いや、マジで一人増えてたんですよ
怖い話?
うーん、不思議な話ならあるよ。
今は都会だと公園で子供が騒ぐことができなくなったろ?
でも、田舎だと休みになれば神社を公園代わりにして、遊ぶ子ってのがまだまだいるんだ。
今でも昔でも、そんな変わってないよ。
でさ、これは俺の子供の頃の話なんだけど。
保育園は卒園してたから、たぶん小学校一年か二年かそれくらいの時の話。
別の部落、あ、今は部落とか集落って言っちゃいけないんだったか。
つーても、俺の感覚からしたら感覚的には部落or集落=村って意味でしかないから。
たぶん、他の人も同じだと思う。
だから、差別的な意味は欠けらも無い。
そう、村な、他の村。
隣の村。
よその村の子と集まって、近所の神社で【かくれんぼ】をしたんだ。
別に1回、二回の話じゃない。
それこそ鬼ごっこもやったし、とにかく昔ながらの遊びで遊んでたんだ。
でも、やっぱり場所が場所だったからかな。
【かくれんぼ】をやることが多かった。
次に【鬼ごっこ】な。
集まるのは、だいたい五~六人程度、その都度人数は変わった。
多くても十人くらいだった。
で、遊ぶじゃん?
ある程度疲れて休むじゃん?
で、また遊んで、お日様が沈み始めると誰となく帰り始める。
でもさ、毎回不思議なことがあったんだ。
毎回、誰かが言うんだよ。
「あれ? 人数、あってる?」
って。
そう、遊んでる時だけ一人増えてたっぽいんだ。
これは俺も経験してる。
俺だけじゃない、親も。
親がそれとなく様子見に来たりしたんだけど、その時、人数分の缶ジュースを持ってきてくれたんだ。
それを全員に配るんだ。
けれど、毎回一つ足りなくなる。
ちゃんと人数分用意してるはずなのに。
そして、遊んだ奴らは、一人増えてたことを感じては居るんだけど、でもそれが誰だったのかわからない。
顔も名前も、全員が全員把握してるはずなのに、だ。
けれど、不思議と不気味には思えなくてさ。
もしかしたら、神様が混じってたのかもねーなんて話をして、そしてやっぱり毎回遊んだんだ。
ま、小学校高学年になる頃には、俺も含めてその遊びを卒業しちゃうんだけどな。
少子化ではあるけど、でも子供っているところにはいるし。
今でも、休みになると実家近くの神社で子供の楽しそうな声が聴こえてくる。
その声を聞く度に、不思議といまでも思い出すんだよ、あの感覚をさ。