一話
ピピピピピピ・・!
目覚まし時計が鳴った。その音は、とてもうるさい音だった。一旦、目覚まし時計を止めた。
止めて、もう一度寝ようと・・。
窓から太陽の光がさしていて、なかなか寝れない。そういえば、今何時だろう?僕は、目覚まし時計で今の時刻を確認した。
『7時35分』
寝ぼけてるのかな?なぜ、そんな時間になって・・。
自分の目をこすり、もう一度目覚まし時計を見る。でも、もう一度見ても
『7時35分』
「あっ・・。」
階段を急いで降りて、玄関に行きドアを開けて、外へ出た。そして、学校に向かおうとして、急いで走った。普通なら、ここでバスや電車などに乗って学校へ行くが、今は・・。必要ない。
急がないと、遅刻する。
やっと、学校が目の前に見えてきた。後は、学校の門を通れば・・走るのをやめ、ゆっくりと歩こうとした。走ったせいだろうか、息が荒くなってた。でも、大丈夫。もう、学校に・・
学校の門を通ろうとした時、学校の門の近くで立ってた女の先生が僕のところへ来た。そして、怖い顔をして
「またあなたですか!これで、何回目ですか。いろんな先生から聞いていますよ。さて、今日は絶対に逃がしま・・」
僕は、その言葉を無視して、学校の玄関へ向かった。そして、靴を履き替え、自分の教室へ向かう。あんな説教を聞くよりだったら別のことをしていたい。
キーンコーンカーンコーン。
先生が僕らの教室に入ってきた。さっきまで騒いでいた教室が先生が来たとき、静かな教室になった。みんな自分の席に座り先生のほうを向いた。
「今日は、転入生が来てます。では、自己紹介をお願いします。月島朱莉さん。」
先生は、教室の戸を見つめる。それに、つられて生徒も―。
「あれっ?センセーイ」「転入生は?」「まさかっの・・!?」
先生は、慌てて「えっと・・少しまっ・・待っててくださいね。月島さん~?」と言い、戸を開ける。しかし、戸を開けても、誰もいなかった。今まで静かだった教室が、少しずつ騒ぎ始めた。
ある生徒が「えっと・・この状況ってもしかして、先生。うちらに、嘘を―。」
「あの、僕がその転入生を探しましょうか?一応、このクラスの学級委員だし‥しかも、隣の席・・」
先生は、ほっとした顔で「ありがとう。じゃぁ、ほかの先生方に遅れることを伝えておきますね。えぇと・・ほかには・・」
「心配しなくても、大丈夫ですよ。すぐに見つかると思うので」と落ち着いた表情をして言った。
「わかりました。では、見つけたら先生に伝えてください。はや・・・」先生が僕の名前を呼ぼうとした時、「ちょっと待って!うちも、一緒に行っていい?早瀬君と・・!」と一人の女子生徒が言った。その言葉に対して僕は、小さくつぶやいた。「うるさい・・。」「えっ?何て・・」「ううん、何でもない。ただ一人で探したほうが早いと思う」女子生徒は、「そっか・・はははっ・・。」と言って、何も言わなくなった。
こうして、僕は、一人で転入生『月島朱莉』を探すことにした。