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魔法少女ユウカちゃんの秘密  作者: 一二三五六
第一章 魔法少女ユウカちゃんの災難
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プロローグ

 俺の名前は安西夕斗あんざいゆうと、アニメと漫画とライトノベルが好きな所謂オタクの高校一年生だ。

 学校ではあまり目立つタイプではなく、同じクラスのオタク仲間と教室の隅で楽しく話しているのが俺の学校での生活だ。やたらと騒ぎまくる「今時の若者(DQN)」とは相いれない人種で、彼らの言うところの陰キャラに部類されているが、そんなことなど知ったことではない。好きでオタクになったんだから。

 かと言って、本気のオタクというわけでもなく、最近では仲間たちの会話の半分がわからないことがあり、時々知っている風を装って話に溶け込んでいる。そんな中途半端な男だ。

 そして、そんな半端者だからなのか、それとも俺がオタクだからなのか、小学四年生になる妹、蜜柑みかんからは異様に嫌われている。この前なんか母さんに「アイツの服と一緒に洗わないで、キモイのが移るから」みたいなことを言っていたようだ。二年前まではお兄ちゃんと呼んでくれていたのに、もう名前すら呼ばなくなった。数年したら俺の苦手なギャル系に進化を遂げるだろう。

 とはいえ、自分の妹ということもあり仲良くしようと心がけてはいる。用はないけど声を掛けたり、一緒に出掛けようって誘ってみたり――大体無視される上に、返答したとしても「キモイ」「シスコン」「ロリコン死ね」と罵倒されるのが関の山だけど。もしかしたら、俺たち兄妹は大人になってもこんな関係なのかもしれない。やはり三次元の妹と二次元の妹は違うのだ。

 リアルなんてロクなもんじゃない、これは俺の友達の口癖だ。このセリフだけで完全に三次元を諦めていることが読み取れる。この口癖を聞いたクラスのチャラチャラ集団からは「何言ってんのこいつ?」と言われていた。この言葉を思い出して、俺は思った……本当にリアルなんてロクなもんじゃない!

 だって、そうでもなければ――、


「ユウカちゃん!今日も大活躍でしたね!」

「はい、ありがとうございます!」

「ユウカちゃん!今日の怪物はどうでしたか?」

「そうですね~、いつも通り大きくて、触手もすごく多くてちょっと怖かったけど……皆さんの声援のおかげで、なんとか勝つことができました!」

「ユウカちゃん!普段はどんなことをされているんですか?」

「ごめんなさ~い!プライベートなことは話せないんです!でも、普通の女の子として生活してます!――あっ、ごめんなさい、もう行かないと!失礼します!」

「あっ、待ってユウカちゃん!写真をもう一枚お願いします!」

「ユウカちゃん!まだ聞きたいことが!」

「ごめんなさい!また怪物さんが出た時に聞いてください!あと……あんまりスカートの中は撮らないでくださいね?恥ずかしいから」


俺が、魔法少女なんてやってるわけがない!


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