四話
「おかえり~。で、話の内容は・・?」柊が明るい声で言った。「橘さんから・・勝手に、『新聞部の副部長』にされた。」と暗い声で言ったら、柊は、僕の肩をたたいて「ドンマイ」と小さくつぶやいた。
「でも、新聞部って、廃部になったはずなのに・・」そう言うと、柊が少し焦っていた。・・・?
「い・・いやぁ・・。生徒会で廃部にならなくなったんだよね・・」
え・・。人数も少ないのに・・?4人以上部員がいない場合は廃部になると書かれていたはず・・
「えっと・・つまり・・?」「ごめんっ!4人そろった。」
4人集まったんだ。新聞部・・。それで・・。僕は、自分の席を立って教室を出ようとした。「ちょっと図書室行ってくるね。」そう柊に言って図書室へ向かった。あの本・・まだあるかな・・。
探していた本も見つかり、その本を借りた。窓の外を見るとまだ・・雨が降り続いていた。そういえば、月島さん・・。まだ、屋上にいるのかな・・・?そう思って、本を持ったまま屋上へ。
別に、僕には、関係のないことだけど・・。一応、学級委員として・・。
「あっ・・。」屋上に続いている階段に月島さんがいた。屋上から、雨の音が聞こえてくる。
「えっと・・月島さんって、雨が好きなの・・?」と聞いてみると、何も言わずに、ただうなずいた。「僕は、あまり好きじゃない。」僕は、月島さんの顔みないで言った。「その本っ・・」僕が持っていた本に目線を向けた。僕は、「あ、これ?借りてきた本。」と本を見せながら言う。「この本、好きなんだよね。昔、母親に読んでもらってた。」と言うと月島さんは、少し笑って、「その本、私も好きだった。さっき言った言葉本当だね。」
この本が好きなことは、本当だ。
「それでいいのに・・どうして、嘘を・・。」「この本を読み終わった後、『嘘をつかないでほしい』と言われてた。でも、僕は、その約束を破り、嘘をつき続けた。なぜかって・・?」僕は、少し暗い表情で・・
「中学生の時から、親があまり仲が良くなくていつも喧嘩していた。とてもくだらない喧嘩。僕は、それを毎日聞いていた。そして、お母さんは『大丈夫・・』と言っていた。でも、それは嘘。喧嘩がひどくなり、親は壊れていった。自殺をしたり、事故にあったりして・・。」
続きを言おうとした時、「もういいよ・・。」と言われた。僕は、続きを話すのをやめた。
「私の両親と少し似ている・・。私もね、本当は・・」
キーコカーコーン
チャイムが鳴り、『生徒は、下校するように。今日は、部活がありません。』と放送が流れた。
「じゃ・・また。」月島さんは、さっき言いかけていたことを話さなかった。
「あの、月島さん。休日空いてる?」「何・・?」月島さんに橘さんのメールを見せた。
そのメールの内容は・・・。