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冒険者ギルド、シロライオンへようこそ


最近、Steamで買ったゲームが面白くてヤバイ。更新が遅れること必至です。


ちなみに「Atomicrops」と「Loop Hero」です。どちらもガチでオススメ!(とても綺麗な死に顔)


 俺達は防具屋から件の冒険者ギルドを目指して歩いていた。俺のマイナンバーカードを発行して貰う為だ。アレ? 違ったか? イヤ似たようなもんだろうさ。(投げやり)


「ところでさっきからなんか俺ジロジロ見られてるんだよね。なんか俺と似たような恰好した人から特に首元をさあ? …もしかして俺の首筋ってそんなにセクシー、かな?(照)」

「イヤ、きっと君の首元に奴隷紋がないから不思議に思ってるんだろうね。ホラ、彼らの首に黒い輪っかがあるだろう?」

「お。確かに…ひとつだったり、ふたつだったrえ。いま奴隷って言った?」

「なんだやっぱり奴隷じゃあなかったか。お前が着てんの、ソレ奴隷装束だぜ」

「だと思った(真顔)」

「ゴメンよ。後でちゃんとした服を買っておくれよ。まあ奴隷って言ってもそんな悲観するようなものじゃあないし、ちゃんと組合もあるから奴隷の人達は横の繋がりが広いんだよ」

「へえ。もっと扱き使われたり、酷い暴力を振るわれて家畜みたいに扱われてるのかと思った」

「「…………」」

「………事例がないわけじゃあないけど、この街ではそんな仕打ちは許されないからね。少なくともバラモアでは人権が保障されているよ」

「確かにガリガリだったり怪我してたりはしてないみたいだな」

「まあ、彼らは一般の奴隷だから、比較的大切に扱われてるんだよ。これから行く冒険者ギルド…には戦闘奴隷がいるんだ。彼らは元冒険者だったり戦闘向きのスキルの保有者だったりでかなり鍛えられてる。正直僕よりも強い人がゴロゴロいる」

「へえ~」


 そんなことをピアン副長から聞かされて歩いている内に冒険者ギルドとやらに着いた。


 …着いたんだけども。


「アレだね。結構ボロいね」

「あ。失礼だよ! セル君は知らないだろうけど此処はこの街では最古参のギルドでね? 冒険者ギルド"シロライオン"だよ。他にはあと2つほど公式に認可された冒険者ギルドがあるけど…」

「ひとつは"クロカラス"で偏屈なギルドでござるよ。B級冒険者以上の在籍しか認めぬ故、お主を連れて行っても、よほど特別なことが無い限り門を潜る事すら許されぬのでな」

「もひとつは"ハイイロオオカミ"だ。というかあそこは冒険者ってのは肩書きみてえなもんで傭兵共の溜り場よ。うちの店にもよく来る上客だが、物騒な奴が多いからお前も気を付けろ」

「真っ黒に灰色…は危険ねえ。うん、憶えた」

「まあ他にもギルドから離れたフリーの集団もいるんだけど、大抵はガラが悪いから街の中でも気を付けてね。さあ、中に入ろう」


 ピアン達と共にギルドの開き戸を通る。ほう。中は思った以上にキレイなとこだった。正面に受付らしきカウンターがありその右側には大きな掲示板が複数あって何かが書かれた紙が無数に貼ってある。なるほどなあ、アレがいわゆる依頼書(クエスト)ってやつか。こうリアルに見るとなんか知らんがテンション上がるなあ。まあ、何が書いてあるのか一切わからんけどな!俺文字全然知らないもん。左側は…ああ酒場みたいになってるんだ。何脚かのテーブルと奥に厨房らしき場所も伺える。そしてたおたう良き朝餉(モーニング)の香りに混じって酒精の匂い。何組かの冒険者らしき者達がコチラを伺っていた。なんだアイツら、朝っぱらから飲んでんのか? ちうか腹減ったわぁ↓ まあもうちょいの辛抱だろうさ。


「やあ、ボンバー。今大丈夫かい?」

「おお、ピアン副長殿ではあるまいか!今日は良き日となりそうであるな。何、当ギルドはいつでも余裕を持つことを信条としておるのだ。何も問題ない!しかしだ、多忙である貴殿が何の用なのだ?」


 ピアンが話掛けたのは背丈からドワーフ人の男だった。しかし問題はとにかく暑苦しいオーラを纏っている人物だった。カイゼル髭にガチャガチャと全身鎧を装備している。アレ? カウンターの奥にいるのだからギルドの職員だよな? なんでそんな重装備なんだよ!そんなんで事務仕事できるのかよ。


「むむ? ほう。奴隷の手続きであるか! 大方その青年が無銭飲食でも致したのであろう。世知辛いことだな。しばし待たれよ!奴隷商を呼んでまいろう」

「違う! 俺は奴隷じゃあねえ!?」

「青年。お前も男子であろう!腹を括らぬかっ!なに、無銭飲食程度ならば大した償いにはなるまいよ…2年間の奉仕あたりが妥当である。安心せよ」

「イヤ違うんだよ、ボンバー。彼の冒険者登録をお願いしに来たんだ。」

「なんとそうであったか!ワレとしたことがうっかり★(テヘペロ)」


 何がうっかりだ。甲冑オヤジのテヘペロなんて重要ねーよ!?


「久しいな、ボンバー」

「おおっ!テンチョー!貴殿が店から出向くとはまた珍しいであるな?」

「ああ、俺がコイツの保証人になるからよ」


 俺の頭にテンチョーの分厚い掌がのしかかる。このままリンゴみたいに潰さないでね?


「…セルです」

「そうであったか!それはすまなかったな青年よっ!ワレは冒険者ギルド"シロライオン"のサブマスター。ビック=ヴァン・ボンバーである!!今後ともよろしく頼むぞ!」

「はい(…なんか色々と爆発してんなあ)」

「では早速…と言いたいところであるが色々と準備があるのだ!すまぬがテンチョーには書いて欲しい書類と他にも頼みたい案件があるのだが、すまぬが別室に来て頂きたい!ああ、ピアン副長殿にも2、3お尋ねしたいので一緒に御同行願う! おおいっ!新たなる冒険者が門を叩いたぞお!説明を頼む!」

「じゃあ、トキゾウ君は少し待っていてくれるかい?」

「…承知したでござる」


 このギルドの副ギルドマスター?であるボンバーは奥に居る職員を呼ぶとズカズカと2階へと階段を昇ってしまった。それにピアンと面倒くさそうに鼻を鳴らすテンチョーが続く。


「…お待たせしました。では冒険者登録のご説明をさせていただきます。えーとお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」


 そこに俺に話しかける透き通った美しい声…


「…? あの?」

「…………セル、です」

「はい。セル様ですね!では説明を…あの、大丈夫ですか?」

「…………」


 そこには天使がいた。


 柔らかそうな銀髪と羽根、それに目の覚めるような赤いルビーの瞳。目の覚めるような美少女。


 否っ!俺は今まさに目を覚ましたのだ!彼女によって…俺は!


 俺はいつの間にか彼女のガラス細工のような両手を握りしめていた。


「結婚して下さい」


「………え」


 ガシャン。酒場の方で誰かうっかりグラスを手から滑り落したのか床に落として割ってしまったようだが、そんな事はもはやどうでも良かった。もはや空腹など消え失せた。俺は無敵だ。




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