神の花嫁(神葉樹の伝説にまつわる絵本)
今回は、神葉樹の伝説をモチーフにした絵本の内容になります。
むかしむかし。
この世界の中心にはおおきな神さまの木がおりました。
そのおおきな木はふつうの木とは違います。
葉っぱは新緑のエメラルド。
幹や枝は白銀のダイヤモンド。
果実は真っ赤なルビー。
花は桃色のパパラチアサファイア。
きらきらと宝石みたいに輝くそれは"神葉樹"とよばれ、人々から愛されています。
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しんようじゅさまは、ひとりでは生きてはいけません。
誰かにおせわをしてもらわなければいけないのです。
そこで、神さまはひとりの娘を与えました。
その娘はまるで花のような姿で愛らしく、皆に愛されました。
神さまがお産みになられたので"神子"と呼ばれています。
みこさまは、まいにちていねいに
しんようじゅさまをお世話しました。
これで大丈夫だと、人々はあんしんし、へいわな毎日が
はじまりました。
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ところが、ある日のこと。
しんようじゅさまとみこさまを気に入らない悪い狼がふたりの前にあらわれました。
狼は、ふたりを傷つけようとします。
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そんな時でした。
空からまっしろな天使がふたりを守るようにあらわれました。
そして、すぐにわるい狼をころしました。
天使はしんようじゅさまとみこさまをまもるために舞い降りてきたのです。
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それからは、天使がしんようじゅさまとみこさまを守りつづけ、こんどこそ大丈夫だと、人々はあんしんし、へいわな毎日がつづいていきました。
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それは、とつぜんでした。
しんようじゅさまはみこさまと契りを交わすことにしたのです。
そう、ふたりはいつしか心から惹かれあっていたのでした。
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人々は大喜び!天使はみこさまを導くように真っ白でふわふわ、きらきらなドレスを与えました。
そう、まさに花嫁です。
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しんようじゅさまとみこさまの結婚式は幸せに、つつまれました。
そして、結ばれたそのあとには不思議なものが実りました。
ミルクのようになめらかで、星のシャワーを散りばめた、金剛石のようにきらきらとひかり輝くうつくしいその果物を人々は"黄金の林檎"と呼びました。
その林檎を人々は全員に分け与えました。
やがてその世界は"楽園"と呼ばれ、幸せの象徴になりました。
人々はしんようじゅさまとみこさまに感謝を忘れずに、いつまでもしあわせにくらしました。
めでたしめでたし。