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『森』

『森』。

どことも分からない。

資格のあるものしか入れない。

時間も空間も飛び越えた。

どこにもあるしどこにもない。

そういう――『森』。

その中に一軒の小屋があった。

いや、小屋と言うには若干洗練されすぎているか。

黒曜石のように磨きぬかれた壁。

その壁に手のひらで覆ってしまえるほどの小さな窓が夜空を彩る星のようにばらまかれている。

形は定規で測ったような直方体。

斜めにガラスが入ったスタイリッシュなドアを開けるとそこには奇妙な空間が広がる。

右側には飴色に磨きこまれたバーカウンター。

棚には洋酒の瓶に混じってココアの缶や紅茶の缶が間接照明を反射する。

床に固定されたスツールは四つ。

反対側にはこれまた四人は座れそうな豪華なソファーが置いてある。

バーの広さは小屋の広さの三分の一程。

残りの三分の二はヘアサロンになっている。

磨き抜かれた四枚の鏡が並び向かい合うように椅子が並べられている。

椅子の横に置かれたワゴンには櫛、ブラシ、鋏をはじめとしたヘアメイク用の道具が出番を待っていた。

奥にはこれも四つのシャンプー台。

お手製と思しき透明な液体にハーブの入ったボトルが格子状の棚に並び煌めいている。

そしてその奥には無骨な螺旋の階段。

二階はこの小屋の主の居住スペースになっている。

それがこの小屋の全てだ。

そして。

『森』に客人がやってくる。

招かれた者。資格のある者。人にあらざる者。

物語はここから始まる。




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