↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女ユウカちゃんの秘密  作者: 一二三五六
第三章 人妻若菜さんとの秘密
65/75

第三章 行間

 七月一日。

 今日は私、真田若菜にとって――いいえ、私たち夫婦にとってとても大切な日です。この日をどれだけ楽しみにしていたか、昨日までの光彦さんだったらわからなかったことでしょう。

 昨年まで数年は、仕事から戻って来た光彦さんと出掛けて、あまり知られていないレストランで食事をして、すぐに家へ戻って来るだけでした。

 きっと我儘だと思われますが、私はもっと光彦さんと二人で出掛けたいと思っていました。でも、それを言ったら、光彦さんに迷惑を掛けてしまう。そう思うと口には出せませんでした。

 夕斗くんが現れるまでは。

 彼のお蔭で私は光彦さんに本当の気持ちを伝えることができました。そして光彦さんも、そんな私の我儘を受け止めてくれました。今日も手伝うはずだった仕事があったそうですが、全て他の教師の方々が引き受けてくれたそうです。次に夕斗くんい会った時は、しっかりとお礼をしたいです。


「若菜」


 ふと気づけば、光彦さんが私のことを呼んでいました。

 いつもは綺麗なスーツ姿の光彦さんですが、今日は色の付いたワイシャツと黒いズボンの、久しぶりに見るラフな光彦さんに思わずクスリと笑ってしまいました。


「どうかしたか?」

「いえ、それでは行きましょう~」


 私は鞄を持って寝室を出ました、光彦さんと一緒にリビングを出ようとしたところで、私はテーブルの上に飾られた折り紙の花束に目を止めました。

 これは今朝、三葉が私と光彦さんにくれたものです。いろんな色が使われていて、とても綺麗でした。私はもちろん、光彦さんも「ありがとう、よくできてる」と褒めていました。「蜜柑ちゃんのお兄さんと一緒に決めたの~」って三葉が言った時、光彦さんがなんだか困った顔をしていたような気がしますが……多分気のせいでしょう。

 三葉はその蜜柑ちゃんの家に遊びに行っています、夜には私たちも帰って来るので、いつもより豪華な夕ご飯を三人で食べたいなと思っています。


「それにしても、初めて聞いた時は驚いた」

「何がですか?」

「……若菜が魔法少女をやっていると話した時だ」


 光彦さんは少しだけ眉を寄せて言いました。

 昨日帰って来てから、私の気持ちと共に魔法少女をやっていることも話しました。ルーチェにも超厳重監視?という条件をつけて許可をもらいました。喋るインコさんを初めてみた時の光彦さんは、私が魔法少女の話をした時より驚いてました。


「うふふ、とても楽しいですよ~」

「夫としては、あまり危険なことはしてほしくはないが……私にそれを言う資格はない」

「大丈夫ですよ~、ルーチェさんもいますし、ユウカちゃんっていう頼れる仲間もいますから~」

「なるほど、何故サインが飾ってあるのか疑問に思っていたが、そういうことだったのか」


 納得したように何度も頷く光彦さんを見るのもまた珍しくて、今度はバレないように笑いました。


「会ってみますか?ユウカちゃんに」

「……いや、遠慮しておく」

「そうですか」

「それより、今日はどこに行きたいんだ?好きなところに行こう」

「そうですね~……ではななぽーとに行きたいです」

「そんな近いところでいいのか?」

「はい、私が行きたいところなので~」


 そういうと光彦さんは「わかった」と首を縦に振ってくれました。たったそれだけでも、なんだか嬉しく思えてきます。折角ですから今日の晩御飯もななぽーとで買いましょう、いつもアスナロ通りなので楽しみです。

 アスナロ通りといえば……夕斗くんは今頃何をしているのでしょう?お暇なら今日の夕ご飯も一緒に――いえ、流石に光彦さんに怒られてしまいますね。

 私はエレベーターを待ちながら、これからの楽しい一日に心を躍らせました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。