Act.1 Ep.1
小説を書くのが初めての初心者が頑張って書きました。
よければ最後まで読んでいってください。
周りを囲うエメラルドに光った花畑の中で、少女は目覚めた。
「ここ…は…?」
広がる白い景色、聳え立つ時計塔
全てが不思議に思えて、少女は困惑していた
風も、音もない。その場所はあまりに静かで、不気味に思えた。
景色を眺めていると、遠くから誰かの声が聞こえた。
「あ!新しい子だ!」
明るい声が聞こえてくる、その声に少女は驚き声の方を向く。
声の主は白い…人のようだ。たしかに人だが、目がない。だが少女は人の姿すら見たことがなかったため、それが普通なのだと思った。
白い人は少女に駆け寄って、話しかける
「はじめまして!」
「は、はじめ…まして…?」
少女は何が何だかわからないまま、とりあえず白い人と話してみる。
「あ、あの…ここはどこなんですか…?」
「さあね、私たちにもわからないよ。」
「えぇ…」
少女が顔を顰めると、白い人は明るく返した
「とりあえず、みんながいるところに行こう!みんな君のことを待ってるよ」
「み、みんなって…?」
「街に住む人たちのことだよ!行こう!」
そういうと白い人は少女に手を差し伸べる
少女は恐る恐るその手を取り、白い人についていった。
2人がたどり着いた場所は、聖堂のような豪華な街。
「ここが街だよ」
少女は街の綺麗な景色に見惚れている
「素敵な場所ですね…!」
「でしょ!みんなここが大好きなんだ」
2人が話していると、白い人に似た人たちが駆け寄ってきた。白い人の知り合いのようだ。
「新入りかな?はじめまして!」
「あ、はじめまして…」
少女は軽く会釈をする、白い人たちは容姿がとても似ていて少し不気味に感じたが、もしかしたら自分も同じなんじゃないかと思い気にしないことにした。
「ところで君、名前は?」
そう聞かれて少女は少し戸惑ったような表情を見せた。
「な、名前…?わかりません…」
「あ、そうか。ここに来た人はみんな名前がないんだ…」
そう言うと白い人の知り合いは何かを考える。
「じゃあ、名前を考えてあげるよ!他にないような特別な名前がいいよね…」
うーん…と軽く唸りながら考えていると、白い人が思いついた!と言い
「リュエルアってどう?いい名前だと思うんだけど…」
どんどん話が進んで少女は困惑して答えが出せずにいる
「…いいってことだね!じゃあリュエルアちゃん、よろしく!」
「え?あ、ええと…」
少女が何か言う前に白い人は続けた
「街を見て行きなよ!どこも綺麗だしきっと気にいるよ」
「わ、わかった…」
少女は言われた通りに街を観光し始めるためその場所を離れた。
少女はなんとなく、通りに沿って歩き始めた。
会う人全員が明るく接してくれて、少女はここが安全な場所だと認識し始め、安心して街を散歩していた。
しばらく街を歩いていると、不意に視界の端で何かが光った。
「…!今のは…?」
光が差し込んだ方向を見ると、そこには時計塔があった。
とても大きな時計塔が少し遠い場所に建っている。
今まで見た景色は、どれも白いものばかりだった。この時計塔もそうだ。だが、時計塔のてっぺんにある輝いているものは、色を持っていた。
「綺麗…」
リュエルアは時計塔のてっぺんにあるものが気になり、時計塔の方向へと歩み出した。
すると、声がした。
「お嬢ちゃん、そっちの方向へは行かないほうがいいよ」
リュエルアは驚いて、声のする方向を見た。すると、白い少年のような人がいた。
リュエルアがぽかんと少年を見つめていると、少年はこう言った。
「あの時計塔へは行かないほうがいい、あそこに入ると二度と戻れなくなるからね」
そう言われ、リュエルアは不思議そうに少年に尋ねた。
「…どうして戻れなくなるの?」
「あの時計塔にはね、特別な力があるみたいなんだ。あそこに入った人はだーれも帰ってきてないよ」
そう言われ、リュエルアは時計塔の方を見る。とても綺麗な装飾がされていて神秘的だが、少年の話を聞いた途端、それが不気味に思えた。
時計塔を見ていると、少年は
