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19.新たなる始まり

出産後五日入院し、退院後暫くの間、実家にお世話になる事になった。

今まで住んでいたアパートが独身者専用だった為、戻ることが出来なかったからだ。

古びた公営団地の中にある、数年振りに戻った我が家は、全くと言っていい程、変わってはいなかった。

両親は、まだ心の整理も出来ていないにもかかわらず、色々と準備してくれた。

真新しいベビー用布団に哺乳瓶、肌着や洋服、紙おむつなど様々な必要品を揃えてくれた。

私も出産前にある程度は揃えていたのだが、産まれた子が予想外に大きかった為、それらの品物が全て使うことが出来なかったのだ。



実家のある公営団地は、私が小学生の時に引っ越してきて以来、ずっと住んでいた場所だったので、周囲の人間は殆どが昔からの知り合いだった。

急に産まれたばかりの赤ん坊を連れて帰ってきた私の事を、陰で変な目で見る人はいたと思う。

両親、特に母は、私のいない所で、色々言われたと思うが、それを私に言うことは一切無かった。



そして、帰ってきてすぐに、新たな試練がやってきた。

実家に戻ってきて最初の夜。

深夜十一時、寒さも厳しい真冬の静かな夜空に響き渡った、切り裂くような泣き声。

それは、どこまでも果てしなく続く、睡眠不足との長い戦いの幕開けだった。

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