1.いきなり神様
毎週月曜日に更新予定で進めていきます。始めての小説投稿になります、アドバイス頂けますと励みになります。どうぞ、ゆっくりご覧になっていってください。
僕はこの世を去るところだ
それはあまりに唐突で
清々しすらあった
痛みもなく
あっという間に肉体を離れていたのだ
元々肉体に意識が阻まれることに抵抗感があったから
「自由になった」とさえ感じるほどに
......
夕ご飯の食材を買おうと歩き、交差点を渡ろうとしたら
止まりきれなかった車が僕の体を後ろから吹っ飛ばした
そのまま僕は縁石に頭をぶつけ意識がなくなり
気がつけば自分の肉体を上から見下ろしていた
すでに魂の状態になっていたのだ
「まぁ、地球で生きていても面倒なこと多いし、これはこれでいいや。とっととあの世を見物に行くか♫」
と呑気に考えていたら、すぐさま神様と会うことになる
「君ね、死ぬの早すぎ。宇宙の予定にもないの。困ったのよ。君は地球で大事な役目が、役割があったのに。君だって考えていたろ?世の中を良くしたいって」
急に現れ、しかもなれなれしく話す神様。見た目は皆が想像するアレだ。ツルツルの羽とヒゲが生えたアレ。なんなんだこの状況と思いながらも、そつなく対応してみる
たしかに僕は生前(もはや地球を離れる気満々である)理不尽な世の中や非合理的な圧力は時代遅れだと思っていて、次の時代の若い子や今の子どもたちが生きやすい社会になってほしいと思っていた
そもそも宇宙の予定って何かわからないが、おそらく宇宙には宇宙のタイムスケジュールみたいなものがあるのだろう
「そうですけど、死んじゃったらどうしようもないじゃないですか」
「いや、手はある」
「え?」
「君の死は完全に予定外。こちらとしても、君には地球で役目を全うしてもらわねば困る。これから地球はどんどん機械に傾倒するだろう。やがては個人が核兵器と同等の武力を持つことになる。ここまで話せばわかるだろ?」
僕は人間として生きているときに、すでにその未来の可能性を感じ取っていた。だからそうならないように、自分ができることをやろうとしていた
とはいえ魂の状態になったし、もうそのプランは無かったことにしようとしてたのに。一旦白紙にしたことを戻すのは大嫌いな性分なのに!!
しかも言葉狂いなく僕の計画を話したな、この神様。さすがというか本物だな。だが、もう僕の気分は変わった。地球に未練はないのだ
「じゃあどうするんですか、話はわかります。まるで僕の頭の中をカンニングしていたみたいに、言葉一つ一つまで同じ予想図を話してくれましたね。もう地球に未練はないけど、カンニングされていたことは嫌ですね、裸にされた気分です」
「そんなことはどうでもいい、いいか、君は死ぬタイミングじゃなかったんだよ、あと少なくとも40年くらいは生きてやることやってもらわなきゃいけなかったんだ。だから君に提案がある」
どうでもいいと言われると露骨に言い返したくなるのは気のせいだろうか? 神様って言葉遣いが、ちょっとあれだよね
とはいえ、相手は神様ですからね。余計な雷落とされたら、たまったもんじゃない。ここは黙って話を進めようと僕は判断した。
「なんでしょう?」
「転生しないか?」
......は?
いかがでしたでしょうか?
ぜひ感想をコメントでお聞かせ頂けますと幸いです。
よろしくお願いします。