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芋虫ちゃん

次回を最終回にします。



光秀はのんびりと庭の花に水をあげていた。


光秀「綺麗に育てよ...。」


じょうろを物置に戻すと手を洗って....。



光秀は突然何か異変を感じた。


急いで異変の先...ジャガ芋畑を覗くと...少女が倒れていた...。



*********


おばあちゃん「これは癩病じゃの。」


信長「癩病?」


おばあちゃん「ハンセン病の事じゃ。


かなり進行しておる。」


光秀「車を出せる人探して来ます!!!」


光秀は慌てて家を飛び出していった...。




少女はライトグリーンの髪に真っ白な肌をしていた。


薄幸の少女...それが彼女に相応しい異名だった。


*********



病院についた私たちは少女を診てもらったのだが...。


医師「残念ながら...彼女を生かすには手足と声帯の切除しかありません。


こんなに放っておいて...生きているのが不思議なくらいですよ。」



信長「そんな...」


私は少女を見てみた。


とても苦しそうに息をしている彼女が可哀相だった...。





*********



??「...」


気がつくと私は布団の上に寝かされていました。



確か私は.....関ヶ原で戦死したはずなのに...。




とりあえず起きましょう。




うんしょ...うんしょ...あれ?



起き上がれません。



それに...手足の感覚も...喋る感覚もありません。



察しました。


私はどうやら声と手足を奪われたようなのです。


少し布団をずらしてみて分かりました。





やっぱり不幸体質なんですね。


私.....癩病にかかって...三成様を止められなくて...。





しばらくして一人の少女がお盆にお粥を運んできました.........え?


あなたは.....明智光秀...。


光秀「身体は疼きますか?」


光秀様が笑顔で言いました。



ああ...ここは地獄のようです。


光秀「癩病を治すためにすでに汚染された所は切除してしまった。


本当にすまない」


光秀様が頭を下げました。


??「(いえいえ!こんな私を...助けてくれたんですか?)」


私は口をパクパクさせて尋ねました。


通じる訳ありませんよね...。



光秀「とんでもありません!むしろ...許可なく身体を切ってしまったことを深くお詫びします...。」


あれ?通じています。



光秀「我が儘は好きなだけ言って下さい。


では...。」



私はまた一人になりました。


手足のない身体を横たえ私はかつての懐かしいひと時に思いを馳せました...。





*********



戦国時代...。


私は石田三成様が主催するお茶会に出席しました。


女性は私一人。



席に座ると突然、ペちゃくちゃと喋っていた武将たちがドン引きしてしまいました。



そして...三成様が来ました。


金髪の海外でいう天使のような外見をしていて...優しそうな雰囲気が漂っています。





お茶会は和やかな雰囲気で始まりました。


利休さんが煎れたお茶を皆さんで回し飲みします。


私は...やめたほうがよさそうです。






いつもそうです...私ばっかり仲間外れ。


癩病をみんな怖がって寄り付こうとしません。


イジメもありました。



私...やっぱり...あ!




お茶に涙を落としてしまいました...。


和やかな雰囲気が一瞬で消えました。




またやってしまいました...。


ああ...皆さん飲むふりしかしてません。


やっぱり無理よね...私。


こんなことになるんなら...。




そう思っていた時、三成様はなんとそのお茶を飲み干し、お代わりと言ったのです。





私は彼に恩義を感じました。



それから...私と三成様はお付き合いを始めました。


癩病で上手く動けない私を三成様は優しくしてくれました。



一緒に丘まで散歩したり...海で水遊びをしたり...本当に楽しい時間が続きました。


ある時三成様は私に四つ葉のクローバーを渡してこう言いました。


三成「いいかい、吉継。


今は不幸しかないかもしれない....でも、幸せは身近な所にあるんだよ。


幸せを貯金しよう。」


吉継「三成様...」


私は四つ葉を胸に抱きました。



*********


しかし、豊臣秀吉様が亡くなってから...この幸せはあっという間に無くなりました。





徳川家康様が暴れたのです。


あの時から三成様は変わってしまいました...。


三成「吉継。戦おう。


あの家康を潰すんだよ。」


いつも平和で優しそうな顔をした三成様はあの時に死にました...。


私は三成様への思いを捨てきれず共に闘いました。


癩病に侵された身体はもうほとんど動きませんでした...。


*********





長い回想を終えて私は自分が泣いていることに気がつきました。


吉継「三成様....」


しばらくして、見覚えのある少女が現れました。


信長「私は織田信長よ。


よろしくね?吉継さん。」



私は頷きました。


信長「そうだ!吉継ちゃん!お風呂入ろうよ?」





*********


私は湯舟に浮かべられました。


生れつき身体は軽い私はぷかぷかと浮いてしまいます。



最初はくすぐったくてもがきましたが間もなく気持ち良くなったのでそのまま浮かんでいることにしました。


信長「髪、洗ってあげるね。」


信長様が私の髪を優しく洗ってくれます。



つい眠ってしまいました...。



*********


お風呂から上がると光秀さんが私を寝かせてくれました。


もう大人なのに...西洋のお伽話を聞かせてくれます。




気がつくと...眠ってしまいました。






朝起きると光秀さんが私と体操をしてくれました。


一生懸命腹筋を鍛える私を光秀さんは腰を押さえてくれました。


光秀「お疲れ。


さ!シャワー浴びようね!」


光秀さんは私にお湯をかけてくれました。


*********


信長&光秀&利休&吉継「いただきます。」


光秀さんは私を抱き抱られてお粥を食べました。


吉継「美味しい...。」


私は悟りました...。




本当の幸せは...体の自由で決まるものじゃない。



幸せは...みんな笑顔で食事したり...お風呂に入ったり...眠ったり...







そんな生活が...ずっと続くこと...。










三成様...私...幸せ...です...。




光秀「吉継?吉継!?しっかりしろ!!!吉継!!!!!」





間もなく、吉継は亡くなった。


余りにもあっけなった...。




死因は...最後まで分からなかった...。

ん...。


目を覚ますとそこには綺麗なお花畑が広がっていて....三成様が待っていてくれました。



吉継「三成様~!!!」


いつのまにか戻っていた足で私は三成様に飛び込みました.....。

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