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聖女物語  作者: 野ウサギ座
Chapter2 東の大陸
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第40話

 ディナの都にてハインと交戦して数日が経過した日。

 裏通りにて魔族の女性が殺害される事件が発生した。

 事件現場にて遺体を確認しつつ、役人に事情を聞いていたザフィーア、ルービィ、ディア。

 するとそこに別の役人が遺体が握っていた紙を持ってきた。

 持ってきた紙の中身を見た一同は、この事件の犯人が誰か、その場で判明したのであった・・・・・・。


 ――――ディナの屋敷・客間

 事件現場から屋敷の客間へと移動した一同。

 客間へ移動した後、改めて事件内容の整理をはじめた。

「さて、現場で確認した事を改めて整理しよう」

 ディアが一同にそう言う。

「そうですね。アルディアとエスメラルダは現場には入れていなかったので、二人の為にも」

 ザフィーアも続けて、そう言った。

 ディアとザフィーアがそう言うと、役人が改めて事件について説明をはじめた。

「では、改めて説明いたします。今回の被害者は裏通りで"春を売る"仕事をしていた魔族の女性です」

「春ッ……!」

 被害者の情報を聞くと、突然声をあげ、赤面をするエスメラルダ。

 そんなエスメラルダの様子を見たアルディアは、

「どうしたの? エスメ君」

 と声をかける。

「いや、なんでもない」

 エスメラルダはアルディアにそういうと、赤面しつつ顔をそらした。

 アルディアはそんなエスメラルダの様子に、

「ふーん……」

 と、少し不思議そうな表情を浮かべながらそう呟いた。

 そして、今度は役人に、

「ところで、"春を売る"お仕事って何ですか?」

 と尋ねた。

 するとエスメラルダが、

「アルは知らなくていいよ!!」

 と大声でそう言った。

 アルディアはそんなエスメラルダの反応に、理解できず首を傾げたのであった。

「では、続けます。被害女性の手にはこの手紙が握られておりました」

 役人はそう説明を続けると、手紙をアルディア達に差し出した。

 役人から差し出された手紙を見るアルディア達。

 手紙には、このように書かれていた。

紫犬しけんの月17日明朝、レビ平原にて待つ。

 冬雪の魔剣士、そして銀のロッドを持つ娘よ、待っているぞ』

「もしかして……ハインからの挑戦状?」

 手紙を読んだエスメラルダは、ザフィーアに尋ねる。

「十中八九、な」

 エスメラルダの問いかけに、ザフィーアはそう答えた。

「もしかして、僕たちにこの挑戦状を出すためにわざわざ女性魔族を殺したの?」

「ひどい……」

 エスメラルダの言葉に、思わず言葉を漏らすアルディア。

「内容を読む限り、動機はその線が濃厚でしょう」

 役人は、一同に向かいそう言った。

「ふざけた動機だね」

 ルービィは少し苛立った様子で、そう言った。

「だが、今回の事件の犯人は、ほぼハインで確定だろう。だが、問題はそのハインが宣戦布告をしてきている、という点だな」

 ザフィーアが今回の事件と、そして手紙の内容に関して整理をするように、そう言う。

「捕まえようにも、大々的な挑戦をしてきているわけだしね」

 ザフィーアの言葉に、そう言うエスメラルダ。

「隠れる様子もなさそうだから、迎え撃つ準備をすれば良いとは思うが……」

 今度はディアがそう言う。

「そうですね。ハインを迎え撃つ準備を直ぐにでもした方が良いでしょう」

 ディアの言葉に、ザフィーアはそう言う。

「ハインの指定してきた日は紫犬の月17日だけど……、今日って何日だっけ?」

「紫犬の月10日、ですね」

 エスメラルダの問いかけに、そう答える役人。

「7日後、か……」

 日付を聞いたディアが、そう呟いた。

「ハインは恐らく、先と同様、操った人族や魔族の軍団を率いてくるでしょうね」

「その点は、こちらも兵を出しましょう」

 ザフィーアの言葉に、そのように答えるディア。

「兵隊はディア様が用意してくれるとして……僕たちは全員参戦?」

「いや、そこは私とルービィだけで行こう」

 エスメラルダの問いかけに、そのように答えるザフィーア。

「あたしとザフィだけで行くの? アルのこと、指名してたのに」

 ザフィーアにそう尋ねるルービィ。

「確かに、アルの事を指しているような文章を書いてはいるな。だが、恐らくハインはアルの事を知らない筈だ」

「へ? なんで?」

 ザフィーアの言葉に、疑問を抱くルービィ。

「1つ、ハインは私の事も含め、名前ではなく所有物の特徴しか書いていない。多分奴は我々が四柱帝ガブリエルを倒した事は知っているが、我々の名前までは把握していない」

「あー、確かに」

「そしてもう1つ、先日ハインと接触した際、アルはエスメと共に早々に引かせた。だから奴はアルの顔は知らない」

「成る程」

 ザフィーアの説明に、ルービィはそのように返事をした。

 ルービィに根拠を説明すると、ザフィーアは続けて

「故に、戦場なんて場に、アルとエスメを連れて行く必要はない!」

 と言ったのであった。

「また留守番?」

「行かなくていいの?」

 ザフィーアの発言に、エスメラルダとアルディアはザフィーアにそう言う。

「失礼ながらザフィーア殿。アルディア殿はいなくても良いのですか?」

 ディアもザフィーアに、そう尋ねる。

 ザフィーアは、

「今回、必要なのは兵の数。ハイン相手なら個人の戦闘力については、そこまで重要ではないと思われます」

 とディアに答える。

 そして続けて、

「それに今回は相手がクリーチャーではなく、操られているとはいえ人族、魔族。血の通った相手との戦場に子供をつれていくわけにはいかないでしょう」

 と、ディアに答えた。

「成る程……。それはそうでしょうな」

 ザフィーアの回答に、ディアはそう言った。

 ディアに対し一通り話を終えると、ザフィーアは今度はアルディアとエスメラルダの方を向き、

「悪いが今回は待機しててくれ。ラファエルと戦う時になった際は、二人にも活躍してもらうから……」

 と伝えた。

 ザフィーアの言葉を聞いたアルディアとエスメラルダは、

「……うん」

「……わかったよ」

 と、答えたのであった。

「では、7日後のハインとの戦闘に向けて、兵の準備をしよう」

 ザフィーアがアルディアとエスメラルダに向けた話が終わると、ディアが一同に向かい、そう言う。

 ディアの言葉にザフィーアは、

「よろしくお願いします」

 と答えた。

 ディアは、

「承知した。ちなみに、当日の兵の指揮はザフィーア殿がされますか?」

 とザフィーアに尋ねる。

「いや、私はルービィと共に前線に出ようと思います。ですので、指揮はディア殿にお願いしたい」

 ザフィーアは、ディアにそのように答えた。

 ディアは、

「承知した」

 と、答えた。

「では7日後、レビ平原にてハインを迎え撃とう」

 ザフィーアがそう言うと、一同はその場で解散をしたのであった。

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