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聖女物語  作者: 野ウサギ座
Chapter2 東の大陸
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第50話

「「「バベル?」」」

 天空宮への行き方の手がかりとなる場所として、ザフィーアから出た単語『バベル』。初めて聞く単語に、アルディア、エスメラルダ、ルービィの3者は首を傾げた。

「バベルって……何?」

 アルディアはザフィーアに尋ねる。

「今からそれを説明する」

 ザフィーアはそう言うと、前に出した本を開き、説明を始めた。

「この本に記載されている内容は、東の大陸エリアに存在する三神龍『エメラルドドラゴン』について記載されている」

「エメラルドドラゴン? 三神龍ってことはサファイアドラゴンと同じ存在?」

「そうだ。アルが言った通り、サファイアドラゴンと同列の存在だ。サファイアドラゴンが聖石サファイアを管理していたように、エメラルドドラゴンも聖石『大空おおぞらのエメラルド』を管理しているらしい」

「へぇ~」

 ザフィーアの説明に、そう反応するアルディア。

 ザフィーアは、そのまま説明を続けた。

「このエメラルドドラゴン、管理する聖石が『大空のエメラルド』というだけあって、どうやら空を司る神龍らしい」

「サファイアドラゴンが海を司る神龍だったみたいな感じ?」

 エスメラルダはザフィーアに尋ねる。

「そう、エスメの言う通りだ。サファイアドラゴンが海を司る神龍で、我々に海中で活動できる力を与えてくれたお陰で海底城へ行けた。可能性ではあるが、エメラルドドラゴンが空を司る神龍であれば、地上からは行けない天空宮へ行く術も与えてもらえるかもしれない」

「成る程」

 ザフィーアの説明に、アルディアはそう返した。

 一方、エスメラルダは

「でも、あくまで可能性だよね~」

 と、ザフィーアにそう言った。

「まぁ、確かに可能性ではあるな」

 エスメラルダの言葉に、ザフィーアは肯定するように返した。

「でも、それしか手がかりないんだよね? じゃあそのエメラルドドラゴンに賭けるしかないんじゃない?」

「まぁ、ルーの言うとおりかな」

 ルービィの言葉に、エスメラルダはそのように反応をした。

 そしてザフィーアも、

「そうだな。他に天空宮へ行くための手がかりがない以上、エメラルドドラゴンに賭けるしかないと私も思う」

 と、話した。

 そして続けて、

「そのエメラルドドラゴンだが、先に話をしたバベルを居城としているらしい」

 と、バベルについて触れた。

「成る程。だから天空宮への手がかりが、エメラルドドラゴンの居城のバベルってことね」

 ザフィーアの話に、エスメラルダはそう答えた。

 だが、続けて

「でもさ、本当にそこに居るの?」

 とザフィーアに尋ねた。

「そこは断定できないな」

 ザフィーアはエスメラルダにそう返した。

「もしかしたら、無駄骨になって終わるかもしれない」

「そーだよねー」

 ザフィーアの言葉に、エスメラルダはそう返した。

 そして続けて、

「それにさ、万が一エメラルドドラゴンが居たとしても、協力してもらえるかわからないよね」

 とザフィーアにそう言った。

 だが、ザフィーアは

「その点については、全く手がないわけではない」

 とエスメラルダに返した。

「こちらには、アルの持っている聖石サファイアがある。同じ三神龍であるサファイアドラゴンに認められている証拠があれば、エメラルドドラゴンからの協力を得られる可能性はある」

