ある少年の過去の話
僕が小学生の時だった。いつもお母さんに、ある本を読んでもらってた。お母さんに読んでもらったあの本がとても、好きだった。
その本の内容は・・・。
『昔々。ある村で、羊飼いをしていた少年がいました。少年は、村人達に嘘の言葉を使います。どうして嘘の言葉を使うでしょうか。村人達は、それがわかりません。だから、いつも村人達は、少年の言葉を疑い、少年自身を信用しなくなりました。
少年を信じる人は、誰もいません。
ある日。少年は、羊と一緒に森へ行きました。森の中は、とても暗くて進むことができません。少年は、来た道を戻り、草原がある場所へ行き羊をそこで待たせました。そして、森の中へ入りました。マッチでランプをつけて進みました。
その時、狼の鳴き声がしました。少年は、驚いてランプを落としてしまいました。ランプを拾わず、走り続けました。狼が少年に近づいていることも分からず、ただ走ることだけに夢中でした。走っていると、いつの間にか森の外へ出てました。周りには、草原が広がりそこに羊がいました。少年は、羊を置いて自分の村へ帰りました。そして、「狼が出た!出たんだよ!」と村人達に言いますが、村人は「また、嘘かよ。」と言い少年の言葉を信じません。「噓じゃないんだよ!本当に・・!」何度も何度も、本当のことを言いますが、村人達は疑います。そして・・・』
お母さんは、次の話を読まなかった。どうして、次を読まなかったか僕にはわからなかった。理由があったのだろうか・・。それより、あの本の続きが気になりある日、お母さんが出かけてるときあの本を読んだ。本の続きは・・少年が悲しい運命なっていたことが書かれていた。最後のページにこんな一文が書かれていた。
『こうして、少年は、村人たちに嘘をついたせいで・・・殺されました。』
・・・・。少しだけ、お母さんが続きを読まなかった理由がわかった。
「『噓つきは泥棒の始まり』か・・。」今でも覚えてる。お母さんの言葉も、あの本の内容も・・。
でも、ごめん・・。お母さんから『嘘をついたらダメだよ。なぜかというと『嘘つきは泥棒の始まり』だから。お願い・・約束して。嘘をつかないことを』って子供の時言われてたけど・・。
ごめん・・。僕は、『嘘』を言いたくないけど・・。本当の言葉も、あんまり好きじゃないんだ。
ごめんね、お母さん。僕は、大人になっても、嘘の言葉を使います。
そして・・・。
『嘘の物語を作り上げていきます。』
by ある少年の過去の話。