうか!」

 エメラルドドラゴンの問いかけに、虚勢を張りながらそう返すオキュペテ。

 オキュペテの答えを聞くと、

「四柱帝……、成る程な」

 と、目を細め納得するエメラルドドラゴン。

 そして、再び目を見開き、オキュペテを睨みつけると、

「ならば、消しても問題はないな」

 そう言うと、口に電撃の魔法を溜め、そのまま電撃のブレスとしてオキュペテに向けて口から魔法を放つエメラルドドラゴン。

 突然襲いかかる電撃ブレスの魔法に、反応することが出来ずただ空中で立ち尽くすだけのオキュペテ。当然防御も回避もすることもできず、オキュペテはエメラルドドラゴンの電撃に飲まれてしまった。

 オキュペテに向かって放たれた電撃ブレスの魔法は、そのまま塔の壁面を破壊し貫通。電撃が晴れると、さっきまでその場に居たオキュペテの姿はなく、塔の壁面も大きく穴が開き、そこから青空が姿を覗かせていた。

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