五話
「やっぱり、都会と違って田舎はいいところですね。」とテンションが少し上がっている状態で橘さんは言った。まさかあのメールが届いて・・本当に行くとは・・。予想してなかった。
~昨日 屋上で~
「えっ・・そのメール。結友ちゃんの。」「えっ・・!?し、知り合いなの・・。」と聞いてみると、月島さんは少し間をあけて「知り合いではないと思う・・。たぶん・・?」それ、本人聞いたらどんな気持ちになるか少しわかる・・。
それより・・。メールの内容―。
『休日空いてますか?空いているならば、行きましょう。』
・・・・・。
まず、どこへ行くか主語が書かれてない。最後まで見ると『in田舎』と書かれていた。
一瞬、『何言ってんだ・・』と思った。
とりあえず・・。
待ち合わせに行き、電車に乗り、バスに乗り・・ついた場所が、本当に田舎だった。
「えっと・・。ここで何をするの?」と聞いてみると橘さんは「え?なにもしませんよ。ただ新聞を・・。」
「何もしないなら今すぐ帰ろう。」と笑った表情で言う。
「それは、通用しないんじゃねーの・・。はーせっ。」と柊が言ってくる。橘さんは、何も答えずにただ黙る。「でも・・新聞・・」と少し泣きそうな表情で言うがそんなの関係ない。「新聞は、いつでもできるし帰ろう!」と勢いよく言う。「それ、嘘・・。」「うぁぁ・・いろんな意味で橘が悲しそうだわ・・。」2人は、僕にそう言ってくる。「じゃぁ・・どうしろと・・。」「そんなの簡単じゃないですか。」「橘さん・・?」
なんか、顔が近い・・。そして、目が死んでる・・。
「ここでしか、やれないことをやりましょう!」別の方向へ行ってる・・。ここにいても問題はないけど・・。「じゃ、やったら帰ろうか。」
「はせっ・・。顔が笑ってるが表情死んでるぞ。」
誰かの携帯電話が鳴った。月島さんは、自分の携帯電話を見て・・。「あ、ごめん。ちょっと・・。」「了解です~!話し終わったら来てくださいね。」と橘さんは、月島さんに手を振って言った。
「・・・・・。」
~数分後~
月島さんが戻ってきた。とても暗い表情をしていた。僕は、どうしてそんな表情をしているか聞こうとしたが・・。月島さんが下を向いて「ごめん・・。用事思い出して、今日は・・ちょっと」と言った。何か嫌なことでも・・?
「用事?なら、一緒に行くけど・・。」と僕が言うと月島さんは、焦って・・「ううん、大丈夫・・。」
そう言って、どこかへ行った。
「・・・?なにかあったのでしょうか。」
「あ、ごめん。橘さん、僕も用事あるから・・。」「えぇー!?」と橘さんは驚いた顔で言った。
僕は、月島さんがさっき向かった道を走っていった。
「どうして・・。2人とも・・。」「まぁ、人に言えない事情があるんだろうな。2人とも、悲しい過去でも持ってるんじゃない・・?」「そうですか、では・・。」