七話
「あのっ・・。」緊張感が出てくる・・。
「確か、透君だっけ・・?」
「あ・・はい。」
月島さんのお母さんは、微笑んで言った。「朱莉をよろしくね・・。」と。
意味が分からない。
「どうゆうことですか。」
「実はね・・朱莉は、嘘が嫌いだったんじゃないの。昔、私たちが離婚したせいで嫌いになったのかもしれない。朱莉の母親としてこんなこと言えないけど・・」
月島さんの過去は、僕よりもとても、悲しい過去だった。
「中学の時、朱莉はね。大切な友達がいたの。でも、その友達は、クラスメイトからいじめを受けていた。軽いいじめね。どうすればいいのかいつも朱莉は悩んでた。で、クラスに本当のことを言ったら・・次は、朱莉が・・。」
僕とは、違う生活を送っていたのがわかった。でも、どうして・・月島さんのお母さんの表情がおだやかで・・落ち着いているのか・・。
「それでね・・・。」僕と月島さんは、何が似ているの?僕と・・月島さんは・・
「あの、月島さんの過去は分かりました。でも、一ついいですか?」「・・?」
「僕にどうしろと言うんですか。そして、何か関係があるのですか。そこがわからないので・・面白くない。」少し真剣な顔で言った。
「そうだね・・。関係ないよね・・。でも、母親として・・」また・・。「さっきから、何ですか。『母親』って・・。嘘ついてますよね。月島さんの偽お母さん。」
月島さんのお母さんは笑った。「そっかー・・。あの子は、だませても、君は無理なんだ・・。」「残念ながら、僕は、本当の言葉が嫌いなんで。」「ふふっ・・。そんな人いるんだ・・。で、いつから気づいていたの?」「表情。おだやかに話してましたよね。普通なら暗い顔をしている。あと・・」「うん、そうだよね。最後に偽お母さんから・・」
・・・・。
『月島朱莉には、本当のことを言わないでほしい・・。なぜなら、朱莉の実の母親は事故ではなく自殺をしてしまったから・・。』
関係ない・・関係ない・・そう僕には・・。
でも、やっぱり・・。
「・・?どうしたの・・。お母さんと何か・・」
嘘をついてまであの言葉を月島さんに言うなんて・・
「ん・・?何でもない。」
「そう・・。」
やっぱり、言えない。
こうして、いつの間にか一年がたってしまった。僕は、2年生へとなった。僕は自分の教室へ行き・・席へ。
隣は・・「おはよう、月島さん。」「おはよう・・。」
隣の席は、嘘が嫌いな月島朱莉。
で、僕は、本当の言葉が嫌い。
「また、1年よろしくね。」と僕は、笑顔で言った。
また一年間、僕は嘘をつき続けていくのであった。