呪い、進行する
遊戯王の六武とアニメの戦コレにはまり中...
俺は鞄を肩にかける急いで車がほとんど通らない車道を走った。
おにぎりを飲み込むとスピードを上げる。
??「よぉ!信長!」
信長「オッス!道博...いや道三さん!」
俺は自転車で追いついてきた着物美少女の斎藤道三(前斎藤道博)に手を振った。
道三「じゃあな!」
ペダルをこいで俺を追い越す。
信長「競争しない?」
道三「馬鹿か!?自転車の方が速いんだぜ?おまけにお前はハイヒールブーツだ!!!」
信長「それはやってみないと!!!!」
道三「あ!俺のカロリーメイト!!!」
俺は道三のカロリーメイトに噛み付き飲み込んだ。
信長「わかんないぜ!!!」
信長になってから俺はなんでもできるような気がしていた。
*********
平地では自転車一台分差をつけられていた。
道三「諦めな!自転車には勝てないんだ...しまった!!信長...嵌めたな...!!!」
信長「ああ。俺は走りながら坂の多い道に道三...お前を誘導してたのさ!!!」
道三「クソッ...自転車がこげない...」
道三はやむを得ず自転車を降りた。
ターニングポイントはここだ!!!!
俺は一気にスパートをかけると道三を追い越して...芋畑を走った。
あれから数日...俺はハイヒールブーツに慣れるために色々努力した。
ぬかるみを走ったり柔らかい土を走ったりした甲斐もあってバランスを崩さずに畑を突破する。
ショートカット作戦。成功!
振り返ると道三が坂上りに苦戦していた。
*********
信長「おはよう!みんな!」
教室に入ると沢庵先生の頭突きが顎にヒットした。
沢庵「遅刻じゃ。」
信長「ごめんなさい...」
沢庵「嘘じゃ。ぎりぎり30秒前じゃ。
次は遅刻しないように。」
信長「はーい...」
*********
道三「畜生...信長に嵌められた。
なんてキレ者なんだ...。」
道三は自転車を停めると教室に向かった所、沢庵先生の頭突きが鳩尾にヒットしたらしい...。
*********
信長「葉子さん。話があるんだ。」
葉子「なんだろう
気になるけど
聞いてみる」
信長「君のこと
芭蕉さんと
呼んでいい?」
葉子は赤面した。
芭蕉「いいですよ
照れるけれども
そうします」
葉子...いや芭蕉さんは笑顔で答えた。
*********
しかし、俺は異変に気がついた。
女体化した男子たちがだんだん女の子っぽい行動をするようになった。
さらに女子と一緒に楽しげに喋る。
まるで男という存在が消えたかのように...。
困ったわね...。
んあ!?ヤバい...俺にまで浸食が始まってる!!!
男を失ってたまるかああああ!!!
義元「やぁのぶっち!」
信長「のぶっち!?」
義元「可愛いあだ名でしょ?私、せっかく女の子になったんだし色々試そうと思って」
信長「ハ...ハハハハ。」
キモい。
義元「ねぇねぇ!私にもあだ名ちょーだい♪」
信長「え?ちょっ!何みんな期待してんだよ!!!...仕方ないなぁ...」
俺はため息をつくと思い切って女の子っぽく言ってみた。
信長「よし...よしもー。」
一瞬で大爆笑だった。
芭蕉「信長さん
命名センス
壊滅的」
勇「でも義元にはダサいニックネームで十分だよな(笑)
な?
トシ」
歳三「ハハハハ!!!!!」
なぜかツボにはまってる。
義元「よしもー...珍獣ですか?...私」
よしもー...意気消沈。
道三「信長!さっきはよくも嵌めたな!!!」
信長「ギクッ!
争いってさ!技が重要なんだよ!」
義元「(...確か義元って桶狭間で奇襲に遭って死んだんだよな...策士だよな。
...とっさにそんな作戦を考えるなんて)」
道三「チクショー!!!!!!!」
道三は泣きながら廊下を爆走した...。
*********
この日、俺は決心した。
自宅に帰ると部屋の中の物を一旦部屋から出すと掃除を始めた。
そして...
信長「少しは女の子っぽく...」
おばあちゃんが大切にとっていた古いおもちゃを選りすぐり置くことにしたのだが...
なぜか秋葉原にある俺でも手に入らなかったアニメで大人気の萌え系キャラ『OLちゃん』のフィギュアが出てきた。
おい...なんで持ってんだよ。
しかもマトリョーシカバージョンとかポスターもあるし!
オイオイ...
*********
OLちゃんを本棚ならぬゲーム棚に並べてゲームを陳列していく。
二時間後...
信長「完成♪」
今の外観に加えて女子力アップのためにピンク色のカーテンなどを入れた。
次の日....
俺はいつものように鞄をかけ、おにぎりを食べながら走る。
俺は決めた。
男としてもう生きられなくなるのなら....女としてこの一生を捧げればいいと!!!