表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘と本当の物語  作者: 白狐
7/9

ある少女の過去の話

「・・・・。」

「どうしたの?そんな硬い表情をして。ほら、お母さんに話を聞かせて。」

「悪くない・・もん・・。」

いつも、いつも、私・・お母さんに迷惑をかけていた。ごめんなさい・・ごめんなさい・・。いつも、いつも・・。

    ごめんなさい、お母さん。

心の中でそう思い、心で、ただ謝ることしかできなかった。だって、私は、一つだけお母さんに、嘘をついてしまったのだから。

『嘘つきは泥棒の始まり』そんな言葉をよく聞く。で、思う。『やっぱり、嘘は悪いことなんだ』と。でも、大人は、簡単に嘘をついてしまう。そして、笑う。私にとって『嘘』とは何だろう・・?悪いことなのかな・・。でも、嘘の中には本当の言葉があるのでは・・?少しそう思ってしまう時があった。『嘘』に興味を持ってしまった小さい頃の私は、別の道へと進んでしまうことになるなんて・・

 誰も、思わなかっただろう・・

  自分自身も・・・。


ある日。

お母さんから、話があるといわれて、私は、お母さんがいるところへ向かった。何だろうと思った。その日は、私の誕生日だった。私が、お母さんのおなかの中から、生まれてきた日。もしかして、プレゼント?少しそう思ってしまい、舞い上がる。そして・・。

お父さんとお母さんが椅子に座っていた。表情は、なんだか悲しい表情だった。誰かが死んだのだろうか?それとも・・

「ごめんね、朱莉。お母さんたちね、『離婚』するの。」

り・・・こん・・?最初は、頭の中が真っ白になった。でも・・


『離婚』とは、結婚していた夫婦が分かれること。


「ごめんな、朱莉。でも、お父さんとお母さんは、自分を見直すためにするんだ。」

「ねぇ?朱莉、わかって・・」

そんなの・・わかるわけない・・。だって、お父さんとお母さんが離れたら・・私・・。

「そんなの、嫌だぁよ・・。」

涙があふれて、お父さんとお母さんの表情が見えなくなった。涙を拭いても拭いてもまだ・・流れる・・。

止まれ、止まれっ!そんなことを言っても、止まらない・・涙は・・。

そっか・・嘘とは・・。

「ねぇ、朱莉最後に記念写真撮ろう?」

「お、それいいな。」

人をだますものであり、悪いことなんだ・・。

「朱莉?」「朱莉、どうした?」

お母さんたち、笑ってる。こんなことでも、笑ってる。私は、本当に、泣いているのに・・

「さぁ、早く写真撮りましょ。」

一番大きな『嘘』をついているのは、お母さんたちの方だった。

「ううん、必要ない・・。」

「えっ?あか・・」

私は、写真を撮らずに、一人、階段をのぼり、自分の部屋へ戻った。『嘘』なんか、嫌い・・。


高校生の時。初めての転入!そして、友達作り・・頑張るしかないよね・・。そんな中、『嘘をつく人間』を見つけてしまったのだ。

名前は、『早瀬透』。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