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一本だたらの笛吹き作戦

作者: はやまなつお

昔、村人たちは山の精霊と交信できた。

動物たちと共存してお互いの棲家を分けていた。


しかし貨幣経済が始まると税金が課されて自給自足生活が失くなった。

すべての行動はお金を稼ぐことが主目的となった。


精霊と交信できる人間はいなくなった。

野山は消えてアスファルトが覆った。

動植物が生きていけない環境に変えられた。


山の妖怪の代表、一本だたらが都会に降りてきた。

都市では原因不明の病気で人が大勢亡くなっていた。


人に化けた一本だたらは都市長と交渉、病気を治せたら

自然破壊を中止すると約束を取り付ける。


病気のウイルスに対するワクチンを生成して病気を治した。

しかし森林伐採も山地造成もやめなかった。


一本ダタラは巨大樹の精霊の姿を現して音波を発した。

世界中の子供、人口60億人のうちの6億人、

0歳から10歳までの子供が各々近くの異界通路に

向かって歩き出し、姿を消した。

赤ん坊は年上の子が持って移動した。


懸命の捜索が行われたが無駄だった。

10年後ごとに一本ダタラが子供を連れ去った。


軍隊は樹木妖怪を攻撃したが物理存在ではない妖怪には

攻撃が通じず、すりぬけるだけだった。


やがて人類は子孫がいなくなって滅びた。


結界で隠されていた山奥の自給自足の村があちこちに現れた。

行方不明の子供たちの村。


それは精霊と交信できる者のみ生存を許されていた。

こうして物質文明は崩壊して地球環境保全という本来の人間の任務を

果たせる人間だけの時代がやってきた。


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