「確かに、可能性はなくはないけど、あくまでも可能性だよねぇ」

 ザフィーアの話した理由を聞くものの、どことなく懐疑的なエスメラルダ。

 すると横から、

「まぁでもさ、他に手立てはないんだから、行ってみるしかないんじゃない?」

 と、ルービィがザフィーアとエスメラルダにそう言った。

「まぁ、それもそっか」

 ルービィの言葉に、エスメラルダはそう返した。

 そして、そんなエスメラルダの様子を見たザフィーアは、

「では、次の行き先は決まりだな」

 と、話をまとめるかのように、そう言った。

 すると、今度は横から

「あんた達、話はまとまったの?」

 と、マリンがアルディア達に声をかけた。

「マリンか。丁度今、行き先が決まったところだ」

 ザフィーアがマリンにそう返す。

「へぇ、次はどこ行くの?」

「バベルだ。だから小舟を1隻、貸切チャーターする必要がある」

「船ねぇ」

 ザフィーアの言葉にマリンは上を向き、少し考える。

 そして、

「1隻ならあたしが何とか手配してあげるわよ」

 とザフィーアに返した。

「本当か!?」

 ザフィーアはマリンに尋ねる。

「ええ。あたし、今町長代理だし、ちょーっとお願いすればいけるわよ!」

「そ、そうか……」

 マリンが町長代理という言葉を聞き、ザフィーアは苦笑いをしながらそう返した。

「(十中八九、強引に町長代理になったな……)」

「ん? どうかした?」

「いや、なんでもない……」

 マリンの問いかけに、少し慌てた様子でそう返すザフィーア。

 そんなザフィーアの様子を見たマリンは、

「……なんか失礼な事考えてないでしょうね?」

 と言った。

「ま、いいわ。で、あんたたち、いつ旅立つつもりなの?」

「そうだな。少し準備だけして、船さえ手配できれば3日後には旅立てればと思うが……」

「3日後ね。わかったわ」

 マリンはそういうと、右手の親指と人差し指で輪を作った。

 そして、

「じゃ、早速行ってくるわ」

 そう言うと、マリンは外へと出かけていった。

「マリンさん……」

「出かけちゃったね……」

 出かけていったマリンの後ろ姿を見て、アルディアとルービィはそう言う。

 一方、エスメラルダは

「大丈夫ですかね?」

 とザフィーアに尋ねた。

「まぁ、ああなった以上、任せるしかないだろう……」

 ザフィーアは一抹の不安を抱きながらも、エスメラルダにそう返した。


 ――――小一時間後

「ただいまー!」

 マリンは威勢のいい声でそういうと、家の戸を開ける。

「マリンさん、戻ってきたみたいだね」

 奥の部屋にまで聞こえたマリンの声を聞き、エスメラルダはそう言う。

 マリンはそのままザフィーア達のいる部屋にまでやって来ると、

「あんたたち、3日後に1隻、船をチャーターしたわよ!」

 と言った。

 それを聞いたザフィーアは、

「また無理を言ったんじゃないだろうな?」

 と、目を細めマリンに尋ねる。

「失礼ね! "丁寧にお願い"したわよ!」

 マリンはザフィーアにそう返す。

 強調された"丁寧にお願い"という言葉を聞いたザフィーアは、

「(強引に頼んだな……)」

 と、心の中でそう思った。

 だが、マリンはそんなザフィーアに見向きもせず、

「だからあんたたち、3日後に出発できるよう準備しなさい!」

 と、アルディア達にそう言った。

「わかりました」

「ありがとう、マリンさん!」

 アルディアとルービィはマリンにそう返す。

 一方、エスメラルダは、

「とりあえず、船は確保できた?」

 と、苦笑いをしながらザフィーアにそう問いかけた。

「まぁ、結果オーライと捉えよう……」

 ザフィーアは溜め息をつきながら、エスメラルダにそう答えた。


 ――――3日後

 早朝、準備を整えたアルディア達は、マリンと共にルベンの港へと足を運んだ。

 港には、マリンがチャーターした船の船頭がアルディア達を待っていた。

「おっちゃん! 今日はよろしくね」

 船頭を見かけると、マリンはそう言う。

「マリンさん……。乗せるのはその方達か?」

 船頭の男性はそう言うと、アルディア達の方を向く。

「そうよ! よろしくね!」

 マリンは船頭にそう答えた。

 そして、マリンがそう答えた後、

「この度はご協力いただき、ありがとうございます」

 ザフィーアは船頭にそう言うと、頭を下げる。

「ザフィーアさん。まぁ、マリンさんだし、な……」

 頭を下げるザフィーアに、船頭は何か言いたそうな感じで、そう返した。

 そんな船頭の言葉から何かを察したザフィーアは、

「本当に、ご迷惑をおかけして申し訳ありません」

 と、改めて頭を下げるのであった。

「ま、マリンさんの言動はいつものことだから、慣れっこさ。さ、乗りな」

 船頭はそう言うと、アルディア達を船の中へと案内した。

 アルディア達が船に乗ろうとすると、

「あんたたち、身体には気をつけるのよ」

 マリンはそう言うと、右手の親指を立てた。

「マリンさん、行ってきます!」

 アルディアは元気よくマリンに返すと、船へと乗り込んだのであった。

 そして、全員が乗り終えると、船はそのまま出港。北東の孤島にあるバベルへと向かうのであった。

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