第13話
北の海岸にて水魔メリュジーヌと出会ったアルディア達。
メリュジーヌより、四柱帝ガブリエルの居城は海底にある海底城であることを聞いたものの、肝心の海底へ行く術がないことをエクレールより指摘。
メリュジーヌは海底に行く術がないか、一度、三神龍の一柱であるサファイアドラゴンに相談をすべく、海へと帰っていった。
一同は、カスティード宮殿にて、メリュジーヌからの回答を待つこととなった。
―――翌日
メリュジーヌからの回答を待っている間、普段通りの生活をすることとなった一同。
エスメラルダは、休憩がてら研究室から出て宮殿内を散歩していた。
すると、宮殿内の訓練場の前に足を近づけた際、丁度のタイミングで、訓練場よりザフィーアが出てきた。
「お疲れ様、ザフィーア」
ザフィーアの姿を見たエスメラルダはザフィーアに声をかける。
「ああ、エスメラルダか」
エスメラルダの声に気づいたザフィーアは、そう答える。
恐らく先ほどまで訓練をしていたのだろう。ザフィーアは少し息を切らした様子で答えていた。
「もしかして、訓練の最中だった?」
ザフィーアの様子を見たエスメラルダはそう尋ねる。
「いや、今から休憩だ」
ザフィーアは、息を整えながらそう答えた。
そして続けて、
「休憩がてら、少し散歩をしようと思う。ちょっと付き合ってもらっても良いか?」
とエスメラルダに尋ねた。
「いいよ。僕も休憩がてら散歩中だから」
エスメラルダは快く、ザフィーアの提案を受け入れたのであった。
―――カスティード宮殿内・通路
「いや~、しかしまさか、神話でしか聞いたことなかったサファイアドラゴンが実在するなんてねぇ」
エスメラルダは歩きながら、ザフィーアにそう言う。
「そうだな。半年前の四柱帝との遭遇といい、正直、ここに来て驚くことばかりだ」
ザフィーアもエスメラルダに同調するかのように、そう答える。
「しかしまぁ、こうなってくると、あの話も真実なんじゃないかなって思っちゃうけどね」
エスメラルダがザフィーアにそう言った直後であった。
「おーい、ザフィーアー! エスメラルダー!」
二人の前方で、ルービィが大きく手を振りながら、話しかけてきた。
「あ、ルービィ。お疲れ様」
エスメラルダはそう言うと、ザフィーアと共にルービィの所へ歩み寄る。
そして
「ルービィも休憩中?」
とルービィに尋ねた。
「アタシ? アタシはさっきまで腹ごしらえして、消化がてら散歩中だよ」
ルービィはお腹をポンポン、と叩きながら笑顔でそう答えた。
そんなルービィの様子に、二人はまたかと言わんばかりの呆れ顔を浮かべていた。
「まぁ……丁度僕らも休憩中だし、一緒に散歩するかい?」
「いいよー!」
エスメラルダの提案に二つ返事で答えるルービィ。
そして三人は再び、歩き始めたのであった。
「そーいえばアルディアは?」
三人で歩き始めて間もなく、ルービィは二人に尋ねる。
「アルディアは多分座学の最中なんじゃないかなぁ?」
エスメラルダはルービィにそう答える。
「アルディアも基礎は殆ど出来ているだろう? 毎日座学の時間を作らなくても良いと思うが……」
「まぁそう思うんだけどね。本人としてはまだまだ知りたい事が多いらしいよ?」
「成る程……」
エスメラルダの回答に、ザフィーアはそう答えた。
「ところでさ、さっき二人が話してた話ってなんだったの?」
突然話を変えるかのように、ルービィは別の話題を切り出した。
「ああ。いや大した事じゃないけどさ、なんか生の四柱帝やら三神龍が実在するって話を聞いちゃうとさ、意外に神話とかも嘘じゃないんだな、って話」
エスメラルダは軽く笑いながら、そう答えた。
「神話?」
ルービィは首を傾げながらエスメラルダに尋ねる。
「ああ、ごめん。ルービィはずっと一人だったから……」
エスメラルダは少しバツが悪そうに、そう言う。
「いいよー、アタシは気にしてないから。ところで神話って?」
ルービィは笑顔でそういいながら、改めて神話について尋ねた。
「そうだなー。色々あるけど、有名なのだとやっぱ『聖女物語』かなぁ?」
「聖女物語?」
「まぁ、一番有名なのはそれだろうな」
エスメラルダの出した、『聖女物語』というワードに疑問を抱くルービィ。
一方、ザフィーアは、エスメラルダの出した意見に肯定的な反応をした。
そして続けて、
「端的に説明すると、『世界に危機が訪れた時、聖女が現れ、世界を平和に導く』っていう話だ」
と、ルービィに説明をした。
ザフィーアより聖女物語の説明を受けたルービィは、
「へぇ~」
と反応をした。
「まぁまさに今のような時代のことだよねぇ~」
エスメラルダは少しため息交じりにそう言う。
「確かに、神話が事実であれば、聖女が四柱帝を倒し、世界を平和に導いてくれるかもしれないな」
ザフィーアも鼻で笑いながら、そう言う。
「そうなったら僕たちがわざわざ四柱帝と戦う必要はないよねぇ」
エスメラルダはハハハ、と軽く笑いながらそう言う。
「確かにな」
エスメラルダの言葉にザフィーアもまた、ハハハ、と軽く笑いながらそう言った。
すると、二人の会話に割って入るかのようにルービィが
「でもさ、そんな居るか居ないかよくわからないのに頼っても仕方ないんじゃない? アタシ達はアタシ達でやれることやらないと」
と二人に言った。
「まぁ確かに」
「その通りだよねぇ~」
ルービィの言葉に、ザフィーアとエスメラルダはそう返した。
そして、
「では、もう少し休憩したら、訓練にでも戻ろうか」
とザフィーアがそう言うと、
「そうだね~」
「アタシも腹ごなしにやるよー!」
エスメラルダ、ルービィも口々にそう言ったのであった。