「とりあえず、この街でゆっくり過ごそうね」
と言い、ニコッと笑った。
「わ、わかりました…」
少し名残惜しそうに、リュエルアは白い人がいるところに戻った。戻る途中も、チラチラと時計塔の方を見た。やはり綺麗で、危険だとは思わない。だが今は言われた通りにこの場所にいたほうが良さそうだと思った。
来た方向に戻ると、白い人とその知り合いはまだ話をしていた。
リュエルアが近づくと、すぐに白い人が気づいたようで、大きく手を振って声をかけてくれた。
「おかえり!どうだった?この街、どこも素敵でしょ!」
そう言われリュエルアは頷いて明るく返した。
「どこも綺麗でなんだか神秘的で、すごくいい街ですね!ここの人たちも優しいし…」
白い人はその言葉を聞いて嬉しそうにしている。
「そういえば、あの時計塔は…」
リュエルアがそう言いかけた途端、白い人の表情が曇る。
「時計塔のことには触れちゃダメ」
食い気味に白い人は言った。
リュエルアは、言葉を遮られて少し嫌な気持ちになったが、時計塔はそれほど危険な建物なんだと理解した。
…少し気まずい空気になってしまった。リュエルアはなんとか良い話題を出そうと考える。
「…あ、あの…この街に名前とかってあるんですか…?」
そう聞くと、白い人は答えた。
「それがね、ないんだよね。名前をつけなくても、この場所以外行けるとこはないし意味ないかなって」
「そうなんですね…」
そういえば、街を歩いていた時のことを思い出すと、時計塔などの遠い場所にある建物の奥は、白く曇っていて何も見えなかった。あの先はどうなっているんだろうか…
「あ、あの、行けないっていうのは…行く場所がないというより危険だから…ですか?」
そう言われて白い人はこう答えた。
「そうだね、あの霧の中に入ったら迷っちゃいそうだし、だーれも近付かないんだよね」
「なるほど…」
すると突然白い人は思い出したように、
「…あ、そうだ!君の部屋をさっき用意してもらったんだよね、こっちに来て!」
と言い、駆け足で建物の方に行った。
リュエルアは驚きながらもその後を追った。
建物に入ると、目に入ったのは綺麗で豪華な装飾、絵画など、どれも素敵なものばかりだ。だがやはり色がない。
だがリュエルアはそれを不思議には思わず、その綺麗な装飾に見惚れている。
「なかなか綺麗でしょ!ここの一室がちょうど空いていたから使っていいってさ!」
白い人がそう言うと、リュエルアは嬉しそうに返事をした。
「いいんですか!?こんないいところを…」
「もちろん!部屋に案内するね!」
白い人はリュエルアの手を掴み、部屋へ向かう。
リュエルアはワクワクしながらついて行った。
「ここが君の部屋だよ!」
部屋のドアを開けると、貴族が過ごすような豪華な家具がたくさん置かれているのが見えた。リュエルアは目を輝かせている。
「わぁ…!素敵ですね!」
「ふふん、ここの家具ね、僕が並べたんだ!なかなかいい配置でしょ」
「そうなんですね!過ごしやすそうな部屋でとてもいいですね…!」
2人が楽しそうに話していると、さっき話していた白い人の知り合いが部屋の近くに来て、白い人の肩を軽く叩いた。
「遊ぼ〜」
「あ、いいよ!リュエルアちゃんも一緒に遊ぶ?」
遊ぶ、というのがよくわからなかったが、今は部屋でゆっくりしたい気分だ。
「…今は部屋でゆっくりしたいです、また後ででもいいですか?」
「もちろん!ゆっくり休みなね〜」
そう言うと白い人とその知り合いはリュエルアに手を振って外に向かった。
リュエルアは手を振り返して、その後ドアを閉め、部屋を見渡した。
「やっぱり…綺麗で落ち着く…」
そう独り言をこぼすと、大きなベッドに横たわる。
布団が柔らかく、すぐ眠ってしまいそうだ。
しばらくぼーっとしていたリュエルアは、不意に時計塔のことを思い出し、考え込んだ。
どうしてあの時計塔は危険なのだろうか…なぜ人が帰って来れないのか…色々考えているうちに、リュエルアは眠ってしまった。
読んでくださりありがとうございます。これからも頑張って続きを書きます。




