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コケモン


書いてて懐かしい気持ちになりました(白眼)


 俺はタカハシ・メイジ。ただのサラリーマンさ!


「うあー。本当にその時のまんまじゃあねーか!」


 俺は十数年振りに実家に戻ってきていた。家族との仲は良好だとは思うのだが、地方に進学・就職してから一度も帰ってきてなかったからなぁ。俺のアパートに家族がよく遊びにはくるんだけどね?小旅行みたいなノリで。

 なんで実家に帰って来たのかと言うとだな、親父の定年退職を期に家をリフォームするそうだ。そんで俺の私物を処理して欲しいと俺は召喚された訳だな。しかし…懐かしいものだ!なんだかジジイになったような気もするが、なんとも言い表せそうにない感情が沸き起こる。


 俺が自室を空き巣のようにうろついていると。何か足にコツンと当たる。


「ん? なんぞコレ?」


 俺はおもむろにソレを拾い上げる。


「ああっ!? 懐かし~!ゲームバットじゃあないか!ささってるソフトは…コケモン!しかもレッド!キタコレっ」


 ゲームバットとは、我が祖国が誇る家庭用携帯ゲーム機だ。略称GB。正式名称はゲームバットガールだからGBGが正しいんだろうけど。実は驚くべきことに当初は女子向きのゲームとして世に送り出されたものだった。しかし、タイトルの殆どが男性向けの内容であり、かなりグラフィックも過激な傾向があった。なぜにコレを女子向けと? 同じ同性ならどんな表現もアリだと開発陣は思ったのか? そんなバカな。だがその人気は世界的なものとなり、特にその先駆けとなった名作シリーズこそ、コケモン!コケティッシュモンスターガール。現在でもアニメ化されているほどに大人気だ。まあ、一時内容が過激だと深夜枠になりはしたが。モンスターをなんと擬人化するという当時はかなり未来を見てしまった内容の超名作だ。通称コケモンを育てて戦わせ、交換したりと一種のコミュニケーションツールとしても一世風靡した。ただ、コケモンは捕まえるだけでなく、タマゴを産んで増やすこともできる。だがコケモンは基本、メスしか仲間にできないのでタマゴを産ませたいコケモンを草むらで出現するブサイクな野生モンスター(オス)にワザと負けさせたり、怪しいコケモンにしか興味を抱かないオジサンにしばらく預けるしか方法が無い。まあ、楽しいゲームに変わりはないのだが、やはりグラや表現内容がかなりきわどく、世のPTAあたりが荒れに荒れた。当時ガキだった俺も親から変な性癖がついたら困ると反対されて入手するのに苦労したもんだ。


 などとしみじみ思い出にふけりながら、手元にあるGBの電源を入れてみる。


「ブッ ………ピキーン」

「おおっ。コレだ!この感じ!…しかし、よく電源が生きてたな?」


 十数年間ほったらかしてたはずだが? 電源ランプが明滅することもない…まあ、いいか。ちょっとプレイしてみよっと!


 俺は久しぶりに触るコケモンにウキウキしていた。ただ、セーブデータが初期化されていた。…やはり、誰かいじったか? うーむレッドの他にグリーンも持ってるはずだが見当たらない。もしかして、コレ新品か?ん~記憶にないけど買ってたのかな? 初代コケモンにはバージョン違いのソフトが存在する。いま俺がプレイしているクリムゾンレッド。そのレッドと出現するコケモンが異なるモスグリーン。後はテレビ番組のプレゼント商品である、まっさらブルーと特定のコケモンを自分の嫁として連れまわせるキャブイエローだな。特にイエローは俺が好きな巨乳タイプとビキニタイプのコケモンが多い。


 うむ懐かしい!最初は御三家と呼ばれるコケモンを3匹から1匹選ぶんだ。でもこのゲームの糞ライバルは必ずタイプ的に有利なコケモンを後から選びやがるがな!さてと…



 君はどのコケモンを選ぶ?


 じぇいえす  巨乳タイプ  せいちょうきコケモン


 博士「このコは とっても げんきが いいぞ! クラスに ひとりは いたよね こういうコ


 すくみず  ビキニ/ぬれタイプ  ウエッティコケモン


 博士「こいつは とっても じょうぶだぞ! しんしゅくせいが とっても たかいぞ!


 あみたいつ  あしフェチタイプ  びきゃくコケモン


 博士「このみさが ハッキリ しとるな! わしは だいすき だがな!



 巨乳はビキニに強く、ビキニはあしフェチに強く、あしフェチは巨乳に強いと三竦みの相性となっている。はっきり言って今でもこの強弱は理解できない。炎とか草とか水だったらわかるんだけどな? ふむ。正直、オススメは、すくみずかあみたいつだな。最初のクラブリーダー戦ではどちらも有利なタイプだ。特にあみたいつがレベル10で覚えるガーターベルトは序盤から中盤まで使えるスキルだ。スキルとは各コケモンが4つまで覚えられる技のことだな。

 

 「だが悪いな。俺が選ぶコケモンはもう決まっているんだ」


 そう、じぇいえす、とな!理由は巨乳タイプだから。特に初代のコケモンは強いこの巨乳タイプのコケモンが少ないので貧乳ばっかりだ!開発者はよほど歪んだ性癖の持ち主だったのに違いない。

 コケモンは特定のレベルになると進化して強いコケモンになる。特定のアイテムを使ったり、あとは通信交換したりかな? じぇいえすは進化してじぇいしー。さらに進化するとじぇいけーとなり、巨乳タイプに加えてビッチタイプが加わるからかなり強いコケモンになる。ゲーム終盤で覚えられるエンジョコーザツでほぼ無双できちまうからな。まあ勝てないのはロリタイプくらいだろう。アイツら巨乳タイプよりも種類が少ないうえに物理技無効にしやがるからなぁ…オマケに最終進化に通信しなきゃあいけないから面倒くさいんだよね。ホント反則的な強さなだけに惜しい。


 そんな事をブチブチ独り言ちながらゲームをしていると既に2時間近く経過していることに気付いた。


「いけね!ついレベル上げが楽しくて…まいったなぁ。取り敢えずそろそろ止めよう」


 だが、ふと育成中だったコケモンの1匹を見ていて気が変わった。


「…そうだ。最後にアレをやったら部屋を片付けよう」



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